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久しぶりのゴッドサウス王国。
マリア元気にしてるかな?
「ここがゴッドサウス王国かー。まさかルルとここに来ることになるとは思わなかったよ」
「アハトが追放した張本人だものね!」
「俺はそれが最善だと思ったけど?」
「それはそうかもしれないけど」
悔しいけど、あの時点ではほぼ最善だったわ。
ディラを追撃に出したリリノアールが一枚だけ上手だっただけよね。
「オリバー、こいつらは何処所属になるんだ?俺らみたいにガウリのところか?」
「流石に帝国の第二皇子だからそれは無理だよ。アハト様は僕の護衛隊長で、帝国の皆さんはその部下ってのが自然かなー。それに今、王国は国内に全戦力が集結してるから第三師団に過剰戦力があると内戦に発展しかねないし」
「ナンチョウ人民国へ侵攻していた団長さん達帰国してるんですね」
第一師団からヒスイさん、ラフィール様、ガウリ様、エリザベト様、アニウーリ様と五人の団長は私達も知る所だ。
他の人は私が王国に留学中にも見たことがなかった。
「あとで紹介するーーーあれ?ヒスイ?」
「お袋!?」
ヒスイさんが出迎えに来てくれた?
でも顔が少し暗い。
「久しぶり。どうしたお袋?」
「グレン・・・グンジョーとモモが消えたわ」
二人が!?
二人ともゴルドの件で思い詰めていたんだろうけど、ヒスイさんやオリバー様の反応を見るについ最近の出来事似思える。
「ヒスイにしてはお粗末だね。二人は一応重要参考人だ。ゴルドの血縁者である以上、監視下に置いておく必要がーーーー」
「待ちな王国の王太子。あっしはコイツを知っているが、そんなことわからないほどの女じゃないはずだよ。それを踏まえた上で消えたって報告するってことは、コイツでも解決できない事柄が起きたってことさね」
戦場で対峙したからこそわかるってことなのかしら?
でもアースの言うとおりそんなことはヒスイさんが一番わかってるはず。
「アース・・・モディウス。どうしてここに?」
「まぁ訳ありさね」
「まぁオリバー様と一緒と言うことは侵略というわけじゃないわね・・・それよりもグレン、グンジョーとモモを助けてあげて」
ヒスイさんがグレンにすがるなんてよっぽどだ。
いつもの覇気がまるで感じられない。
「グレンに頼むなんてよっぽどだね。説明してよ」
「すいませんオリバー様・・・説明をすることができません・・・」
「できない?何故だ?」
ヒスイさんが説明すら出来ない。
いよいよこの事態、異常だわ。
「あったま痛い!待ってオリバー。事情が事情よ。彼女呪法にかけられてる」
「呪法?そうかさっき言ってた全知でみたんだね」
「えぇ。どうやら彼女が口にすると、彼女の旦那さんの命が刈り取られる呪法があるわ」
「んな!?そんな強力な呪法一体誰が?」
リリノアール?
いえ、リリノアールはヒスイさんという駒は欲しがるか殺すはず。
私達が洗脳されて自分の駒にし、ディラやレインの様に駒に出来ない奴がそうだったように。
「かけたのはマスティ・フォン・ヨハネ?」
「誰?」
「さぁ、ルルが知らないのに私が知るわけないでしょ」
「それもそうね。グレンは知ってる人?」
「いや、俺も知らない奴だ。オリバーは知ってんのか?」
「貴族の名前は全員把握してるはずだけど記憶にないね」
「あんたら歴史をちゃんと学んでないのかい?マスティって言ったら王国の英雄の名前だろ?」
オリバー様もガウリ様も首を傾げている。
と言うよりこの場でアースしか知らないように見えるわ。
「英雄の名前が煩わしくて歴史から消されたと言う例はナンチョウではよくありました。そのマスティ様という方もそうじゃないのでしょうか?」
「あー、あっしもまだ若い時の話だしね。でも帝国では王国の悪魔として歴史書に載ってるし、どうしてそいつの名前が消えちまったんだ?」
「私、皇太子妃として歴史書学んでたけど記憶にないわよ?フォッカーは?」
「ワシもありませんな」
「ってことはアースが学生の時からフォッカーが学生になるまでの間に歴史から消されたんだな。帝国にも歴史から名前を消す奴って一体どんな奴らなんだよ」
カインの言うとおり、他国の歴史からすら名前を消すって一体どういうこと?
