19 / 83
19.大人たちの情報共有
しおりを挟む
和澄、ミナ、ルナトは学園に向かおうと家を出ていった。ルナトを誘ったので危険なことはないだろうとマーフィーは判断し送り出した。どのみちルナトを含めた子供たちはこれから席を外して貰うつもりだった。
そして仕事を終えてカナンが家にやってきた。カナンが家にあがると、カナンの後ろにはカナンの身長の半分もない真っ赤な髪の毛をした女の子もいた。
「皆さんごめんなさい。少しばかり遅れました。あれヨシュア。ミナたちは?」
「つい先ほど学園に向かったよ。なんでも崩落した時に地下にいた女性に会いにいくらしい」
ヨシュアたちはイヴのことについて知らなかった。地下に住んでいるというからなにものか聞きたかったが、ミナが話していいかも聞くというので、まだ別の話も残っていたからこの場は何も聞かずに向かわせた。
「あぁ、イヴのことかいな。イヴが記憶を改変しないもは余程気に入ったんかいなぁ」
赤い髪の女の子は、年寄りくさい話し方で口にする。マーフィーイラついた口調で少女に話しかける。
「ロリババァ、貴様はイヴについて何か知っているのか?遅いのはその身体の成長だけにして速やかに話せ」
「それが人に物を頼む態度かい?見た目だけなく礼儀すら子供と変わらぬようにせんといけんとは大変じゃのぉ若作りじじぃ!」
マーフィーの受け応えにこれまた好戦的な態度で少女は言い放った。
ヨシュアとカナンはまだ始まったと額に手をおき、香澄は汚物を見る目で2人を見ていた。メアリーだけがこの状況に戸惑う。
「あのー。そちらのお子さんはどちら様なんですか?」
ヨシュアとカナンが青い顔をしてメアリーの顔を見る。マーフィーは笑いを堪えていた。香澄はテレビをつけ、話が終わるまで我関せずといった感じだ。
「小娘ガァ!儂はこれでも今年で50だわ!」
「わたしより10歳も歳上!?こ、これは失礼しました!お若くて綺麗ですね」
メアリーはこの場を穏便に済ませようと言ったが、それは火に油を注ぐ行為であった。
「誰がロリータじゃボケェ!儂は好きでこんな身体でいるわけじゃありゃせんぞ」
しばらく赤い髪の少女は暴れた。
マーフィーにロリババァ呼ばれた女の名前はアンデル・ポニラ。カナンが所属する警備隊の総司令官で二つ名として紅の女王と呼ばれている。この二つ名はアンデル自身が広めて、同期のマーフィーは痛い二つ名を名乗ったアンデルをバカにしていた。
「アンデル、いい加減落ち着け」
「元はと言えば貴様の所為じゃ!」
マーフィーはアンデルの抗議をスルーして話を進める。
「イヴについてはもう後で聞く。先に本題に入る。ここに皆を集めたのは他でもない。先ほどアメリカに潜んでいるこちらの密偵から映像が届いた。これを観てくれ」
モニターに映像が流れ出す。
撮影者は一番前の席に堂々と陣取り撮影したのだろう。映像には小太りした男が演説していた。アメリカの現大統領、レオナルド=バレンタインそのひとだ。そして横には香澄のよく知る男の斑鳩の姿もあった。
「あの横に映ってるのは間違いなく斑鳩ね!最早こちらの当てつけというばかりに顔を見せて、ふざけやがって!」
この時点で斑鳩が裏切り者の可能性が高まり、香澄は思わず苛立って怒鳴った。一度映像を止めて苛立っていた香澄をマーフィーは落ち着かせて、映像を再開した。
『我が国は先日ユーラシア帝国から攻撃を受け、いくつかの街に被害があった。これは断じて許しせぬ行為だ!我が軍は攻撃してきたものを捉えて尋問し言質をとった。そして今この場に襲撃した者たちを連れてきている。斑鳩!』
『はっ!こちらの者たちが先日の戦闘で我々が捉えた者たちです』
そしてそこには見覚えのある者たちが手枷をつけて並べられた。メアリーは思わず叫んでしまい、香澄は再び苛立つ。
「あなた!?」
「兄さんと義姉まで!斑鳩のやつどこまでもふざけやがって!」
並べられたのは和澄の父母とその部隊員そしてミナの義父であった。全員に手錠がしてある。和澄の父母である、真壁忠澄と静枝、2人はどちらも日本からの移民で、当時帝国の中枢にいた香澄に伝手により軍へ入隊し、和澄が生まれた頃には忠澄は小隊長にまで成り上がった。そして和澄が大きくなり学園に入学した年に育児で休暇を取っていた静枝も軍へと復帰した。
そしてもう1人ミナの義父であり、メアリーの旦那のソンジェ・ヒューゲル。彼も数年前に和澄の父母たちとは別で行方不明になっていた。こちらは日本の現状を調べに皇帝が派遣し、元日本の自衛隊と思われる烏合の衆に襲われた。統率が取れていないとはいえ、近代兵器襲われたため殿としてソンジェは残ったが、その後消息を絶った。
その時は近代兵器はアメリカが回収し損ねていたと思っていたが、今その話を聞けばアメリカの日本人部隊がそう言った行動を取っていたと思えるし、事実そうなのだろう。
マーフィーはもう一度映像を止め、2人の気持ちを考慮し問いかける。
「辛いなら席を外すか?」
