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第四章
エンシェントツリー
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「これはこれは国王陛下、
お久しゅうございますなぁ。最後にお会いしたのは陛下がまだ王太子だった頃ですかな~?」
イズミルの要望に応じ(エサに釣られて)、
王城までやって来たグレガリオが挨拶の為に執務室を訪れた。
「確かに久しいなグレガリオ。
元気そうでなによりだ。でも太王太后とは今でも交流があるのだろう?」
グレアムとグレガリオが挨拶を交わす。
「ふぉっ、ふぉっ、
太王太后様とは幼馴染ですからなぁ。
あの方のお父上の先々代ジルトニア大公はワシの大恩人なのです」
「ああ、後ろ盾となって学費や研究費の全てを出して貰ったとか言っていたな」
「そうそれ♪
それで今でもリザちゃんには頭が上がらんのですわ」
グレアムが反芻する。
「リザちゃん……」
グレアムとグレガリオ、
グレとグレのやり取りを側で見ていたイズミルに、ソフィアがそっと耳打ちする。
「あの方が本当に賢人グレガリオなのですか?
ただの元気なお爺さんにしか見えないのですが……」
「ふふ。間違いなくあの方がアルメラス=グレガリオ先生よ」
ソフィアにそう答えて、
イズミルはグレガリオに話しかけた。
「師匠、陛下はエンシェントツリーの見学を快く許可して下さったのですよ、よーくお礼を申し上げて下さいませね」
「ふぉっ、ふぉっ、有り難や有り難や♪」
「軽いなー、アレってホントに有り難がってる?」
「私に聞かないで下さいよ」
マルセルとランスロットが陰でこそこそと言う。
「では早速、ハイラント王室の秘宝を
拝見させて頂きましょうかな♪」
グレガリオのおねだりを受けて、
イズミルがグレアムに確認する。
「陛下、よろしいでしょうか?」
「あぁ。構わない」
「ありがとうございます」
そう言って、
何故か他にもぞろそろと付いて来たギャラリー達
(ランスロット、マルセル、ゲイル、ソフィア)を引き連れて、イズミルはグレガリオを王家の霊廟へと案内した。
霊廟は以前、
規範の書の一部の捜索で来て以来である。
その時は壁画のある広間へは立ち入っていない。
イズミルは輿入れの際に一度、
ハイラント王室のエンシェントツリーを見た。
それ以来10年ぶり、二度目のお目もじとなる。
グレアムが壁画の間の鍵を開ける。
ここの扉は国王しか開けてはならない
決まりがある。
グレアムが壁画の間に足を踏み入れるのを見届けると、その後に一同が続く。
その広間には縦と横、実に12~3メートルは超えるかと思われる巨大な壁に、大樹の絵が描かれていた。
この大樹の絵がエンシェントツリーと呼ばれるものである。
王家の礎を築き、
そしてその後も繁栄を支えて来た歴代の王たちとその家族たちの家系図が巨大な樹木に模して描かれているのである。
「こ、こ、こ、これは見事なりっ……!」
師匠グレガリオが感嘆の声をあげる。
「ここまで巨大なエンシェントツリーは
初めて見ましたぞ、さすがはハイラント王室、
1000年の歴史は伊達ではないのっ……」
熱心に隅から隅までエンシェントツリーを眺める師匠の側で、イズミルもこの只々大きな大樹を見上げていた。
このエンシェントツリーがあるのはハイラント王家だけではない。
各国の王家にもこうやって大樹に見立てた家系図の壁画がある。
もちろん、ジルトニア大公家にもあった。
城と共に焼け落ちてしまい、今ではもう見る影も無いが。
でもイズミルの心の中には今でも存在し続けている。
イズミルが生き、そして子を産み、
その血が受け継がれてゆく事で、
ジルトニア大公家のエンシェントツリーは永遠に在り続けられるのだ。
新しい枝振りのところにリザベルとグレアムの名を見つける。
やがてグレアムの名の所からも更に枝が伸び、そこに子どもと妃の名が連なるのだ。
イズミルは妃といえど、王家の子を産んでいないので名は書かれていない。
それでいい。
それで良かった。
忘れられ、ここを去る妃の名など
残らない方がいいのだ。
一方、グレガリオはグレアムを質問責めにしていた。
ここの管理はどうしているのか。
修復はどのくらいの周期でするのか。
除名される王族もいるのか、などと。
その中でグレガリオはイズミルの事にも触れた。
「ワシの愛弟子はどうですかな?
