無関係だった私があなたの子どもを生んだ訳

キムラましゅろう

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ミニ番外編

ハノン、マフィン屋へ行く

先日訪れたメロディがお土産として持って来てくれた、彼女の義妹(のようなもの)が営むマフィン専門店のベビー用のマフィン。

食いしん坊のノエルも殊の外お気に召し、メロディが持って来てくれた分をペロリと平らげてしまった。

そのマフィンがベビーマフィンと銘打ってお店の定番商品となると聞き、
ハノンはノエルとのお散歩がてらそのマフィン屋へと足を運んだ。


お店の扉に付いているドアベルが鳴ると同時に可愛らしい少女の声が店に響く。

「いらっしゃいませ~」

マフィン屋の看板娘、アンナ(13)が人懐っこい愛らしい笑顔でハノンを出迎えた。

「こんにちは。ベビーマフィンを買いに来たのだけれど……」

ハノンがそう言うと、アンナは「こちらにありますよ」とベビーマフィンが並ぶ棚を教えてくれた。

「ありがとう。わ……どれも美味しそうで迷ってしまうわね」

「ありがとうございます。母が心と力を込めて作るマフィンです」

「力?」

マフィンになぜ力?とハノンが思ったその瞬間、店の奥のキッチンから景気の良いドスの利いた声が響いて来た。


「こんのクソボケの元カス旦那ぁぁーー!!夫婦喧嘩で追い出される度にウチに助けを求めてくんじゃねぇーーっ!!てめぇは一体、どういう神経しとんじゃゴルァーーッ!!」


店内に漂う甘くて優しい香りと可愛らしいマフィン。
それに似つかわずかなりエネルギッシュな罵声にハノンは目を丸くして驚いた。

そんなハノンにアンナは小さく肩を竦めて教えてくれた。

「ああやって、母は怒りのエネルギーを動力源にしてマフィンの生地を混ぜているんです。ウチのマフィンが美味しいのは、みんな母の力強いでも絶妙な匙加減のミキシングが決め手なんですよ」

「ぷ……そうなのね、面白いわ。ますますここのマフィンのファンになりそう」

「ありがとうございます!」

アンナは誇らしげに微笑んだ。

ハノンはノエルの為のベビーマフィンと、ルシアンやポレットやフェリックスの為に様々な種類のマフィンを購入した。

マフィンを箱に詰めてもらい、お代を払って店を出ようとしたその時、奥のキッチンからアンナの義母でありマフィン屋の店主であるウーシアが出てきた。

「いらっしゃいませ、そしてお買い上げありがとうございます」

そう言ってベビーカーが出やすいように店の扉を開けてくれる。

この方がメロディの義妹いもうとか…と思いながらハノンは「ありがとうございます。また来ますね」と言って店を出た。

メロディとは友人で…と話を切り出そうかとも思ったが、数名の客が店に来たのでやめておいた。

「「ありがとうございましたー」」

ウーシアとアンナ母子おやこが声を揃えて見送ってくれる。

ハノンは振り返り、笑顔で会釈した。

また来よう。

今度はメロディと。

そしてあの母子とゆっくりお茶を飲みながらお喋りをしてみたい、
ハノンはそう考えながら家路に就いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日出てきたマフィン屋のウーシアさんのお話は

『夫に裏切られた妻は今日も美味しいマフィンを焼く』

で読めます☆
お暇な際にお読みいただけますと光栄です。
よろちくび♡

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