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皇宮での邂逅
皇太子殿下という俺を受け入れるためにⅤ(フェリクス視点)
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父上が、皇帝である父上が、名前を呼び捨てられている!
父上は至高の存在だから、臣下はむやみに顔を見てもいけないし、名前を呼んでもいけないと教えられてきた俺は、玉座の間という最も格式の高い場での砕けたやり取りに愕然とした。
しかも。
「プライベートな場なら、始めに私が発言したい。」
父上の声がして、立ち上がる気配がした。
そして、玉座の下に伸びる階を降りる音。
降りてる?皇帝が、臣下の立つところまで?
様子を、見たい。見なければ、どうしても!
好奇心に勝てずカーテンの陰から這い出て、今度は玉座の陰から覗く。
「・・・!」
そこで俺が見たものは。
階の一番下、魔導師の前に立った父上だった。
宰相も魔導師も何も言わず父上を見つめている。
「アルフレート。私はバーベンベルクへの派兵を許可した。」
「名目は、出奔し、帝国に存亡の危機を起こした謀反の疑いのある魔導師団長を匿った罪。そろそろお前の嫡男が皇宮へ向かっているはずだ。」
「オスカーは、来ない。」
魔導師はそっけなく言った。
「ここに来る前にバーベンベルクに行った。何だか知らない奴らがエレオノーレの執務室で狼藉を働いていたので、とりあえず一纏めにして閉じ込めて来た。あれは・・・お前の指示だったんだな?」
父上がお前って言われてる・・・。
父上は発言の無礼さを咎めもせず、そうか、やはり駄目だったか、と淡々と言った。
「そうだ。あそこにいる反コンラートの貴族達の意見を取り入れて私が決めた。出奔して連絡がつかない魔導師団長を野放しにしては皇帝として示しがつかないからな。お前が必ず姿を見せる策を取らねばならなかった。」
「・・・私の怒りを考えなかったのか?」
魔導師が静かに尋ねる。その周りがいつの間にかキラキラと輝いていた。
「私をこの国に繋ぎ留める唯一の理由、エレオノーレと子供たちを僅かでも傷付けたら、どうなるか、想像できなかったと?」
言葉を紡ぐに連れ、キラキラ光るもの、、、火花が増えていく。そのうち魔導師の周りで渦を巻き始めた。
綺麗だけれど、、、なんだか、怖い。俺はブルっと震えると、心の底から願った。
父上、あんな奴早くやっつけて、、、。
でも、父上は黙って立っているだけだった。宰相も身じろぎもしないで魔導師を見つめている。
「お前が暴走する貴族を抑えきれなかったせいで、私の子どもたちは大変な目にあった。どうしてくれよう?結界起動装置ごと、帝国内の全ての結界を消そうか?この国から一族で退去しようか?それともいっそ・・・お前の家族を傷付けてやろうか?」
お前に私の攻撃が防げるか?ジークムント・・・いや、皇帝陛下?
その身に渦巻く火花を纏い、無表情で冷たく言い放った魔導師は、そのたたずまいが淡々としているだけに恐ろしくて、、、。俺は震えが止まらなくなった。
父上!!
縋るような思いで父上を見つめる。
「私は人の上に立つ皇帝だ。もはや人とは言えないお前に力でかなう訳もなく、皇帝と呼ばれても答えられない。」
父上は静かに言った。
「私が出来ることは、お前の古くからの一知人として、お前が傷付くことを知りながら、家族を巻き込んだことを謝罪することだけだ。済まなかった。許してほしい。」
そのまま、魔導師に向かって父上は頭を下げる。
「お前の力を正しく知りながら、お前の前に何の障壁も無く立ち、その怒りを受け謝罪する。どうか、この恐怖を甘んじて受けることで、私の誠意を理解してほしい。」
「クッ。ジークムント。お前はいつもそうだ・・・」
魔導師が悔しそうな口調で言い捨て、横を向く。
火花の渦巻きが緩やかになっていくが、俺はショックで周りの状況は全然目に入らなった。
信じられない。
父上が、至高の皇帝が、自分から頭を下げた?しかも、力でかなわないと認めた?
力でかなわないなら、皇帝は至高と言えるのか?一番強いから、一番偉いんじゃないのか?
あの魔導師が、本当はこの国で一番偉いということなのか?