ちゃーんとお役に立っておりますかな?」
「もちろんだ。
彼女は一生懸命やってくれている」
「ほほう。あの子がワシの弟子になったのは13歳の時でした。その時はもう既に嫁いだ身でありながらも、熱心に学んでおりましたな」
グレガリオのその発言にグレアムは目を向く。
「ちょっと待て、彼女はそんなに早く結婚を!?」
「そう聞いておりますぞ」
「……彼女の夫がどこの誰だか知っているのか?」
「…………………………いえ?」
「なんだその気になる間はっ、
ホントに知らんのか?」
「ふぉっ、ふぉっ、とんでもない男だとは聞いておりますぞ」
「なんだと?碌でもない奴なのか?」
「………………………………さあ?」
「だからなんなんだっその間はっ!」
「だって勝手に喋ったらリザちゃんとズーちゃんに怒られるもんねー」
そう言いながら、グレガリオはイズミルを呼んだ。
「おーいっズーちゃん!」
グレアムがまたまた反芻する。
「ズーちゃん……」
イズミルがグレガリオの元へと駆け寄る。
「師匠、お呼びでしょうか?」
「うん、あの天辺の枝の辺りがどうなってるか詳しく知りたいんだ♪ズーちゃん、ちょっと登って見て来てよ」
グレガリオのその言葉にグレアムが横槍を入れる。
「ちょっと待て!何故イズーがそんな危険な事をしなくてはならんのだ!」
「だってズーちゃんなら風の精霊でチョチョイと浮遊出来ますもん」
「出来ますもん、ではない!
イズー、ダメだそ。決して登ってはいかんぞ、先日落ちたばかりだろう!」
「そうですわよね。
師匠ごめんなさい、わたくし今日はスカートですから登れませんの」
「え~ケチ~、ちょっとくらい見えても
イイじゃないの♪むしろ大歓迎だわい」
「このエロじじぃがっ……」
グレガリオはその後も、
実にもう一日中エンシェントツリーを
眺めてはメモを取り、質問をし、大いに堪能していた。
いつまでも付き合ってはいられないので、グレアム達は早々に執務室へ引き上げた。
ソフィアも騎士団の鍛錬に参加するとの事で、広間にはイズミルとグレガリオだけが残った。
壁画を見上げながらグレガリオが言う。
「本当に恩返しをしているのじゃな」
「ええ。そのために師匠に師事致しましたもの」
「ワシはお前さんを尊敬するよ。
有言実行、臥薪嘗胆、一意専心、猪突猛進、全てお前さんのためにあるような東方の言葉じゃ」
「まぁ、猪突猛進は女性を褒めるにはあまり適さないかもしれませんわよ?」
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
「ふふふ……師匠、わたしに様々な事を教えて下さりありがとうございました。今、こうして陛下のお役に立てているのも師匠のおかげです」
「いやいや、全てお前さんの努力の賜物だよん」
「……そうですわね」
「ズコーーっ☆」
「ふふふ」
しかしイズミルにとって、この風変わりな師との出会いが僥倖であった事は間違いない。
イズミルは改めて恩師グレガリオに
感謝をするのであった。
お久しゅうございますなぁ。最後にお会いしたのは陛下がまだ王太子だった頃ですかな~?」
イズミルの要望に応じ(エサに釣られて)、
王城までやって来たグレガリオが挨拶の為に執務室を訪れた。
「確かに久しいなグレガリオ。
元気そうでなによりだ。でも太王太后とは今でも交流があるのだろう?」
グレアムとグレガリオが挨拶を交わす。
「ふぉっ、ふぉっ、
太王太后様とは幼馴染ですからなぁ。
あの方のお父上の先々代ジルトニア大公はワシの大恩人なのです」
「ああ、後ろ盾となって学費や研究費の全てを出して貰ったとか言っていたな」
「そうそれ♪
それで今でもリザちゃんには頭が上がらんのですわ」
グレアムが反芻する。
「リザちゃん……」
グレアムとグレガリオ、
グレとグレのやり取りを側で見ていたイズミルに、ソフィアがそっと耳打ちする。
「あの方が本当に賢人グレガリオなのですか?
