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第九章 ライバル達
第223話:【アビス・シード(深淵の種子)】
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【開錠】四神の合鍵、深淵の核への侵入
神殿の最深部。
そこには巨大な水晶の球体に包まれた『世界樹の予備心臓』が鎮座していた。
しかし、その輝きは死を告げるどす黒い蔓――『アビス・シード(深淵の種子)』によって締め付けられ、拍動は今にも止まりそうだった。
「……待っていろ。今、その苦しみから解放してやる」
健太郎は、各扉の守護者から手に入れた四つの神代素材――『魔鉱石』『氷晶石』『金剛石』『翡翠』を目の前に並べた。
普通なら、ここから数日かけて精錬・加工する工程だが、健太郎の指先はすでに超高速で動き始めていた。
「(爺さん、茉莉、それに……見知らぬ職人たち。お前たちが繋いでくれた素材だ。一分一秒も無駄にはしない!)」
健太郎の『慈愛の加工』が発動し、指先が白銀の光を帯びる。
神代の硬度を誇る素材たちが、健太郎の『愛撫』によって飴細工のように形を変えていく。火の熱を閉じ込め、水の静寂で固定し、土の堅牢さで軸を作り、風の軽やかさで歯車を刻む。
完成したのは、四色に煌めく『四神の合鍵』。
「みんな、俺を信じてついてきてくれ。……深淵の内側へ入るぞ!」
健太郎が鍵をアビス・シードの接合部に差し込み、一気に回す。
――ガチリ、という世界の根源が鳴るような音と共に、禍々しい闇の膜が左右へと割れ、健太郎たちはシードの「内部空間」へと飲み込まれた。
内部は、汚染された魔力の膿が溜まった地獄のような景色だった。心臓の機能を麻痺させているのは、黒く変色し、壊死しかけている魔力回路の深部。
「アイリス、位置を固定しろ! 結衣、桃子、恵梨香、周囲の闇を寄せ付けるな!」
健太郎は、壊死した部位へ迷わずナイフを入れた。
『慈愛の加工(特殊生産)』により、汚染された肉腫だけをミリ単位の精度で切り離していく。それは外科手術にも似た、神域の解体作業。
「主(あるじ)……その不浄、私が全て浄め尽くします!」
健太郎が切り離したアビスの塊が地に落ちる前に、アイリスが至近距離から浄化の魔力を叩き込む。黒い膿が黄金の光に焼かれ、消滅していく。
健太郎の「切断」と、アイリスの「浄化」。
二人の魂が重なり合うたび、予備心臓の拍動は次第に力強さを取り戻していった。
【汚濁】深淵の鏡、穢された純潔と加齢の醜聞
アビス・シードの内部。
そこは、五感のすべてを「絶望」という名の劇薬で煮詰めたような暗黒の空間だった。
健太郎の指先が、世界樹の壊死部を切り取ろうとしたその瞬間、神殿の静寂を切り裂いて、一万の呪詛が奔流となって彼を襲った。
「……あ、あはは。何や、おじさん。その顔、めっちゃ滑稽やわ」
最初に聞こえたのは、恵梨香の声だった。
だが、そこにはいつもの天真爛漫な輝きはない。
冷え切った、蔑みの色を湛えた関西弁が、健太郎の鼓膜を汚していく。
「自分、職人面してええ格好しとるけど、頭の中はエロいことばっかりやろ? 結衣さんや桃子とアイリスさんに中出しして、『恵梨香も先輩と同じようにして』……って、私がそう言うのを、舌なめずりして待ってたんやろ。自分みたいな四十過ぎの加齢臭漂うオヤジに、身体奪われたいなんて子が、この世におると思ってたん? ほんま、吐き気するわ……この、ロリコン親父」
恵梨香の幻影が吐き捨てた言葉は、鋭い針となって健太郎の心臓を突き刺す。
続けざまに、暗闇から桃子の姿が浮かび上がった。
