異世界帰りの勇者達の現代でのお話

茶坊ピエロ

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三章 天使VSサイコパス編

人類の救世主の天使。人類史上最悪の英雄。リョナって怖い

危なかった。
 想像以上にあの佐川隆二一行は強い。
 ステータスは明石光と佐川隆二の二人以外は脅威でもなんでもなく、私の方が圧倒的に高くて有利だった。
 でもあの無詠唱のレーザーは?
 あの絶え間ない浮いた剣による剣戟は?
 そんなことは些細なことね。
 問題はあのスキル封じの猫耳娘。
 あれがいる時点で、ステータスがわたしとほぼ互角の二人を相手取るのはまず不可能になった。
 幸い逃げ切れたからいいけど、これからのことを考え直さないといけなくなった。

「おかえり美香」

「波瑠ぅ」

 あ、波瑠の胸の中が一番落ち着く。

「涙目になってもうー。その様子だと、転移した先で何かあった?」

 何かあった!
 わたしは転移してから逃げるまでの話をする。

「厄介ね」

「うん、猫耳娘のスキル封じが無ければ」

「そうね。でも本当に厄介なのは、リーダー格二人だけどね」

 たしかに。
 魔王のわたしと互角のステータスを持つ二人。
 セバスやジンタンじゃ間違っても勝てない。
 ん?でも?

「思ったけど、あのステータスは隠蔽じゃない?」

「やっぱり美香ね。確実にスキルの影響でしょうね。そうじゃなければセバスをみて逃げ出す意味がわからない」

 あれだけのステータスがあるのなら、セバスを返り討ちにできた。
 そして彼との戦闘で変わったことと言えば――――――

「剣を持ってからかしら?いつの間に剣を持ってたのって思ったもの」

「多分そうかな。だとすると、剣技というスキルの影響?」

「そう考えるのが妥当ね。だとしたら銃技もそうかしら?」

 でも装備することによって発動するスキルがステータスを上げる効果だとしたら――――――

「もしそうならジンタンに相手して貰いましょう。彼女が適任よね」

「だね。でも影斬というスキルの場合もあるよ。剣を持つことでそのことを欺くフェイクという可能性」

 だとしたら影を着る毎にステータスがあがる?
 そういう上乗せスキルは徐々に上がるタイプが多いから注意しないとね。

「それはないわ。もしそうだとしたら、あの場で逃げる意味はないもの」

 たしかにそうだ。
 話してる間にそのことを失念していた。

「じゃあ明石光の相手はジンタンで決まりね。佐川隆二と手を組んだかは知らないけど手を組んでいたら、彼の相手は美香とわたしで相手をしましょう」

「一つよろしいでしょうか?」

 セバスが手を上げて口を開く。

「なにかしら?」

「残りはわたし一人で相手をするのでしょうか?」

 たしかにセバスが強いと言っても、あのピンク髪とエルフの女性を同時に相手取ると苦戦するのは間違いない。

「貴方一人だけど一人じゃないよ。わかるでしょ」

「それならば安心しました。それでは今日はこれから、イトナ様とメモリ様の故郷に向かいますかな?」

 そうだった!
 行こうわたし達の故郷へ!
 お母さん達生きていたらいいなぁ。

「携帯とかいうこの新しい機械についても知りたいわ。どうせ長く留まるのだからみんなで買いましょう!」

「は-い」

「イトナ様ありがとうございます」

「ありがとぅいとなさまぁ」

 わたし達はそれぞれ返事をし、大好きな波瑠とわたしは手を繋いで実家のあるところに向かった。
 楽しみだー。



「もう誰なのよ!この結界張ったのは誰なのよ!」

「決まってるわぁ。勇者の誰かよぉん」

 ランドセルを背負った少女と化粧が濃くスカートを着た胸毛の生えた男のふたりが話をしていた。
 その横には内臓が飛び出して座っている男性と、その横で手足がなくなり、頭が割れている女性がいた。 頭の中の脳みそがあってであろう場所には、シチューが入っている。

