神世界と素因封印

茶坊ピエロ

文字の大きさ
16 / 83

16.ラッキースケベ

しおりを挟む

「ただいま」


 なんかやっと家に帰って来れた気がする。家の中に入ると叔母さんとミナのお母さんが話しをしていた。
 しばらくはミナとミナのお母さんはうちで寝泊まりするらしい。


「久しぶりね。和澄くんヨシュアくん」


「おかえりなさい、ヨシュア、和澄、大変だったみたいね」


 どうやら俺が眠ってる間、兄さんはずっと横でついていてくれていたらしく家にもまだ帰ってなかった。


「お久しぶりです。母さんに心配をかけたよ。ごめん」


「久しぶりメアリーさん。叔母さん本当にごめんなさい!」


 俺と兄さんはそれぞれ頭を下げた。心配をかけてしまって申し訳ない。


「いいのよ~。まぁあの人は思いっきり活を入れといたから!」


 元帝国軍少将、黒の女帝ブラックエンプレス活は一体どんなのだろうか?想像しようとしたが部屋から出てきた父さんの顔がパンパンに腫れていて想像をやめた。あれはもう威厳もなにもない。叔父さん尻に敷かれてるなぁ。
 後ろにはもう一人男がいた。


「帰ったかヨシュア、和澄」


「うん帰ったよ叔父さん。ところで後ろにいるのはルナト殿下?」


 そうだ。皇帝陛下の息子、おそらく俺が叔父さんと兄さんを疑う原因を作ったであろうルナト殿下その人がいた。


「やぁおかえりふたりとも。お邪魔しているよ。そして真壁、先日は悪かったね。この前は半ば私の所為であんなことになってしまって。身体の具合はどうだい?」


「はい殿下。俺も子供の癇癪が過ぎました。誠に申し訳ございません」


「思ったより気持ち悪いな」
 

 なんだこの男。謝るのか喧嘩を売ってるのかどっちだ?謝られてすぐにわりとイラッときたぞ。


「ハハハ。顔芸が得意のようだな。すごい顔してるぞ」


「誰の所為だ誰の!いきなり謝られて気持ち悪いとか誰だって顔引き尽かせるわ!」


 俺は礼節も弁えず殿下を怒鳴りつけてしまった。はっ!しまった!って顔をしてると殿下は笑いながら言う。


「悪い悪い冗談だ。私は皇帝の息子だ。私に向かって敬語を使わない人間は貴重でね。同世代の君たちとは対等で居たいんだよ。特に君なんて出会ってから私にほとんど敬語を使っていないからね」


「それは出会いが出会いで。わかったよ殿下。崩れた口調で話すな」


「殿下は堅苦しい。ルナトでいい」


「そうかわかったよルナト。ところで対等ってことはさ・・・」

 ーーーボカッ
 
 一発殴った。俺をあんなに疑心暗鬼にさせたんだ!これくらい当然な報いだ。
 殿下という立場の者を殴った俺。
 この場にいた全員が慌てる。


「対等なんだこれくらい当然だろ!」


「ふふふ。ふはははは。殴られたのはいつぶりだろうな。母上にぶたれて以来か、きいたぞ真壁」


 ルナトは笑っていた。なんだかんだ殿下として振る舞っていて肩の荷でも下りたのだろうか。


「・・・和澄」


「―――え?」


「俺は和澄だ。対等な関係なんだろ?名前で呼び合おうルナト」


「そうだな。わかった和澄。ヒューゲルは今上にいるとおもうぞ。早く顔をみせてやれ」


「わかったよ!俺はそもそもミナの顔がみたくて早く帰って来たんだからな」


 そういうと俺は笑顔で上の階に向かっていた。ルナトがまだ笑っていたが気にせずに・・・。
 そう、ルナトが笑っていた理由が、このことだと気づいたときにはもう遅かった。


「カズ・・・くん・・・?」


 ミナは着替えていた。髪が濡れてるからおそらくシャワーかお風呂に入ったあとだろう。白い肌に綺麗なボディライン。胸は慎ましいが決して貧相ではない。内心でルナトに感謝しつつ脳内カメラで焼き付け・・・


「キャァァァァァ!カズくんみないでぇぇぇ!出て行ってぇぇぇ!」


 おれは思いっきりビンタされた。ラッキースケベ。実際にあるんだな・・・
 そう思っておれは頬を腫らしてリビングに降りていき、ルナトが大笑いしていたのでチョップをかました。


◇◆◇◆◇


 ミナも着替えてリビングに降りてきた。まだ恥ずかしいのか顔が赤い。可愛い。しかし俺は結構なヘタレだ。気の利いたことを俺は何も言えなかった。まぁミナは恥ずかしがりながらもそのまま隣りに座ったが。
 ここには俺とミナと叔父さん叔母さん、ヨシュア兄さんとルナトとメアリーさんの七人でいた。
 カナンさんもあとで来るそうだけど、今は仕事中のようだ。
 兄さんが真面目な顔で口を開く。


「カズさっき病院で話した国家反逆罪の疑いがかけられたことについて当事者のがいるから話すな」


「うん。俺とミナのことだよね。教えて」


「まずそこからだな。容疑がかけられているのは母さんとカズのふたりなんだ」


「――――――!?」


 俺は驚いた。てっきりミナかと思って二人って言ったと思ったがまさか叔母さんだったなんて。


「あぁ悪いな。ヒューゲルへの容疑はまだ可能性の段階であって、私が和澄を煽るために使ったでまかせ・・・イタッ」


 とりあえずルナトには鉄拳制裁。そして兄さんは咳払いする。


「話を続けるぞ。容疑がかけられた理由。まずは黒澤祐樹とチャーリー・リングスレイと相対して、カズとミナちゃんが落下してから起きたことについてからだ」


 兄さんは祐樹とチャーリーに会ったことはないはずなのに。もう名前が判明してることに驚きつつ兄さんの話を俺は聞いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-

半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~

bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。

処理中です...