ただの元気なお爺さんにしか見えないのですが……」
「ふふ。間違いなくあの方がアルメラス=グレガリオ先生よ」
ソフィアにそう答えて、
イズミルはグレガリオに話しかけた。
「師匠、陛下はエンシェントツリーの見学を快く許可して下さったのですよ、よーくお礼を申し上げて下さいませね」
「ふぉっ、ふぉっ、有り難や有り難や♪」
「軽いなー、アレってホントに有り難がってる?」
「私に聞かないで下さいよ」
マルセルとランスロットが陰でこそこそと言う。
「では早速、ハイラント王室の秘宝を
拝見させて頂きましょうかな♪」
グレガリオのおねだりを受けて、
イズミルがグレアムに確認する。
「陛下、よろしいでしょうか?」
「あぁ。構わない」
「ありがとうございます」
そう言って、
何故か他にもぞろそろと付いて来たギャラリー達
(ランスロット、マルセル、ゲイル、ソフィア)を引き連れて、イズミルはグレガリオを王家の霊廟へと案内した。
霊廟は以前、
規範の書の一部の捜索で来て以来である。
その時は壁画のある広間へは立ち入っていない。
イズミルは輿入れの際に一度、
ハイラント王室のエンシェントツリーを見た。
それ以来10年ぶり、二度目のお目もじとなる。
グレアムが壁画の間の鍵を開ける。
ここの扉は国王しか開けてはならない
決まりがある。
グレアムが壁画の間に足を踏み入れるのを見届けると、その後に一同が続く。
その広間には縦と横、実に12~3メートルは超えるかと思われる巨大な壁に、大樹の絵が描かれていた。
この大樹の絵がエンシェントツリーと呼ばれるものである。
王家の礎を築き、
そしてその後も繁栄を支えて来た歴代の王たちとその家族たちの家系図が巨大な樹木に模して描かれているのである。
「こ、こ、こ、これは見事なりっ……!」
師匠グレガリオが感嘆の声をあげる。
「ここまで巨大なエンシェントツリーは
初めて見ましたぞ、さすがはハイラント王室、
1000年の歴史は伊達ではないのっ……」
熱心に隅から隅までエンシェントツリーを眺める師匠の側で、イズミルもこの只々大きな大樹を見上げていた。
このエンシェントツリーがあるのはハイラント王家だけではない。
各国の王家にもこうやって大樹に見立てた家系図の壁画がある。
もちろん、ジルトニア大公家にもあった。
城と共に焼け落ちてしまい、今ではもう見る影も無いが。
でもイズミルの心の中には今でも存在し続けている。
イズミルが生き、そして子を産み、
その血が受け継がれてゆく事で、
ジルトニア大公家のエンシェントツリーは永遠に在り続けられるのだ。
新しい枝振りのところにリザベルとグレアムの名を見つける。
やがてグレアムの名の所からも更に枝が伸び、そこに子どもと妃の名が連なるのだ。
イズミルは妃といえど、王家の子を産んでいないので名は書かれていない。
それでいい。
それで良かった。
忘れられ、ここを去る妃の名など
残らない方がいいのだ。
一方、グレガリオはグレアムを質問責めにしていた。
ここの管理はどうしているのか。
修復はどのくらいの周期でするのか。
除名される王族もいるのか、などと。
その中でグレガリオはイズミルの事にも触れた。
「ワシの愛弟子はどうですかな?
ちゃーんとお役に立っておりますかな?」
「もちろんだ。
彼女は一生懸命やってくれている」
「ほほう。あの子がワシの弟子になったのは13歳の時でした。その時はもう既に嫁いだ身でありながらも、熱心に学んでおりましたな」
グレガリオのその発言にグレアムは目を向く。
「ちょっと待て、彼女はそんなに早く結婚を!?」
「そう聞いておりますぞ」
「……彼女の夫がどこの誰だか知っているのか?」
「…………………………いえ?」
「なんだその気になる間はっ、
ホントに知らんのか?」
「ふぉっ、ふぉっ、とんでもない男だとは聞いておりますぞ」
「なんだと?碌でもない奴なのか?」
「………………………………さあ?」
「だからなんなんだっその間はっ!」
「だって勝手に喋ったらリザちゃんとズーちゃんに怒られるもんねー」
そう言いながら、グレガリオはイズミルを呼んだ。
「おーいっズーちゃん!」
グレアムがまたまた反芻する。
「ズーちゃん……」
イズミルがグレガリオの元へと駆け寄る。
「師匠、お呼びでしょうか?」
「うん、あの天辺の枝の辺りがどうなってるか詳しく知りたいんだ♪ズーちゃん、ちょっと登って見て来てよ」
グレガリオのその言葉にグレアムが横槍を入れる。
「ちょっと待て!何故イズーがそんな危険な事をしなくてはならんのだ!」
「だってズーちゃんなら風の精霊でチョチョイと浮遊出来ますもん」
「出来ますもん、ではない!
イズー、ダメだそ。決して登ってはいかんぞ、先日落ちたばかりだろう!」
「そうですわよね。
師匠ごめんなさい、わたくし今日はスカートですから登れませんの」
「え~ケチ~、ちょっとくらい見えても
イイじゃないの♪むしろ大歓迎だわい」
「このエロじじぃがっ……」
グレガリオはその後も、
実にもう一日中エンシェントツリーを
眺めてはメモを取り、質問をし、大いに堪能していた。
いつまでも付き合ってはいられないので、グレアム達は早々に執務室へ引き上げた。
ソフィアも騎士団の鍛錬に参加するとの事で、広間にはイズミルとグレガリオだけが残った。
壁画を見上げながらグレガリオが言う。
「本当に恩返しをしているのじゃな」
「ええ。そのために師匠に師事致しましたもの」
「ワシはお前さんを尊敬するよ。
有言実行、臥薪嘗胆、一意専心、猪突猛進、全てお前さんのためにあるような東方の言葉じゃ」
「まぁ、猪突猛進は女性を褒めるにはあまり適さないかもしれませんわよ?」
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
「ふふふ……師匠、わたしに様々な事を教えて下さりありがとうございました。今、こうして陛下のお役に立てているのも師匠のおかげです」
「いやいや、全てお前さんの努力の賜物だよん」
「……そうですわね」
「ズコーーっ☆」
「ふふふ」
しかしイズミルにとって、この風変わりな師との出会いが僥倖であった事は間違いない。
イズミルは改めて恩師グレガリオに
感謝をするのであった。
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