「貴様等!絶対に許さぬ!我が最愛の妹にこんなことをして!」

「ちょっとうるさいなのよ!とりあえず腸だけ出しちゃうなの!」

 そういうと少女は男性の腹に手を突っ込み、腸を腹から出し始めた。

「ぐぁぁぁぁぁぁ」

「男のくせに悲鳴をあげないでなの!」

 男性は痛みで涙を流していたが、目はその少女を殺してやらんとばかりに血走っていた。

「ダメじゃない。わたしの料理を残しちゃ。貴方の大好きなものにいれたのに」

 大好きなものをではなく、大好きなものに。
 その言葉の意味は見ての通りだ。

「ふざけるな!ぜってぇゆるさねぇ!」

「許さないとかどの口が言うのかしら?勇者一行をみたことを黙っていた貴方にそんなこと言う資格ある?」

「俺達は関係ないだろうが!」

 この幼女とおカマは二人は異世界侵略対策委員。

――――――――――――
名前 花野 フミ 9歳

レベル88

ジョブ 女子小学生

状態 健康

HP68254/68254
SP11845/11845
筋力457
俊敏1964
技量5212

スキル
不触リョナ行為 ぶりっ子洗脳 鉈生成
――――――――――――

――――――――――――
名前 大貫 はやて 28歳

レベル45

ジョブ ニューハーフ

状態 健康

HP6542/6542
SP46875/46875
筋力1648
俊敏4544
技量892

スキル
解体ショー 料理生成 毒配合 大鎌生成
――――――――――――

「関係ないの?あの勇者くんは貴方の親友なのに!」

 そうして花野が指さす方を見ると、頭が取れた死体があった。
 勇者だった男。
 名を葉山秋坪。
 登校中にこの二人に出会うも、善戦させてもらえず、あっさりと首を切断。
 更に次は友人である、小野塚秀樹とその妹小野塚美咲。
 勇者ということを匿っていたと言う理由だけで、小野塚美咲は殺害された。
 そして大貫はその頭をパックリと割り、シチューの皿にしたのだ。

「俺達は一般人だ!」

「だから?」

 無情にもそれがどうしたというおカマ。
 その頭の中はそんなことはどうでもいい。
 どうやって殺すかしか考えていない。

「だからなんで美咲を殺した!勇者――――――」

「うるさいの!」

 ――――――べちょり
 鉈で首を切られ絶命する小野塚秀樹。

「動かなくなっちゃったの・・・」

「あーもうこんなに汚しちゃってもう」

 返り血でべちょべちょになった、幼女を拭くおカマ。
 白いワンピースが返り血で真っ赤になっていたので、手を万歳させて新しい服に着替えさせた。

「ありがとーなの」

「どういたしまして。この死体は埋めましょうか。ちゃんと死んだ人は弔わないとね」

「はーいなの」

 そうして三人の死体を埋める。
 近くに人が集まっていた。

「ねぇちょっとあれって死体じゃない?」

「ヤバイよ。警察呼ぶ?」

 その野次馬達は次には全員首が飛ぶ。
 そう飛ばした犯人は大貫颯だった。

「もう!うるさいわねぇ!」

「どうしたの颯ちゃん?」

「うるさい人達がいたから黙らせたのよ」

「そうなの?フミも黙らせるなの!」

 シュッシュッとエアーボクシングの真似をするフミを肩車し、大貫楓は歩き始めた。
 その後ろには、血だらけの死体が計142名もいた。

異世界侵略対策委員 
 花野フミ Aランク 討伐数 854名 勇者以外(無関係も含む)殺害数 1467名
 大貫 楓 Aランク 討伐数 832名 勇者以外(無関係も含む)殺害数 9875名

 後にこの千葉県で、最悪の天使と最凶のチームと最低のペアが激突しようとしていた。
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