それほどの人間がグンジョーとモモをどうして浚うの?
「あー、そういうやマスティじゃねぇけど、マスティマって言う三大魔王と呼ばれる奴いなかったか?」
「かつて勇者が倒したっていう?」
「関係あるかはわからねぇけど、そんな奴らが居たなって思ってさ。イデリッサからも話で出たし」
「あぁ、それなら俺もネテブラから聞いたな。当時の勇者が三体の魔王を封印したという。確かマスティマ、ベリアル、アザゼルだったか?」
私もフルミニスから少しだけその話を聞いた。
けどあまり興味が無いから話半分で聞いてた。
「魔王が三人も居るのは聞いたこと無いけど、精霊王がそう言ったなら多分三人居るんだろうね。魔王の復活って結構大事だと思うな」
「しかもそれが王国の英雄の可能性。アハハ!いつも思ってたけどルルってトラブルメーカーだよね!ルルが来てから記憶消されるまで定期的に大きなトラブルが起きてたよ」
「酷いアハト!」
「いや、あながち間違いでもないんじゃね?俺もルルが留学してきてから退屈しない日々を送ってる気がする。たまには退屈な日々を送っても良いと思うぜ?」
「グレンまで酷い!」
二人とも私の事をからかってくるけど、肝心な事がある。
グンジョーとモモを助けてあげてとヒスイさんが言ったと言うことは場所がわかってるはず。
「シリィ、グンジョーとモモの場所を教えて。助けに行かないと」
「そこまではわからないわ。いえ、わからないと言うよりもまるで私の全知の能力を知っているかのように色々な情報を入れてきて錯綜するわ。自力でどうにかするしかないわね」
シリィの能力を破るなんて。
多分私が想像しているよりも二人の状況は危険だったりするのかも知れない。
マリア元気にしてるかな?
「ここがゴッドサウス王国かー。まさかルルとここに来ることになるとは思わなかったよ」
「アハトが追放した張本人だものね!」
「俺はそれが最善だと思ったけど?」
「それはそうかもしれないけど」
悔しいけど、あの時点ではほぼ最善だったわ。
ディラを追撃に出したリリノアールが一枚だけ上手だっただけよね。
「オリバー、こいつらは何処所属になるんだ?俺らみたいにガウリのところか?」
「流石に帝国の第二皇子だからそれは無理だよ。アハト様は僕の護衛隊長で、帝国の皆さんはその部下ってのが自然かなー。それに今、王国は国内に全戦力が集結してるから第三師団に過剰戦力があると内戦に発展しかねないし」
「ナンチョウ人民国へ侵攻していた団長さん達帰国してるんですね」
第一師団からヒスイさん、ラフィール様、ガウリ様、エリザベト様、アニウーリ様と五人の団長は私達も知る所だ。
他の人は私が王国に留学中にも見たことがなかった。
「あとで紹介するーーーあれ?ヒスイ?」
「お袋!?」
ヒスイさんが出迎えに来てくれた?
でも顔が少し暗い。
「久しぶり。どうしたお袋?」
「グレン・・・グンジョーとモモが消えたわ」
二人が!?
二人ともゴルドの件で思い詰めていたんだろうけど、ヒスイさんやオリバー様の反応を見るについ最近の出来事似思える。
「ヒスイにしてはお粗末だね。二人は一応重要参考人だ。ゴルドの血縁者である以上、監視下に置いておく必要がーーーー」
「待ちな王国の王太子。あっしはコイツを知っているが、そんなことわからないほどの女じゃないはずだよ。それを踏まえた上で消えたって報告するってことは、コイツでも解決できない事柄が起きたってことさね」
戦場で対峙したからこそわかるってことなのかしら?
