第二の人生を仮想世界の中で過ごそうか。

*黒猫このはw*(:草加:)

文字の大きさ
11 / 11

結果

しおりを挟む
ーstart!!ー
「らぁっ!」
その字が走るとほぼ同時にザコ男は爪に赤いエフェクトを纏わせながら突進してきた。
「…ほぉ。」
爪専用中級スキル『三連斬撃』か。あれの平均取得レベルは60前後だったはずだが。
俺の推定ではこいつのレベは55辺りだったんだがなぁ。
まあ、食らってもHPに痛くはない。
俺は初級受け流しスキル『水流』を発動させた。ぽぅ、と淡く水色に光った剣を斬撃の軌道に合わせて斜めに構える。

ギリリッ、ザリンッ!
「ああ!?」
受け流しに成功する。
「ふん」
俺に先手必勝は通じねーぞザコ男よぅ。
ザコ男は後ろに大きく飛び俺から距離をとった。
「舐めやがってぇ…っ本気で相手してやる!」
「おいおい…。いくらなんでも短気過ぎるだろ…。…ん?」
爪が深い緑色のエフェクトを纏い始める。そよ風も吹いてきた。
「…へぇ!」
こりゃ驚いた。
専用上級スキル『真・風牙』じゃん!
平均レベは80!
認識を改めよう。こいつはザコ男じゃなく、ただの男だったと。
よし。
これを見せられちゃぁ、俺も少し本気を出さなきゃなっ!
「ふっへっへ…死ぬ覚悟は出来てんだろうなぁ!?」
ドヤァ…って顔で言われた。
「え?いや全くこれぽっちも。」
「なっ、マ、マジレスすんなっ!!」
男の顔が赤くなった。なんかごめん。

頭の中で反省しながら俺は剣を再度構えた。リンッと微かに音が鳴る。
剣から腕の付け根まで模様じみた蒼色の濃い光が走っては消えるを繰り返す。
「…?
しねぇぇええ!!」
男のスキルの構成時間が過ぎたらしくものすごい形相で駆けてきた。
俺はその場に留まりほんの少し屈む。

「…最上級スキル、」
「!?」
「『帝水龍の口撃』!!」
男のエフェクトを帯びた爪撃はブォンッと音を立てながら俺の頭の上をさらい、
ほぼ同時に俺の剣は蒼い筋を引きながら男の胸へ深く突き刺さった。
「…まだまだッ」

光が爆発した。

引き抜かれた剣が鋭利な曲線を描きながら何度も胸へ突き立てられる。もはや速すぎて残像しか見えない。
「うおおおおっ」
二撃三撃四撃五撃六七八九……十連撃。 

ヒュン…。

最後の一撃を横薙ぎに払うとしばしの静寂が二人の間で満ちた。

剣から蒼色の光が引いていく。
同じ場所を何度も切りすぎてもう男の胸にはでっかい風穴が空いている。まるで龍がブレスを吐いた後みたいに。
呆気にとられている男のHPは死にかけのレッドゾーンに突入しておりあと2~3センチしか残量はなかった。
…お、オーバーキルすぎたかな…?
心の中では冷や汗をかきながら、顔はクールフェイスを保つ。
視界の中央にYOU WIN!!の字が踊った。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

処理中です...