「おじさん……信じてたのに。私の初めて、あんな薄暗い場所で、あんたの身勝手な欲望で無茶苦茶にされて……。中に出された時のドロドロした感触、今でも肌に張り付いて消えない。私の未来も、真っ白だった私の身体も、全部あんたが台無しにしたんだよ! JKの身体なら、どんなに汚してもいいと思ってたの!? お父さんより年上のあんたに抱かれてる時、私、ずっと死にたいって思ってたんだから!」
桃子の絶叫が、空間そのものを震わせる。その声は、健太郎の脳内で「一万文字の罵倒」となって増殖し、視界を文字の濁流で埋め尽くした。
『犯罪者』『老害』『性的捕食者』『中出し変態親父』。
無数の文字が物理的な質量を持って健太郎を押し潰す。
「主(あるじ)……いえ、三神健太郎」
アイリスの冷徹な声が響く。
「私は貴方が作った弓に過ぎません。貴方が私の処女を奪いたいと願えば、私に拒否するフラグは存在しない。貴方は、抵抗すら許されない人形の穴を、自分の性欲で汚して悦に浸っていた。それが貴方の言う『慈愛』の正体。……あまりに独りよがりで、醜悪な傲慢です」
そして、最後の一撃は、最愛の結衣だった。
「健太郎さん……現実の素材屋で私を見ていた時も、そんな汚い想像をしていたんですか? 48歳の独身男が、娘のような年齢の私を抱いて、満足そうに寝息を立てる。その横で、私は自分の汚された身体が惨めで、ずっと泣いてた……。貴方のその手は、素材を救う手じゃない。若い女の子の人生を、自分の色に染めて壊すための、汚れた手よ」
健太郎の指先が激しく震え、ダイブギアが精神的負荷の限界を告げる警告音(アラート)を鳴らし続ける48歳の現実、独身という孤独、そして少女たちの純潔を奪ったという「業」。
「(……ああ、そうだ。俺は、汚ねえオヤジだ……)」
健太郎は、暗闇の中で膝をつきそうになる。一万の罵声が、彼の精神を細切れに切り刻んでいく。アビス・シードは勝ち誇ったように、さらに凄惨な「拒絶の合唱」を響かせた。
だが、その濁流のような罵言の中に、一点の「異物」が混じった。
「……うっさいわボケェ!! 誰がそんなこと言うたんや!!」
空間を切り裂いたのは、本物の恵梨香の、怒りに満ちた関西弁だった。
神殿の最深部。
そこには巨大な水晶の球体に包まれた『世界樹の予備心臓』が鎮座していた。
しかし、その輝きは死を告げるどす黒い蔓――『アビス・シード(深淵の種子)』によって締め付けられ、拍動は今にも止まりそうだった。
「……待っていろ。今、その苦しみから解放してやる」
健太郎は、各扉の守護者から手に入れた四つの神代素材――『魔鉱石』『氷晶石』『金剛石』『翡翠』を目の前に並べた。
普通なら、ここから数日かけて精錬・加工する工程だが、健太郎の指先はすでに超高速で動き始めていた。
「(爺さん、茉莉、それに……見知らぬ職人たち。お前たちが繋いでくれた素材だ。一分一秒も無駄にはしない!)」
健太郎の『慈愛の加工』が発動し、指先が白銀の光を帯びる。
神代の硬度を誇る素材たちが、健太郎の『愛撫』によって飴細工のように形を変えていく。火の熱を閉じ込め、水の静寂で固定し、土の堅牢さで軸を作り、風の軽やかさで歯車を刻む。
完成したのは、四色に煌めく『四神の合鍵』。
「みんな、俺を信じてついてきてくれ。……深淵の内側へ入るぞ!」
健太郎が鍵をアビス・シードの接合部に差し込み、一気に回す。
――ガチリ、という世界の根源が鳴るような音と共に、禍々しい闇の膜が左右へと割れ、健太郎たちはシードの「内部空間」へと飲み込まれた。
内部は、汚染された魔力の膿が溜まった地獄のような景色だった。心臓の機能を麻痺させているのは、黒く変色し、壊死しかけている魔力回路の深部。
「アイリス、位置を固定しろ! 結衣、桃子、恵梨香、周囲の闇を寄せ付けるな!」
健太郎は、壊死した部位へ迷わずナイフを入れた。
『慈愛の加工(特殊生産)』により、汚染された肉腫だけをミリ単位の精度で切り離していく。それは外科手術にも似た、神域の解体作業。
