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皇宮での邂逅
エピソードⅣ オリヴィエ兄さまは葛藤中Ⅹ(前)
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叔父は僕に視線を向けたまま、沈黙している。
僕はいたたまれなくなってきた。
今まで散々劣等感を刺激された身としては、娘の婚約者候補として叔父が気にしてくるのはざまあみろだけど。
あの赤ん坊の婚約者、、、仮に十五歳で結婚としても、十五年、つまり僕の青春はすべて禁欲生活となる。そんなの大人の世界を知ってしまった身として、耐えられるはずも無い。
父を横目で見ると、楽しそうに叔父を観察している。この人は腹黒すぎて、一見ただの良い人に見えるから怖い。
ここは自分でさっさと断ってしまおう。
「いや、僕はそんな婚約は・・・」
そう、口にした途端。
「こう言っては何だがオリヴィエは優良物件だと思うぞ。」
父は僕を売り込み始めた。
「お前の実家だから分かってると思うが、コンラート公爵家は身分、地位、名誉、財産、どれをとっても帝国に並び無いうえ、本人も美貌で頭脳明晰、魔力に理解があり、女性の扱いも慣れている。多少、年は離れているが、その分大人の余裕を持って大事に出来るというものだ。」
「それに、元々コンラート公爵家は叶う限り血の濃い婚姻を求めてきた。黄金の瞳を持つ従妹、大歓迎だよ。うちなら、彼女に何があっても、守ってあげられると思うよ。もちろん人として。
ああ、また変な事言ってる、、、。
僕が頭を抱えた時。
「せっかくの兄上の申し出ですが、お断りします。」
叔父が、僕の見る限り、初めて父に逆らった。
「ほう。なぜだね?」
父はにこやかな表情を崩さない。
「オリヴィエの社交界での行状は知ってます。それに、シンシアの件からも、オリヴィエに女を見る目があるとは思えない。散々遊んだ男に無垢な娘を渡すなんて・・・。」
「それに、娘には、自らが望み、相手にも望まれた結婚をさせたい。それが、彼女をつなぎとめる『最愛』と言うものでしょう?」
叔父が早口でまくし立てるのは非常に珍しいことなんだけど。
要は、相思相愛の結婚をさせたいってことなんだろうけど。
なんだ、その、僕に対する評価は。
僕は遊んでるけど、誰彼構わず相手をしている訳じゃない。
僕なりの価値観に基づく基準があるんだ。
シンシアについて言えば、彼女の実家は没落していて、基盤が隣国にあることは知っていた。ただ、お互い遊びの関係だし、付き合い始めて日も浅かったから、隣国とどんな条件で繋がっていたかは分からなかった。僕を利用した、と言われたら、見る目がないと言われても仕方ないけれど。
それでも、利用したっていうのが、叔父との伝手が欲しかったってことなら。
そんな利用のされ方は社交界ではよくあることだ。
社交界は綺麗ごとでは生きていけない大人の世界だ。いい人なんてよっぽど地位や権力に守られてないとすぐに潰される。隣国の貴族の未亡人で没落した家の娘が、本人の容姿と才覚で地位を築くのは並大抵のことでは無いし、そのことをなし得たシンシアを、僕は今でもいい女だと思う。
「お言葉ですが。」
僕はにこやかに叔父を見つめた。
「社交界でろくに会話も交わさず、伴う女性に自由を許さず、囲い込むように執着するのが愛情だとは、僕には思えませんね。僕なら伴う女性には楽しく過ごしてほしいし、笑顔でいて欲しい。あんまり人気者になってしまうとちょっと焼いてしまうかも知れませんが・・・それもまた女性を輝かせると思えば楽しい。男の愛情とはそういうものだと、僕は思いますけどね。」
叔父上とは違うようですね、と当てこすると、、、。
意外なことに、叔父は固まってしまった。
怒っている訳ではなさそうだけど、、、。父を見ると、興味深そうに叔父を観察している。
あれ?もしかして、僕の言葉が衝撃だった?あの傍若無人な叔父が、僕の言葉に?
僕まで驚いて頭が真っ白だ。
部屋に沈黙が漂った時。
「遅れて申し訳ない。やっと寝てくれたよ。」
気まずさを見事にぶった切って、エレオノーレ様が現れた。
僕はいたたまれなくなってきた。
今まで散々劣等感を刺激された身としては、娘の婚約者候補として叔父が気にしてくるのはざまあみろだけど。
あの赤ん坊の婚約者、、、仮に十五歳で結婚としても、十五年、つまり僕の青春はすべて禁欲生活となる。そんなの大人の世界を知ってしまった身として、耐えられるはずも無い。
父を横目で見ると、楽しそうに叔父を観察している。この人は腹黒すぎて、一見ただの良い人に見えるから怖い。
ここは自分でさっさと断ってしまおう。
「いや、僕はそんな婚約は・・・」
そう、口にした途端。
「こう言っては何だがオリヴィエは優良物件だと思うぞ。」
父は僕を売り込み始めた。
「お前の実家だから分かってると思うが、コンラート公爵家は身分、地位、名誉、財産、どれをとっても帝国に並び無いうえ、本人も美貌で頭脳明晰、魔力に理解があり、女性の扱いも慣れている。多少、年は離れているが、その分大人の余裕を持って大事に出来るというものだ。」
「それに、元々コンラート公爵家は叶う限り血の濃い婚姻を求めてきた。黄金の瞳を持つ従妹、大歓迎だよ。うちなら、彼女に何があっても、守ってあげられると思うよ。もちろん人として。
ああ、また変な事言ってる、、、。
僕が頭を抱えた時。
「せっかくの兄上の申し出ですが、お断りします。」
叔父が、僕の見る限り、初めて父に逆らった。
「ほう。なぜだね?」
父はにこやかな表情を崩さない。
「オリヴィエの社交界での行状は知ってます。それに、シンシアの件からも、オリヴィエに女を見る目があるとは思えない。散々遊んだ男に無垢な娘を渡すなんて・・・。」
「それに、娘には、自らが望み、相手にも望まれた結婚をさせたい。それが、彼女をつなぎとめる『最愛』と言うものでしょう?」
叔父が早口でまくし立てるのは非常に珍しいことなんだけど。
要は、相思相愛の結婚をさせたいってことなんだろうけど。
なんだ、その、僕に対する評価は。
僕は遊んでるけど、誰彼構わず相手をしている訳じゃない。
僕なりの価値観に基づく基準があるんだ。
シンシアについて言えば、彼女の実家は没落していて、基盤が隣国にあることは知っていた。ただ、お互い遊びの関係だし、付き合い始めて日も浅かったから、隣国とどんな条件で繋がっていたかは分からなかった。僕を利用した、と言われたら、見る目がないと言われても仕方ないけれど。
それでも、利用したっていうのが、叔父との伝手が欲しかったってことなら。
そんな利用のされ方は社交界ではよくあることだ。
社交界は綺麗ごとでは生きていけない大人の世界だ。いい人なんてよっぽど地位や権力に守られてないとすぐに潰される。隣国の貴族の未亡人で没落した家の娘が、本人の容姿と才覚で地位を築くのは並大抵のことでは無いし、そのことをなし得たシンシアを、僕は今でもいい女だと思う。
「お言葉ですが。」
僕はにこやかに叔父を見つめた。
「社交界でろくに会話も交わさず、伴う女性に自由を許さず、囲い込むように執着するのが愛情だとは、僕には思えませんね。僕なら伴う女性には楽しく過ごしてほしいし、笑顔でいて欲しい。あんまり人気者になってしまうとちょっと焼いてしまうかも知れませんが・・・それもまた女性を輝かせると思えば楽しい。男の愛情とはそういうものだと、僕は思いますけどね。」
叔父上とは違うようですね、と当てこすると、、、。
意外なことに、叔父は固まってしまった。
怒っている訳ではなさそうだけど、、、。父を見ると、興味深そうに叔父を観察している。
あれ?もしかして、僕の言葉が衝撃だった?あの傍若無人な叔父が、僕の言葉に?
僕まで驚いて頭が真っ白だ。
部屋に沈黙が漂った時。
「遅れて申し訳ない。やっと寝てくれたよ。」
気まずさを見事にぶった切って、エレオノーレ様が現れた。
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