帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

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バーベンベルク城にて

表向きの提案と母さまの思惑(中)

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再び定位置に戻り、今度は母さまが答え合わせを兼ねてと話し始める。

若い頃は舐められもしたが、年々治世が安定してくるにつれ、バーベンベルクの評価が高まったこと。父さまの能力はもとより評価されていたが、例の事件により、一部の、特に陛下の周囲の上位宮中貴族に脅威と思われたこと。
事件を最終的に終結させたのが父さまの長兄であるコンラート公爵だったのも、バーベンベルク脅威論に拍車をかけたこと。
「つまり、一辺境伯家としては目立ち過ぎたんだな。」
母さまが苦笑いしながら言う。
「オスカーが帝国学園に入学する年が近づいていたからな。跡取り君の帝都で初めての一人暮らしが少しでも過ごしやすいよう、目立つことはなるべく自重しようと言う話になったんだ。」

「オスカーも、一年目は上位貴族の坊々相手に結構苦労したみたいだけど。次の年にはフィンが入学して、お互い助け合うことも出来て楽になったみたいだ。」
「まあ、本人の人柄や努力もあるだろう。今回騎士科を首席で卒業出来ると連絡が来たから、それなりに、充実した学生生活だったと思っているよ。」
母さまは淡々と話してるけど、やっぱり心配していたのか、ホッとした表情だ。
長いお休みの度に帰って来ていたオスカー兄上に遊んでもらったけど、苦労話なんて聞いたことがなかった。
けれど。ただ驚いていた私と違い、ちょっと拗ねたような表情で、ルー兄さまが言った。
「でもまだフィン兄さまが一年残ってますよね。私もこの秋から学園に入ります。」
なんでこのタイミングで、、、。と言いかけると。
母さまは、ああ、と言うように頷いた。
「跡取りの心配ばかりしている訳じゃない。フィンはなんて言うか・・・アルに似てるんだろうな。魔導師の特性か、周りの評価を一切気にしないから、考慮の対象外にしてる。以前本人に聞いてみたら、それでいいと言ってたしな。」
だから、今回の件は、ルーとディーの学園生活に向けた動きでもあるんだよ。と続ける。
「大人しく内政に勤め過ぎてね、最近帝都では、バーベンベルクと言えば温泉とビールと美味い腸詰めのある観光地という認識らしい。」
「舐められては困る。特にルー、君は文官志望だろ。君が弱いなんて私は決して思ってない。帝都の腑抜けの騎士志望に比べたら君は確実に強い。」
「でも、君はその美人顔と文官志望と言うだけでどうしても舐められる。」
「入る前に、バーベンベルクの力を見せつけておくのは悪くないと思うよ。」
それに、、、。
「ディーにちらほら縁談が来ていてね。」
母さまはちらっと父さまを見た。私もつられて見ると。
「こっちにも来ていたのか・・・!」
父さまが拳を震わせていた。
母さまはウンウンと満足げに頷き続ける。
「君たちに政略結婚を強いるほどうちは困ってない。だからね、この娘をもらうには、この軍とこの父親を黙らせる必要があると、少し威嚇しておこうかと思ってるんだ。」
そうすれば君を本当に好きになった相手だけが来るだろう?
軍のことだけじゃない、君たちのこともちゃんと考えた上で、この時期を選んだんだ。
母さまは名案のように言うけれど。
私はこっそり溜め息を吐く。
そんな高い障害を乗り越えて来る男の子が、いる気がしないわ、、、。
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