「主(あるじ)……その不浄、私が全て浄め尽くします!」
健太郎が切り離したアビスの塊が地に落ちる前に、アイリスが至近距離から浄化の魔力を叩き込む。黒い膿が黄金の光に焼かれ、消滅していく。
健太郎の「切断」と、アイリスの「浄化」。
二人の魂が重なり合うたび、予備心臓の拍動は次第に力強さを取り戻していった。
【汚濁】深淵の鏡、穢された純潔と加齢の醜聞
アビス・シードの内部。
そこは、五感のすべてを「絶望」という名の劇薬で煮詰めたような暗黒の空間だった。
健太郎の指先が、世界樹の壊死部を切り取ろうとしたその瞬間、神殿の静寂を切り裂いて、一万の呪詛が奔流となって彼を襲った。
「……あ、あはは。何や、おじさん。その顔、めっちゃ滑稽やわ」
最初に聞こえたのは、恵梨香の声だった。
だが、そこにはいつもの天真爛漫な輝きはない。
冷え切った、蔑みの色を湛えた関西弁が、健太郎の鼓膜を汚していく。
「自分、職人面してええ格好しとるけど、頭の中はエロいことばっかりやろ? 結衣さんや桃子とアイリスさんに中出しして、『恵梨香も先輩と同じようにして』……って、私がそう言うのを、舌なめずりして待ってたんやろ。自分みたいな四十過ぎの加齢臭漂うオヤジに、身体奪われたいなんて子が、この世におると思ってたん? ほんま、吐き気するわ……この、ロリコン親父」
恵梨香の幻影が吐き捨てた言葉は、鋭い針となって健太郎の心臓を突き刺す。
続けざまに、暗闇から桃子の姿が浮かび上がった。
「おじさん……信じてたのに。私の初めて、あんな薄暗い場所で、あんたの身勝手な欲望で無茶苦茶にされて……。中に出された時のドロドロした感触、今でも肌に張り付いて消えない。私の未来も、真っ白だった私の身体も、全部あんたが台無しにしたんだよ! JKの身体なら、どんなに汚してもいいと思ってたの!? お父さんより年上のあんたに抱かれてる時、私、ずっと死にたいって思ってたんだから!」
桃子の絶叫が、空間そのものを震わせる。その声は、健太郎の脳内で「一万文字の罵倒」となって増殖し、視界を文字の濁流で埋め尽くした。
『犯罪者』『老害』『性的捕食者』『中出し変態親父』。
無数の文字が物理的な質量を持って健太郎を押し潰す。
「主(あるじ)……いえ、三神健太郎」
アイリスの冷徹な声が響く。
「私は貴方が作った弓に過ぎません。貴方が私の処女を奪いたいと願えば、私に拒否するフラグは存在しない。貴方は、抵抗すら許されない人形の穴を、自分の性欲で汚して悦に浸っていた。それが貴方の言う『慈愛』の正体。……あまりに独りよがりで、醜悪な傲慢です」
そして、最後の一撃は、最愛の結衣だった。
「健太郎さん……現実の素材屋で私を見ていた時も、そんな汚い想像をしていたんですか? 48歳の独身男が、娘のような年齢の私を抱いて、満足そうに寝息を立てる。その横で、私は自分の汚された身体が惨めで、ずっと泣いてた……。貴方のその手は、素材を救う手じゃない。若い女の子の人生を、自分の色に染めて壊すための、汚れた手よ」
健太郎の指先が激しく震え、ダイブギアが精神的負荷の限界を告げる警告音(アラート)を鳴らし続ける48歳の現実、独身という孤独、そして少女たちの純潔を奪ったという「業」。
「(……ああ、そうだ。俺は、汚ねえオヤジだ……)」
健太郎は、暗闇の中で膝をつきそうになる。一万の罵声が、彼の精神を細切れに切り刻んでいく。アビス・シードは勝ち誇ったように、さらに凄惨な「拒絶の合唱」を響かせた。
だが、その濁流のような罵言の中に、一点の「異物」が混じった。
「……うっさいわボケェ!! 誰がそんなこと言うたんや!!」
空間を切り裂いたのは、本物の恵梨香の、怒りに満ちた関西弁だった。
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