でもアースの言うとおりそんなことはヒスイさんが一番わかってるはず。
「アース・・・モディウス。どうしてここに?」
「まぁ訳ありさね」
「まぁオリバー様と一緒と言うことは侵略というわけじゃないわね・・・それよりもグレン、グンジョーとモモを助けてあげて」
ヒスイさんがグレンにすがるなんてよっぽどだ。
いつもの覇気がまるで感じられない。
「グレンに頼むなんてよっぽどだね。説明してよ」
「すいませんオリバー様・・・説明をすることができません・・・」
「できない?何故だ?」
ヒスイさんが説明すら出来ない。
いよいよこの事態、異常だわ。
「あったま痛い!待ってオリバー。事情が事情よ。彼女呪法にかけられてる」
「呪法?そうかさっき言ってた全知でみたんだね」
「えぇ。どうやら彼女が口にすると、彼女の旦那さんの命が刈り取られる呪法があるわ」
「んな!?そんな強力な呪法一体誰が?」
リリノアール?
いえ、リリノアールはヒスイさんという駒は欲しがるか殺すはず。
私達が洗脳されて自分の駒にし、ディラやレインの様に駒に出来ない奴がそうだったように。
「かけたのはマスティ・フォン・ヨハネ?」
「誰?」
「さぁ、ルルが知らないのに私が知るわけないでしょ」
「それもそうね。グレンは知ってる人?」
「いや、俺も知らない奴だ。オリバーは知ってんのか?」
「貴族の名前は全員把握してるはずだけど記憶にないね」
「あんたら歴史をちゃんと学んでないのかい?マスティって言ったら王国の英雄の名前だろ?」
オリバー様もガウリ様も首を傾げている。
と言うよりこの場でアースしか知らないように見えるわ。
「英雄の名前が煩わしくて歴史から消されたと言う例はナンチョウではよくありました。そのマスティ様という方もそうじゃないのでしょうか?」
「あー、あっしもまだ若い時の話だしね。でも帝国では王国の悪魔として歴史書に載ってるし、どうしてそいつの名前が消えちまったんだ?」
「私、皇太子妃として歴史書学んでたけど記憶にないわよ?フォッカーは?」
「ワシもありませんな」
「ってことはアースが学生の時からフォッカーが学生になるまでの間に歴史から消されたんだな。帝国にも歴史から名前を消す奴って一体どんな奴らなんだよ」
カインの言うとおり、他国の歴史からすら名前を消すって一体どういうこと?
それほどの人間がグンジョーとモモをどうして浚うの?
「あー、そういうやマスティじゃねぇけど、マスティマって言う三大魔王と呼ばれる奴いなかったか?」
「かつて勇者が倒したっていう?」
「関係あるかはわからねぇけど、そんな奴らが居たなって思ってさ。イデリッサからも話で出たし」
「あぁ、それなら俺もネテブラから聞いたな。当時の勇者が三体の魔王を封印したという。確かマスティマ、ベリアル、アザゼルだったか?」
私もフルミニスから少しだけその話を聞いた。
けどあまり興味が無いから話半分で聞いてた。
「魔王が三人も居るのは聞いたこと無いけど、精霊王がそう言ったなら多分三人居るんだろうね。魔王の復活って結構大事だと思うな」
「しかもそれが王国の英雄の可能性。アハハ!いつも思ってたけどルルってトラブルメーカーだよね!ルルが来てから記憶消されるまで定期的に大きなトラブルが起きてたよ」
「酷いアハト!」
「いや、あながち間違いでもないんじゃね?俺もルルが留学してきてから退屈しない日々を送ってる気がする。たまには退屈な日々を送っても良いと思うぜ?」
「グレンまで酷い!」
二人とも私の事をからかってくるけど、肝心な事がある。
グンジョーとモモを助けてあげてとヒスイさんが言ったと言うことは場所がわかってるはず。
「シリィ、グンジョーとモモの場所を教えて。助けに行かないと」
「そこまではわからないわ。いえ、わからないと言うよりもまるで私の全知の能力を知っているかのように色々な情報を入れてきて錯綜するわ。自力でどうにかするしかないわね」
シリィの能力を破るなんて。
多分私が想像しているよりも二人の状況は危険だったりするのかも知れない。
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