第二の人生を仮想世界の中で過ごそうか。

*黒猫このはw*(:草加:)

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とりあえず剣

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さて、と。今俺の手には全財産の約60万がある。メニューから主に店には滅多に売っていない装備や武器が揃っている露店で装備を整えるためだ。
だが俺は露店欄を引き出した段階で引き止められていた。 
なぜならば
「聞こえてんのかぁ?金よこせよザコォ」
「…。」
…たかられていたからだ。
いきなりの事に動作が止まったが、こういうのは相手したら負け。どうせ街中じゃ俺を攻撃することなんてできねぇし。
俺は真横でオラオラ言っているプレイヤーを無視してメニューに目を戻した。
…二日目でこういうタイプが出てきたかぁ…。
「無視してんなよざこ。どうせレベ50もねぇんだろぉ?前線にもいかねぇざこならつえぇ奴に金あげた方が攻略がはやくなるってんだぁ」
ざこざこうるさいな。俺は露店欄を更新した。値段安いやつないかなー。
「無視してんなよおらぁ!」
ガンッ!!
ざこざこ男は俺を殴ったが、当たる寸前に見えない壁に当たる。音うるせっ。
つーかこいつしつこいな。音にびっくりして体跳ねたわ。
…お!いいの見っけ!レベル90ならないと装備できないレアモン泥の水属性片手剣!値段たったの15万!!…売ってる人絶対一桁ミスしたな。まあいいや買おう!!俺は急いでその剣をタップし、金額を記入して、買った。
露店欄を一旦閉じ、装備欄に移動し、その剣を装着する。左腰に重みが加わった。
「あ?なんだぁ?」
よし。こいつで試し切りしてやろう。これでも俺はこいつにイラついてたのだ。どうせ死なないし、な?
「…ざこざこ男。」
「誰がざこざこじゃぼけぇ!!殺すぞぉ!!」
「俺と一対一しようぜ。俺に勝ったら全財産くれてやるよ。」
一対一。街中で唯一互いのHPを減らせるデュエル。
「あ?なめてんのかぁ?面倒クセェさっさとよこせよ!」
俺はクスリと笑った。
「びびってんの?」
ざこざこ男はあからさまにブチ切れた。
「ああ!?!?てめぇふざけんなよやってやるよぉ!!」
ちょろっ。
「はいはい。」
俺はメニューを再度開き、ざこざこ男に対戦メッセージを送った。
すぐに受理される。
視界の端に20秒のカウントダウンが大きく表示された。
…あ、場所変えるの忘れてた。…まあいいや、丁度今、人通り少ないし。ここで大丈夫だろう。
「言っておくけど俺、90レベ以上だから。」
「は、はぁ!?嘘言うなよ!!ブチ殺してやるからなぁ!!」
「信じないなら結構。始めようか。」俺は手に入れたばっかの剣を中段に構えた。んー、少し重いな。後で振る練習しないと。
ざこざこ男は爪を構えた。あれここ近くの湿原にいるコカトリスから泥する爪じゃねぇか。
1ダース持ってた時期があったわ。まあいい。集中しよう。
カウントダウンが5秒を切る。俺はもうざこざこ男しか視界になかった。
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