1 / 83
1.嵐の前の平穏
しおりを挟む
いつもより眠たい。
起床しまだ重たい身体を動かして、学校へ行く準備をする。そしてリビングに顔を出すと普段は家を早く出る叔父さんが新聞を読み、叔母さんが朝食の支度をしている。俺も叔父の隣の席につき朝食ができるのを待つ。テレビがついていなかったが静かなのはあまり好きじゃないから電源をつけた。ニュース番組だ。そしてその内容を聞いて驚く。
『臨時ニュースを申し上げます。本日未明アメリカ軍と帝国軍が戦闘状態に入りました』
それはこの世界の運命を大きく変える戦争のはじまりを告げるものであった。
西暦2122年。俺、真壁和澄は歳は13歳。ユーラシア帝国にあるウェストサンド学園の生徒である。
今から22年前。22世紀に突入と同時に日本はアメリカに対して宣戦布告した。当時日本は天才学者、岡部真理夫により様々な兵器を開発していた。レーザーを発射するライフル、オールレンジ兵器、転移装置など、様々な兵器を開発。近年にユーラシア大陸全土が統一された帝国はともかく、21世紀から規模の変わらないアメリカなら圧倒できると考えた。勝利の確信を持っていた日本政府は国民に何の通達もせずに宣戦布告をアメリカに伝えた。
しかし日本は大敗を喫した――――それも圧倒的な敗北。レーザーライフルは正面から受けとめられ、オールレンジ兵器は一弾も掠ることもなく、転移装置での移動は移動先に予め兵士を配置され、移動してきた兵士達は蜂の巣にされた。
アメリカ軍には天才をはるかに凌駕する化け物達がいた。人知を超越した能力をもつ化け物に日本の虎の子の兵器を持つ精鋭部隊は無力化されたのである。その能力を持つ彼らは因果関係があるわけではないが、それぞれ目に模様があることから魔眼所持者と呼ばれ後に恐れられる。
敗戦国となった日本は植民地となるはずだったが、宣戦布告は政府上層部の独断で行われていたため国民に罪なしと魔眼所持者達の強い要望により、政府上層部の最高責任者のみを処刑し、日本は植民地にはならずに済んだ。
一方、国のトップを一斉に失い行き場をなくす国民達もいた。そこでユーラシア帝国とアメリカは希望者を集い、移民を受け入れると宣言。日本の国民の半分以上がユーラシア帝国とアメリカに移民した。
現在、ユーラシア帝国に移民してきた日本人は帝国民として国籍も取得している。移民してきたのは父と母で、俺はこの地で生まれたこの地で育った帝国民だ。だが父と母は数年前に戦場で消息を絶ち現在行方不明。俺は叔父さんと叔母さんの家にお世話になることになった。
◇◆◇◆◇
「まずいことになったな」
叔父さんが焦るように口にした。
叔父さんの名前はマーフィー・アルバート。銀髪の碧眼で顔が童顔だが、放つ威圧は虎も裸足で逃げ出すほどだ。それもそのはず帝国軍の初代元帥であり、いまだ現役で衰えを知らない。20年以上帝国軍のトップとして軍を引っ張っているだけある。家では優しいけどね。
「まずいってことは帝国軍にとっては不測の事態?」
国の最高階級の元帥が戦闘について焦るということはその戦闘は軍があずかり知らぬところでの戦闘。俺はそれについて疑問を問いかけた。
「ああ。アメリカ軍は岡部真理夫、日本の天才学者が帝国に逃亡しているのではないかと疑いをかけてきている話は聞いているな?アメリカの代表はその事実確認のために近日に帝国へ訪問の予定だったんだ」
その話は教官に先日伝えられていた。かつての日本の天才、岡部真理夫もまた最高責任者同様処刑される予定だったのだが、刑執行日の前夜に脱獄し未だアメリカ軍は、その行方は掴めていなかった。
「疑惑をかけられての訪問前に軍同士の戦闘の発生。こちらの事情はどうあれ戦争をするための大義名分には十分だね」
「その通りだ。今日は和澄の学校にスピーチをしにいく予定だったが、わたしは今から本部にいき事態の把握と今後について話合わなければならない。悪いが校長に今日の演説は中止と伝えておいてくれ」
「わかったよ叔父さん」
そういうと叔父さんは朝食ができる前に家を出て行った。
「あの人ったら、朝食くらい食べていけばいいのに」
叔母さんは呆れたように口にした。
叔母さんの名前は香澄・アルバート。俺の父の妹で、俺を引き取ることを申し出てくれた恩人だ。外見は日本人形のような黒髪ロングの美人。今は退役しているが、ユーラシア帝国設立からのはじめての日本人の軍人で最終階級は少将。日本人特有の黒髪と敵対したものへの容赦のなさから他国からは"黒の女帝"と恐れられていた。
普段の叔母さんを見てるとそんな風に呼ばれてたなんて、想像もできないけどね。
「和澄~もうちょっと待ってね。あと少しでできるから。あとまだ夢の中にいる寝坊助も起こしてきてちょうだい」
「りょーかい。じゃあ兄さん起こしてくるね」
この匂い。今日の朝ご飯はホットケーキか!
叔母さんのつくるホットケーキは好きだから嬉しい!