香澄は首を振る。メアリーも青い顔をしていたが首を横に振った。
そして仕事を終えてカナンが家にやってきた。カナンが家にあがると、カナンの後ろにはカナンの身長の半分もない真っ赤な髪の毛をした女の子もいた。
「皆さんごめんなさい。少しばかり遅れました。あれヨシュア。ミナたちは?」
「つい先ほど学園に向かったよ。なんでも崩落した時に地下にいた女性に会いにいくらしい」
ヨシュアたちはイヴのことについて知らなかった。地下に住んでいるというからなにものか聞きたかったが、ミナが話していいかも聞くというので、まだ別の話も残っていたからこの場は何も聞かずに向かわせた。
「あぁ、イヴのことかいな。イヴが記憶を改変しないもは余程気に入ったんかいなぁ」
赤い髪の女の子は、年寄りくさい話し方で口にする。マーフィーイラついた口調で少女に話しかける。
「ロリババァ、貴様はイヴについて何か知っているのか?遅いのはその身体の成長だけにして速やかに話せ」
「それが人に物を頼む態度かい?見た目だけなく礼儀すら子供と変わらぬようにせんといけんとは大変じゃのぉ若作りじじぃ!」
マーフィーの受け応えにこれまた好戦的な態度で少女は言い放った。
ヨシュアとカナンはまだ始まったと額に手をおき、香澄は汚物を見る目で2人を見ていた。メアリーだけがこの状況に戸惑う。
「あのー。そちらのお子さんはどちら様なんですか?」
ヨシュアとカナンが青い顔をしてメアリーの顔を見る。マーフィーは笑いを堪えていた。香澄はテレビをつけ、話が終わるまで我関せずといった感じだ。
「小娘ガァ!儂はこれでも今年で50だわ!」
「わたしより10歳も歳上!?こ、これは失礼しました!お若くて綺麗ですね」
メアリーはこの場を穏便に済ませようと言ったが、それは火に油を注ぐ行為であった。
「誰がロリータじゃボケェ!儂は好きでこんな身体でいるわけじゃありゃせんぞ」
しばらく赤い髪の少女は暴れた。
マーフィーにロリババァ呼ばれた女の名前はアンデル・ポニラ。カナンが所属する警備隊の総司令官で二つ名として紅の女王と呼ばれている。この二つ名はアンデル自身が広めて、同期のマーフィーは痛い二つ名を名乗ったアンデルをバカにしていた。
「アンデル、いい加減落ち着け」
「元はと言えば貴様の所為じゃ!」
マーフィーはアンデルの抗議をスルーして話を進める。
「イヴについてはもう後で聞く。先に本題に入る。ここに皆を集めたのは他でもない。先ほどアメリカに潜んでいるこちらの密偵から映像が届いた。これを観てくれ」
モニターに映像が流れ出す。
撮影者は一番前の席に堂々と陣取り撮影したのだろう。映像には小太りした男が演説していた。アメリカの現大統領、レオナルド=バレンタインそのひとだ。そして横には香澄のよく知る男の斑鳩の姿もあった。
「あの横に映ってるのは間違いなく斑鳩ね!最早こちらの当てつけというばかりに顔を見せて、ふざけやがって!」
この時点で斑鳩が裏切り者の可能性が高まり、香澄は思わず苛立って怒鳴った。一度映像を止めて苛立っていた香澄をマーフィーは落ち着かせて、映像を再開した。
『我が国は先日ユーラシア帝国から攻撃を受け、いくつかの街に被害があった。これは断じて許しせぬ行為だ!我が軍は攻撃してきたものを捉えて尋問し言質をとった。そして今この場に襲撃した者たちを連れてきている。斑鳩!』
『はっ!こちらの者たちが先日の戦闘で我々が捉えた者たちです』
そしてそこには見覚えのある者たちが手枷をつけて並べられた。メアリーは思わず叫んでしまい、香澄は再び苛立つ。
「あなた!?」
「兄さんと義姉まで!斑鳩のやつどこまでもふざけやがって!」
並べられたのは和澄の父母とその部隊員そしてミナの義父であった。全員に手錠がしてある。和澄の父母である、真壁忠澄と静枝、2人はどちらも日本からの移民で、当時帝国の中枢にいた香澄に伝手により軍へ入隊し、和澄が生まれた頃には忠澄は小隊長にまで成り上がった。そして和澄が大きくなり学園に入学した年に育児で休暇を取っていた静枝も軍へと復帰した。
そしてもう1人ミナの義父であり、メアリーの旦那のソンジェ・ヒューゲル。彼も数年前に和澄の父母たちとは別で行方不明になっていた。こちらは日本の現状を調べに皇帝が派遣し、元日本の自衛隊と思われる烏合の衆に襲われた。統率が取れていないとはいえ、近代兵器襲われたため殿としてソンジェは残ったが、その後消息を絶った。
その時は近代兵器はアメリカが回収し損ねていたと思っていたが、今その話を聞けばアメリカの日本人部隊がそう言った行動を取っていたと思えるし、事実そうなのだろう。
マーフィーはもう一度映像を止め、2人の気持ちを考慮し問いかける。
「辛いなら席を外すか?」
香澄は首を振る。メアリーも青い顔をしていたが首を横に振った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる