[R18]2度目の人生でスローライフ?ハーレムだっていいじゃないか

白猫 おたこ

文字の大きさ
201 / 246
第九章 ライバル達

第195話: 【銀糸の導き、逃亡する蕾】

しおりを挟む
「……ああ、なんて綺麗な光なんだ」

 健太郎の呟きと共に、世界は劇的な変貌を遂げた。
 『世界樹の若木』から放たれたエメラルドグリーンの光の粒子が、雪のように静かに降り注ぐ。
その輝きがアビスの闇を払い、死の亀裂を柔らかな緑の芝生へと書き換えていく。
 その時、天に届く若木の梢から、一筋の細い光がゆらゆらと舞い落ちてきた。
 それは糸だった。
しかし、どんな高級な絹とも、魔物の蜘蛛の糸とも違う。月光をそのまま細く引き伸ばしたような、透き通る銀の輝き。

「主……これは……」

 アイリスが息を呑む中、その銀の糸は吸い寄せられるように健太郎の指先に絡みついた。
 【次元の銀糸】を取得しました。
希少度:神域
特性:現実と仮想の境界を縫い止め、魂の存在強度を固定する。武器聖霊を第五形態『羽化』へと導く最後の素材。

「……これがあれば、アイリス、お前を本当の意味で『実在』させられる」

 健太郎の指に絡みつく銀糸は、脈打つように淡く発光し、アイリスの黄金の魔力と共鳴を始めた。世界を再生させた報酬として、世界樹が職人に与えた「究極の糸」である。

【一変する世界:村正の歓喜】

 その変革は、遥か遠方の『断絶の火山』をも飲み込んでいた。
 不気味な赤色だった空が、瞬時に突き抜けるような群青色へと塗り替わり、足元を流れる灼熱の溶岩が、蒸気を上げながら清らかなせせらぎへと姿を変えていく。

「――ガハハハハハッ!! 痛快、実に見事な一仕事じゃな、小僧ッ!!」

 村正は、変わりゆく景色を眺めながら豪快に笑い飛ばした。
 健太郎の放った「浄化の加工」が、自分の打った『雪月花』の冷気と呼応し、世界という巨大な素材を最高の状態に仕上げたことを、彼は肌で感じ取っていた。

「よし、桜花よ! すぐに支度をせい! 健太郎の小僧に、祝いとしてこの『雪月花』を拝ませてやるわい。……ついでに、貴様のその新しい姿も、存分に見せびらかしてやろうぞ!」

 村正は、完成したばかりの白銀の刀を背負い、意気揚々と歩き出した。だが、その背後に続くはずの小さな足音が聞こえない。

「……? どうした、桜花。返事がないぞ」

 村正が振り返ると、そこには工房の影にある岩陰に隠れ、涙目でプルプルと震えている小さな少女の姿があった。

「……嫌にございます……っ。断じて嫌にございまするぅぅっ!!」

「なんじゃ、藪から棒に。小僧に会いたくないのか?」

「会いたくないわけではありませぬ! されど、今の某(それがし)の姿を見てくだされ!」

 桜花は、ミニスカート和装から覗く、以前よりも短く、しかし異様に「密度」を増してムチムチとした自分の太腿を指差した。

「このような、小学生の童(わらし)のような姿……! このまま健太郎殿や、あの高飛車な妖精姫の前に出れば、某は一生『ちみっこい』と馬鹿にされまする! 某のプライドが、そんな屈辱に耐えられるはずがありませぬ!」

 桜花はまだ、ゲーム内で健太郎やアイリスに会ったことはない。
しかし、現実世界で連絡を取り合っている村正から聞く「バツイチなのに若い恋人がいる健太郎」や「我が儘だが極上の美貌を持つアイリス」という情報を元に、勝手に強大なライバルのイメージを膨らませていた。

「ガハハ! 似合っておるぞ? むしろ前より愛嬌があって、健太郎の小僧も喜ぶのではないか?」

「それが一番嫌なのです! あの男は、村正殿と同じく素材のことしか頭にない素材バカ……いえ、村正殿級の変態職人にございますれば! 職人的な変態の視線で某のこの『未熟な器』を隅々まで鑑定するに決まっておりまする! あぁ、想像しただけで、某の刀身が恥ずかしさで赤熱してしまいまするぅぅ!」

 桜花は真っ赤になって頭を抱え、さらに岩の奥へと潜り込もうとする。

「ガハハ! ならん、主命じゃ! 行くぞッ!」

「ひゃんっ!? 村正殿、乱暴はいけませぬ! 離して、離してくだされぇぇっ!!」

 村正は嫌がる桜花の首根っこをひょいと掴み上げ、まるで逃げる子猫を運ぶようにして、意気揚々と火山を降りていった。

【静寂の湖畔:祝祭の始まり】

 一方、健太郎たちは、新しく生まれたばかりの透明な湖の畔に立っていた。
 水面には再生した月が映り、周囲の森からは心地よい虫の音が響いている。
 戦いの汚れとアビスの重圧から解放された女たちは、その美しい水面に引き寄せられるように、一人、また一人と服を脱ぎ始めた。

「……健太郎さん。この水、とっても温かくて……柔らかいです」

 結衣が、月の光に照らされた白い肌を晒し、ゆっくりと湖へと足を浸す。
 手に入れた『次元の銀糸』を握りしめたまま、健太郎は、愛する者たちが再生した世界で笑う、その何物にも代えがたい「傑作」の光景を見守っていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

処理中です...