俺は、打ちのめされた。
でも、これで終わりでは無かったんだ。
父上は至高の存在だから、臣下はむやみに顔を見てもいけないし、名前を呼んでもいけないと教えられてきた俺は、玉座の間という最も格式の高い場での砕けたやり取りに愕然とした。
しかも。
「プライベートな場なら、始めに私が発言したい。」
父上の声がして、立ち上がる気配がした。
そして、玉座の下に伸びる階を降りる音。
降りてる?皇帝が、臣下の立つところまで?
様子を、見たい。見なければ、どうしても!
好奇心に勝てずカーテンの陰から這い出て、今度は玉座の陰から覗く。
「・・・!」
そこで俺が見たものは。
階の一番下、魔導師の前に立った父上だった。
宰相も魔導師も何も言わず父上を見つめている。
「アルフレート。私はバーベンベルクへの派兵を許可した。」
「名目は、出奔し、帝国に存亡の危機を起こした謀反の疑いのある魔導師団長を匿った罪。そろそろお前の嫡男が皇宮へ向かっているはずだ。」
「オスカーは、来ない。」
魔導師はそっけなく言った。
「ここに来る前にバーベンベルクに行った。何だか知らない奴らがエレオノーレの執務室で狼藉を働いていたので、とりあえず一纏めにして閉じ込めて来た。あれは・・・お前の指示だったんだな?」
父上がお前って言われてる・・・。
父上は発言の無礼さを咎めもせず、そうか、やはり駄目だったか、と淡々と言った。
「そうだ。あそこにいる反コンラートの貴族達の意見を取り入れて私が決めた。出奔して連絡がつかない魔導師団長を野放しにしては皇帝として示しがつかないからな。お前が必ず姿を見せる策を取らねばならなかった。」
「・・・私の怒りを考えなかったのか?」
魔導師が静かに尋ねる。その周りがいつの間にかキラキラと輝いていた。
「私をこの国に繋ぎ留める唯一の理由、エレオノーレと子供たちを僅かでも傷付けたら、どうなるか、想像できなかったと?」
言葉を紡ぐに連れ、キラキラ光るもの、、、火花が増えていく。そのうち魔導師の周りで渦を巻き始めた。
綺麗だけれど、、、なんだか、怖い。俺はブルっと震えると、心の底から願った。
父上、あんな奴早くやっつけて、、、。
でも、父上は黙って立っているだけだった。宰相も身じろぎもしないで魔導師を見つめている。
「お前が暴走する貴族を抑えきれなかったせいで、私の子どもたちは大変な目にあった。どうしてくれよう?結界起動装置ごと、帝国内の全ての結界を消そうか?この国から一族で退去しようか?それともいっそ・・・お前の家族を傷付けてやろうか?」
お前に私の攻撃が防げるか?ジークムント・・・いや、皇帝陛下?
その身に渦巻く火花を纏い、無表情で冷たく言い放った魔導師は、そのたたずまいが淡々としているだけに恐ろしくて、、、。俺は震えが止まらなくなった。
父上!!
縋るような思いで父上を見つめる。
「私は人の上に立つ皇帝だ。もはや人とは言えないお前に力でかなう訳もなく、皇帝と呼ばれても答えられない。」
父上は静かに言った。
「私が出来ることは、お前の古くからの一知人として、お前が傷付くことを知りながら、家族を巻き込んだことを謝罪することだけだ。済まなかった。許してほしい。」
そのまま、魔導師に向かって父上は頭を下げる。
「お前の力を正しく知りながら、お前の前に何の障壁も無く立ち、その怒りを受け謝罪する。どうか、この恐怖を甘んじて受けることで、私の誠意を理解してほしい。」
「クッ。ジークムント。お前はいつもそうだ・・・」
魔導師が悔しそうな口調で言い捨て、横を向く。
火花の渦巻きが緩やかになっていくが、俺はショックで周りの状況は全然目に入らなった。
信じられない。
父上が、至高の皇帝が、自分から頭を下げた?しかも、力でかなわないと認めた?
力でかなわないなら、皇帝は至高と言えるのか?一番強いから、一番偉いんじゃないのか?
あの魔導師が、本当はこの国で一番偉いということなのか?
俺は、打ちのめされた。
でも、これで終わりでは無かったんだ。
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