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バーベンベルク城にて
フィンの復活(オスカー視点)
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「フィン!」
「フィン殿!目覚めたので?」
扉から走り込んで来たのはフィンだった。肩にムニンを乗せている。部屋の中を一瞥し、ディーを見ると、目を見開いた。だが、その腕に腕輪が無く、目が合っても表情の変化が無いことで大方は理解したようだ。
「やってくれたな。お前!僕が眠らされている間に、ディーがイッちゃってるじゃないか!!」
エルンストに食って掛かる。だが彼はやれるだけの事はやってくれたのだ。仲間はディーの魔術で大変なことになっているようだし。今もフィンの口撃をかわしながらも仲間の解術を行っている。
ここは私がフィンと協力しないと。
「フィン!今はとにかくディーを何とかしないと。魔導師殿には呼びかけながら抱きしめろと言われたんだが、ディーに嫌がられてこんな風に塞がれているんだ!」
私がこちらへ注意を向けると、フィンはさっと向き直った。
「兄上、肝心な時にお役に立てず申し訳ありません。ディーが兄上にそんなことをするなんて・・・すぐに取り除きます。」
手をかざしながら痛ましそうな表情を浮かべるフィン。だが、その目は笑ってないか?
「お前、喜んでるだろう?」
自由になったのは感謝するが、、、思わず軽くにらみつけると、フィンはさっと視線を外した。
「いえいえ、ディーに拒まれて可哀そうなんて、全く思ってませんから。」おい、思ってるんじゃないか!
こんな時に、、、ため息が出る。だが、まずはこの状況を何とかしないと。
「私はとにかく呼びかけ続け、何とか接触を試みる。お前は魔術的な処置を頼む。」
「分かりました。僕はとりあえずディーから、魔力を取り除けるだけ取り除きます。兄上は少しでも、ディーにディー自身を認識させるようお願いします。」
二人でディーに向き直る。揺れはますますひどくなり、壁や天井にひびが入り、床に亀裂が走ってる。
この状況の中、何だか先ほどよりもぼんやりとした視線で我々を漠然と見ているディー。
いつもなら、呼びかければ、いや、呼びかけずとも、向き直って手を差し伸べれば、笑顔で走って抱き付いてくるというのに。
「ディー、私の声は、もう届かないのか?」心から訴えても、今は答えてくれない。こちらを向いていても、その紫の瞳が濃すぎて、私が映っているかも分からない。
「ディー、ディアナ。ディアナ・アウローラ・グンダハール。私のたった一人の可愛い妹。お願いだ、こっちを向いて、私を見ておくれ。」
「兄上!僕にとってもたった一人の愛しい妹です!ディー、僕と一緒に魔術の勉強をするって約束したろう?それまでは無用な魔力は身体に入れちゃいけないよ!僕が引き受けてあげるから、さあ、放出して・・・」
フィンが余計な牽制をしながらディーに手を向けると、スーッと周りの風が治まっていくのを感じた。近衛騎士たちがドサッドサッと落ちてくる。
「っぷは!」
魔導師達の息を吹き返す音も聞こえてきた。
流石私の弟。この調子なら、ディーも、、、。室内を見回し、私がホッと一息ついた時。
「嘘だろ、ディー・・・」
フィンの呆然とした声がした。フィンの視線に合わせ見上げると、、、。
「ディー・・・?」
フィンの差し伸べた手は、空中に佇むディーの身体を、すり抜けていた。
「フィン殿!目覚めたので?」
扉から走り込んで来たのはフィンだった。肩にムニンを乗せている。部屋の中を一瞥し、ディーを見ると、目を見開いた。だが、その腕に腕輪が無く、目が合っても表情の変化が無いことで大方は理解したようだ。
「やってくれたな。お前!僕が眠らされている間に、ディーがイッちゃってるじゃないか!!」
エルンストに食って掛かる。だが彼はやれるだけの事はやってくれたのだ。仲間はディーの魔術で大変なことになっているようだし。今もフィンの口撃をかわしながらも仲間の解術を行っている。
ここは私がフィンと協力しないと。
「フィン!今はとにかくディーを何とかしないと。魔導師殿には呼びかけながら抱きしめろと言われたんだが、ディーに嫌がられてこんな風に塞がれているんだ!」
私がこちらへ注意を向けると、フィンはさっと向き直った。
「兄上、肝心な時にお役に立てず申し訳ありません。ディーが兄上にそんなことをするなんて・・・すぐに取り除きます。」
手をかざしながら痛ましそうな表情を浮かべるフィン。だが、その目は笑ってないか?
「お前、喜んでるだろう?」
自由になったのは感謝するが、、、思わず軽くにらみつけると、フィンはさっと視線を外した。
「いえいえ、ディーに拒まれて可哀そうなんて、全く思ってませんから。」おい、思ってるんじゃないか!
こんな時に、、、ため息が出る。だが、まずはこの状況を何とかしないと。
「私はとにかく呼びかけ続け、何とか接触を試みる。お前は魔術的な処置を頼む。」
「分かりました。僕はとりあえずディーから、魔力を取り除けるだけ取り除きます。兄上は少しでも、ディーにディー自身を認識させるようお願いします。」
二人でディーに向き直る。揺れはますますひどくなり、壁や天井にひびが入り、床に亀裂が走ってる。
この状況の中、何だか先ほどよりもぼんやりとした視線で我々を漠然と見ているディー。
いつもなら、呼びかければ、いや、呼びかけずとも、向き直って手を差し伸べれば、笑顔で走って抱き付いてくるというのに。
「ディー、私の声は、もう届かないのか?」心から訴えても、今は答えてくれない。こちらを向いていても、その紫の瞳が濃すぎて、私が映っているかも分からない。
「ディー、ディアナ。ディアナ・アウローラ・グンダハール。私のたった一人の可愛い妹。お願いだ、こっちを向いて、私を見ておくれ。」
「兄上!僕にとってもたった一人の愛しい妹です!ディー、僕と一緒に魔術の勉強をするって約束したろう?それまでは無用な魔力は身体に入れちゃいけないよ!僕が引き受けてあげるから、さあ、放出して・・・」
フィンが余計な牽制をしながらディーに手を向けると、スーッと周りの風が治まっていくのを感じた。近衛騎士たちがドサッドサッと落ちてくる。
「っぷは!」
魔導師達の息を吹き返す音も聞こえてきた。
流石私の弟。この調子なら、ディーも、、、。室内を見回し、私がホッと一息ついた時。
「嘘だろ、ディー・・・」
フィンの呆然とした声がした。フィンの視線に合わせ見上げると、、、。
「ディー・・・?」
フィンの差し伸べた手は、空中に佇むディーの身体を、すり抜けていた。
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