朝から悪いことばかりでやっといいことがあった。
俺はウキウキしながら従兄弟の兄の寝室に向かっていった。
起床しまだ重たい身体を動かして、学校へ行く準備をする。そしてリビングに顔を出すと普段は家を早く出る叔父さんが新聞を読み、叔母さんが朝食の支度をしている。俺も叔父の隣の席につき朝食ができるのを待つ。テレビがついていなかったが静かなのはあまり好きじゃないから電源をつけた。ニュース番組だ。そしてその内容を聞いて驚く。
『臨時ニュースを申し上げます。本日未明アメリカ軍と帝国軍が戦闘状態に入りました』
それはこの世界の運命を大きく変える戦争のはじまりを告げるものであった。
西暦2122年。俺、真壁和澄は歳は13歳。ユーラシア帝国にあるウェストサンド学園の生徒である。
今から22年前。22世紀に突入と同時に日本はアメリカに対して宣戦布告した。当時日本は天才学者、岡部真理夫により様々な兵器を開発していた。レーザーを発射するライフル、オールレンジ兵器、転移装置など、様々な兵器を開発。近年にユーラシア大陸全土が統一された帝国はともかく、21世紀から規模の変わらないアメリカなら圧倒できると考えた。勝利の確信を持っていた日本政府は国民に何の通達もせずに宣戦布告をアメリカに伝えた。
しかし日本は大敗を喫した――――それも圧倒的な敗北。レーザーライフルは正面から受けとめられ、オールレンジ兵器は一弾も掠ることもなく、転移装置での移動は移動先に予め兵士を配置され、移動してきた兵士達は蜂の巣にされた。
アメリカ軍には天才をはるかに凌駕する化け物達がいた。人知を超越した能力をもつ化け物に日本の虎の子の兵器を持つ精鋭部隊は無力化されたのである。その能力を持つ彼らは因果関係があるわけではないが、それぞれ目に模様があることから魔眼所持者と呼ばれ後に恐れられる。
敗戦国となった日本は植民地となるはずだったが、宣戦布告は政府上層部の独断で行われていたため国民に罪なしと魔眼所持者達の強い要望により、政府上層部の最高責任者のみを処刑し、日本は植民地にはならずに済んだ。
一方、国のトップを一斉に失い行き場をなくす国民達もいた。そこでユーラシア帝国とアメリカは希望者を集い、移民を受け入れると宣言。日本の国民の半分以上がユーラシア帝国とアメリカに移民した。
現在、ユーラシア帝国に移民してきた日本人は帝国民として国籍も取得している。移民してきたのは父と母で、俺はこの地で生まれたこの地で育った帝国民だ。だが父と母は数年前に戦場で消息を絶ち現在行方不明。俺は叔父さんと叔母さんの家にお世話になることになった。
◇◆◇◆◇
「まずいことになったな」
叔父さんが焦るように口にした。
叔父さんの名前はマーフィー・アルバート。銀髪の碧眼で顔が童顔だが、放つ威圧は虎も裸足で逃げ出すほどだ。それもそのはず帝国軍の初代元帥であり、いまだ現役で衰えを知らない。20年以上帝国軍のトップとして軍を引っ張っているだけある。家では優しいけどね。
「まずいってことは帝国軍にとっては不測の事態?」
国の最高階級の元帥が戦闘について焦るということはその戦闘は軍があずかり知らぬところでの戦闘。俺はそれについて疑問を問いかけた。
「ああ。アメリカ軍は岡部真理夫、日本の天才学者が帝国に逃亡しているのではないかと疑いをかけてきている話は聞いているな?アメリカの代表はその事実確認のために近日に帝国へ訪問の予定だったんだ」
その話は教官に先日伝えられていた。かつての日本の天才、岡部真理夫もまた最高責任者同様処刑される予定だったのだが、刑執行日の前夜に脱獄し未だアメリカ軍は、その行方は掴めていなかった。
「疑惑をかけられての訪問前に軍同士の戦闘の発生。こちらの事情はどうあれ戦争をするための大義名分には十分だね」
「その通りだ。今日は和澄の学校にスピーチをしにいく予定だったが、わたしは今から本部にいき事態の把握と今後について話合わなければならない。悪いが校長に今日の演説は中止と伝えておいてくれ」
「わかったよ叔父さん」
そういうと叔父さんは朝食ができる前に家を出て行った。
「あの人ったら、朝食くらい食べていけばいいのに」
叔母さんは呆れたように口にした。
叔母さんの名前は香澄・アルバート。俺の父の妹で、俺を引き取ることを申し出てくれた恩人だ。外見は日本人形のような黒髪ロングの美人。今は退役しているが、ユーラシア帝国設立からのはじめての日本人の軍人で最終階級は少将。日本人特有の黒髪と敵対したものへの容赦のなさから他国からは"黒の女帝"と恐れられていた。
普段の叔母さんを見てるとそんな風に呼ばれてたなんて、想像もできないけどね。
「和澄~もうちょっと待ってね。あと少しでできるから。あとまだ夢の中にいる寝坊助も起こしてきてちょうだい」
「りょーかい。じゃあ兄さん起こしてくるね」
この匂い。今日の朝ご飯はホットケーキか!
叔母さんのつくるホットケーキは好きだから嬉しい!
朝から悪いことばかりでやっといいことがあった。
俺はウキウキしながら従兄弟の兄の寝室に向かっていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる