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ある日、エントランスで
「漆黒の薔薇に剣と星の紋章……レントン公爵家の馬車だ」
王太子宮のエントランスに向かって来る四頭立ての馬車を見て第二王子ルドヴィックが言った。
コラールが緊張を色濃くした表情でクラバットに触れている。
エクトルはおそらく自分の婚約者が最初に降りてくるだろうと考え、前に進み出た。
やがてレントン公爵家の馬車が滑るように王太子宮のエントランス前へと停車した。
馭者の隣に座っていた従僕が馬車の扉を開ける。
エクトルの斜め後ろに立つルドヴィックが正に固唾を呑む音が小さく聞こえた。
「エクトル!」
そして予想した通り、婚約者の姿を見つけて嬉しそうな笑顔を浮かべてプリムローズが馬車を降りようとした。
───可愛いしかないな。
こちらを見て破顔するプリムローズにキュンとしながら、エクトルは自らの手を貸すべく馬車に近付いた。
「レディ、お手をどうぞ」
そう言って手を差し出すとプリムローズは「きゃっ、レディですって」とはにかみながらエクトルの手にちょこんと手をのせた。
───本当に可愛いしかない。
プリムローズが馬車を降りるのをエスコートしながらエクトルは言う。
「ドレス、とてもよく似合ってる。可愛いよプリム」
「ぎゃん!」
「プリムを想って選んだドレスなんだ。着てくれて嬉しいよ」
そう言ってエクトルは握っていたプリムローズの指先にキスを落とす。
「ぎゃふん!」
東和で宣言した通り、エクトルは婚約者に対してなんでも思った事を口にするようになった。
そして行動も。
「コホン、」
出入り口付近でイチャイチャする二人に、というかエクトルに対してエリザベスは小さく咳払いをする。
その意味合いはもちろん「早く退け」もしくは「イチャつくのは他所でやれ」もしくは「次にプリムローズを泣かせたら許しませんわよ」もしくは……というか全部だろう。
「レントン公爵令嬢、失礼しました」
エクトルはそう詫びを入れて顔から湯気が立ちそうなほど真っ赤になるプリムローズの手を引いて、馬車から離れた。
気を取り直したように従僕がエリザベスを、続いてフランシーヌに手を貸して二人は馬車を降りた。
───一応、エスコートをすると言ったからにはきちんとするおつもりのようね。わざわざ殿下自らエントランスまでお出迎えとは。
エリザベスはそう思いながら、フランシーヌと共に婚約者の方へと視線を向けた。
そして目の当たりにした光景に目を見開く。
「………は?」
公爵令嬢らしかぬそんな声が出たのは仕方ないだろう。
だってルドヴィックとコラール、二人が深々と頭を下げてそこに居たのだから。
「で、殿下?」
「コラール様?」
エリザベスもフランシーヌも何事かと驚いた声で婚約者の名を呼んだ。
しかし次の瞬間、ルドヴィックとコラールは頭を上げてツカツカと自身の婚約者の元へと歩み寄った。
そして手を差し出し、神妙な面持ちで乞い願う。
「……宴が始まる前に少しでいい、私に時間をくれないだろうか」
「お時間ですか……?なんのために?あぁ、婚約解消についてのお話ですか?」
「違う……!頼むエリザベス。私としてはどこで膝を汚そうとも厭わないが、それではキミを困らせるだけだとわかっている。……ここは人目が多すぎるから……」
「膝を汚す?一体何をなさるおつもりなのです?」
「頼む。お願いだベス……!」
悲壮感に溢れ、いつになく必死な形相のルドヴィックを見て些か毒気を抜かれたエリザベスだが、素直を従う気にはなれない。
「これまで散々わたくしを放置しておいて、今さら何のお話があるというのです?ああ、ご自分が捨てられたような状況だとお思いになってそれが許せないのですか?」
「違うっ……違うよベス……」
「ハン!ふざけんじゃねぇであそばせ」
けんもほろろにルドヴィックをあしらうエリザベスを見て、プリムローズは焦った様子で告げた。
「大変ですエリザベスお姉様!裏ザベスが表に出てますわよ!それにほらまたマゼトラン海峡のように深いシワが眉間に!」
「お黙りなさいプリムローズ。その可愛いお口を縫い付けますわよ。わたくしほどの人間なら眉間のシワもチャームポイントにしてみせますわ!」
「同感だ。ベスは眉間のシワまで美しい」
心の底から同意するルドヴィックをエリザベスは睨め付ける。
「シワが美しいなんて、ふざけるのも大概になさいませ」
「ふざけてなどいない。私はベスの全てが美しいと思っている。どれだけ疎まれようともその信念だけは曲げられない」
「……これ以上人前でおかしな事を言われては堪りませんから、別の場所でお話を伺うことにしますわ」
エリザベスのその言葉を聞き、ルドヴィックが破顔した。
「ありがとう……!ありがとうベスっ……!」
ルドヴィックはそう言ってエリザベスに手を差し出す。
「どうか用意した部屋まで貴女をエスコートする栄誉をお与えください」
真剣な眼差しでそう乞われ、エリザベスは眉根を寄せてその手を取る。
「そこまで乞われては仕方ありませんわね」
「ベス……!」
ルドヴィックは泣きそうな顔をしてエリザベスを王太子宮の中へとエスコートして行った。
その後を追うのは第二王子付きの侍従とレントン公爵家の侍女と護衛騎士のみである。
ルドヴィックとエリザベスを見送ったエクトルがコラールに声をかける。
「殿下に先を越されたな。次はお前の番だぞ」
「あ、ああ。フランシーヌ……」
ルドヴィックとエリザベスのやり取りに圧倒されていたコラールがハッとして慌てて自身の婚約者に向き直る。
だがコラールはフランシーヌを見て驚いた。
「……フランシー……?」
彼女は、フランシーヌは目に涙を浮かべて泣いていた。
コラールは慌ててフランシーヌの元に寄る。
「ど、どうしたんだフランシーっ、なぜ泣いてっ……いや、僕が泣かせてるんだよね、僕の浅慮で迂闊な言動がキミを傷付けた……本当に、本当にすまないフランシー……!でも信じてほしい、僕が愛してるのはずっとずっとフランシーだけなんだっ、お願いだフランシーヌ、どうか婚約解消なんて言わないで。どうか僕を捨てないでっ……!」
フランシーヌの涙を見て、コラールの胸は締め付けられるように痛くて苦しかった。
大切にしてきたつもりの婚約者。
それは本当に“つもり”になっていただけで、何一つわかっていなかった自分を殴り飛ばしたくなる。
「いや、殴れ!殴ってくれ!頼むエクトル!僕を殴ってくれ!」
自責の念に耐えられなくなったコラールがエクトルに言った。
「断る。お前、顔を腫らして宴に出るつもりか?おめでたい席に水を差す事になるぞ。ミレ伯爵家の恥になるぞ」
冷静に告げるエクトルにコラールは尚も食い下がる。
「もちろん処罰は受ける!だから頼む殴ってくれ!そうでもしないとフランシーに会わせる顔がないんだっ!」
「落ち着けコラール」
「じゃあわたしが代わりに殴りましょうか?」
「プリムは少しお利口にしてようか」
コラールとエクトルとプリムローズ。
三人が騒然となっているところに、フランシーヌが弱々しい声でつぶやいた。
「……殴られなくていいです……コラール様っ……」
「フランシー……?」
フランシーヌのその小さな声もコラールを聞き逃す事なく彼女を見た。
フランシーヌは変わらず涙を浮かべながら一心にコラールを見ている。
「殴られちゃいやです……コラール様が痛い思いをするのはいやですっ……」
「フランシーヌ……!」
コラールは思わずフランシーヌの手を取る。
フランシーヌはコラールの手に自身の小さな手が包み込まれる様を見て、彼に言う。
「コラール様っ……全身がっ……まるでレモンケーキのようですわっ……」
「だよな……」というエクトルの小さなつぶやきがプリムローズの耳に届いた。
フランシーヌの言葉にコラールは何度も頷く。
「あぁ……!そうなんだ!今でも全身全霊でキミを愛してる事を知って欲しくて、全身レモンイエローの装いにしたんだっ」
「私の……髪の色ね……?」
「そうだよフランシー……柔らかくて艶やかで、誰よりも美しいキミの髪の色だ」
「コラール様は、今でも私だけのコラール様だと信じてもいいの……?」
「信じてくれ!お願いだ信じてほしい!僕はフランシーヌだけを愛してるんだ!」
「ああ……!コラール様っ……!」
感極まった二人、ここが王太子宮のエントランスだという事も忘れて手と手を取り合い涙を流し合った。
「嘘だろ……?レモンケーキが勝利した……わかりやすく視覚から入る作戦が功を奏した……」
エクトルが信じられないものを見るような目で二人を見ている。
「ふふふ」
プリムローズはよくわからないなりにも、フランシーヌが失恋しなくて良かったと心から思えた。
結局すぐに王太子妃メレンディーナの侍女たちが駆けつけ、コラールとフランシーヌを別室へと案内して行った。
フランシーヌはそこで涙で崩れてしまった化粧を直されるのだろう。
そしてプリムローズはやれやれとほっとした表情を浮かべるエクトルにエスコートされ、ホールへと入って行った。
───────────────────────
レモンケーキの勝利!!
カメムシになりそこなった王子の方はどうなるのか……(꒪꒳꒪ )
ごめんなさい、諸事情により明日の更新はお休みです。
本当に申し訳ないです。 °(°´ᯅ`°)° 。ピエン
王太子宮のエントランスに向かって来る四頭立ての馬車を見て第二王子ルドヴィックが言った。
コラールが緊張を色濃くした表情でクラバットに触れている。
エクトルはおそらく自分の婚約者が最初に降りてくるだろうと考え、前に進み出た。
やがてレントン公爵家の馬車が滑るように王太子宮のエントランス前へと停車した。
馭者の隣に座っていた従僕が馬車の扉を開ける。
エクトルの斜め後ろに立つルドヴィックが正に固唾を呑む音が小さく聞こえた。
「エクトル!」
そして予想した通り、婚約者の姿を見つけて嬉しそうな笑顔を浮かべてプリムローズが馬車を降りようとした。
───可愛いしかないな。
こちらを見て破顔するプリムローズにキュンとしながら、エクトルは自らの手を貸すべく馬車に近付いた。
「レディ、お手をどうぞ」
そう言って手を差し出すとプリムローズは「きゃっ、レディですって」とはにかみながらエクトルの手にちょこんと手をのせた。
───本当に可愛いしかない。
プリムローズが馬車を降りるのをエスコートしながらエクトルは言う。
「ドレス、とてもよく似合ってる。可愛いよプリム」
「ぎゃん!」
「プリムを想って選んだドレスなんだ。着てくれて嬉しいよ」
そう言ってエクトルは握っていたプリムローズの指先にキスを落とす。
「ぎゃふん!」
東和で宣言した通り、エクトルは婚約者に対してなんでも思った事を口にするようになった。
そして行動も。
「コホン、」
出入り口付近でイチャイチャする二人に、というかエクトルに対してエリザベスは小さく咳払いをする。
その意味合いはもちろん「早く退け」もしくは「イチャつくのは他所でやれ」もしくは「次にプリムローズを泣かせたら許しませんわよ」もしくは……というか全部だろう。
「レントン公爵令嬢、失礼しました」
エクトルはそう詫びを入れて顔から湯気が立ちそうなほど真っ赤になるプリムローズの手を引いて、馬車から離れた。
気を取り直したように従僕がエリザベスを、続いてフランシーヌに手を貸して二人は馬車を降りた。
───一応、エスコートをすると言ったからにはきちんとするおつもりのようね。わざわざ殿下自らエントランスまでお出迎えとは。
エリザベスはそう思いながら、フランシーヌと共に婚約者の方へと視線を向けた。
そして目の当たりにした光景に目を見開く。
「………は?」
公爵令嬢らしかぬそんな声が出たのは仕方ないだろう。
だってルドヴィックとコラール、二人が深々と頭を下げてそこに居たのだから。
「で、殿下?」
「コラール様?」
エリザベスもフランシーヌも何事かと驚いた声で婚約者の名を呼んだ。
しかし次の瞬間、ルドヴィックとコラールは頭を上げてツカツカと自身の婚約者の元へと歩み寄った。
そして手を差し出し、神妙な面持ちで乞い願う。
「……宴が始まる前に少しでいい、私に時間をくれないだろうか」
「お時間ですか……?なんのために?あぁ、婚約解消についてのお話ですか?」
「違う……!頼むエリザベス。私としてはどこで膝を汚そうとも厭わないが、それではキミを困らせるだけだとわかっている。……ここは人目が多すぎるから……」
「膝を汚す?一体何をなさるおつもりなのです?」
「頼む。お願いだベス……!」
悲壮感に溢れ、いつになく必死な形相のルドヴィックを見て些か毒気を抜かれたエリザベスだが、素直を従う気にはなれない。
「これまで散々わたくしを放置しておいて、今さら何のお話があるというのです?ああ、ご自分が捨てられたような状況だとお思いになってそれが許せないのですか?」
「違うっ……違うよベス……」
「ハン!ふざけんじゃねぇであそばせ」
けんもほろろにルドヴィックをあしらうエリザベスを見て、プリムローズは焦った様子で告げた。
「大変ですエリザベスお姉様!裏ザベスが表に出てますわよ!それにほらまたマゼトラン海峡のように深いシワが眉間に!」
「お黙りなさいプリムローズ。その可愛いお口を縫い付けますわよ。わたくしほどの人間なら眉間のシワもチャームポイントにしてみせますわ!」
「同感だ。ベスは眉間のシワまで美しい」
心の底から同意するルドヴィックをエリザベスは睨め付ける。
「シワが美しいなんて、ふざけるのも大概になさいませ」
「ふざけてなどいない。私はベスの全てが美しいと思っている。どれだけ疎まれようともその信念だけは曲げられない」
「……これ以上人前でおかしな事を言われては堪りませんから、別の場所でお話を伺うことにしますわ」
エリザベスのその言葉を聞き、ルドヴィックが破顔した。
「ありがとう……!ありがとうベスっ……!」
ルドヴィックはそう言ってエリザベスに手を差し出す。
「どうか用意した部屋まで貴女をエスコートする栄誉をお与えください」
真剣な眼差しでそう乞われ、エリザベスは眉根を寄せてその手を取る。
「そこまで乞われては仕方ありませんわね」
「ベス……!」
ルドヴィックは泣きそうな顔をしてエリザベスを王太子宮の中へとエスコートして行った。
その後を追うのは第二王子付きの侍従とレントン公爵家の侍女と護衛騎士のみである。
ルドヴィックとエリザベスを見送ったエクトルがコラールに声をかける。
「殿下に先を越されたな。次はお前の番だぞ」
「あ、ああ。フランシーヌ……」
ルドヴィックとエリザベスのやり取りに圧倒されていたコラールがハッとして慌てて自身の婚約者に向き直る。
だがコラールはフランシーヌを見て驚いた。
「……フランシー……?」
彼女は、フランシーヌは目に涙を浮かべて泣いていた。
コラールは慌ててフランシーヌの元に寄る。
「ど、どうしたんだフランシーっ、なぜ泣いてっ……いや、僕が泣かせてるんだよね、僕の浅慮で迂闊な言動がキミを傷付けた……本当に、本当にすまないフランシー……!でも信じてほしい、僕が愛してるのはずっとずっとフランシーだけなんだっ、お願いだフランシーヌ、どうか婚約解消なんて言わないで。どうか僕を捨てないでっ……!」
フランシーヌの涙を見て、コラールの胸は締め付けられるように痛くて苦しかった。
大切にしてきたつもりの婚約者。
それは本当に“つもり”になっていただけで、何一つわかっていなかった自分を殴り飛ばしたくなる。
「いや、殴れ!殴ってくれ!頼むエクトル!僕を殴ってくれ!」
自責の念に耐えられなくなったコラールがエクトルに言った。
「断る。お前、顔を腫らして宴に出るつもりか?おめでたい席に水を差す事になるぞ。ミレ伯爵家の恥になるぞ」
冷静に告げるエクトルにコラールは尚も食い下がる。
「もちろん処罰は受ける!だから頼む殴ってくれ!そうでもしないとフランシーに会わせる顔がないんだっ!」
「落ち着けコラール」
「じゃあわたしが代わりに殴りましょうか?」
「プリムは少しお利口にしてようか」
コラールとエクトルとプリムローズ。
三人が騒然となっているところに、フランシーヌが弱々しい声でつぶやいた。
「……殴られなくていいです……コラール様っ……」
「フランシー……?」
フランシーヌのその小さな声もコラールを聞き逃す事なく彼女を見た。
フランシーヌは変わらず涙を浮かべながら一心にコラールを見ている。
「殴られちゃいやです……コラール様が痛い思いをするのはいやですっ……」
「フランシーヌ……!」
コラールは思わずフランシーヌの手を取る。
フランシーヌはコラールの手に自身の小さな手が包み込まれる様を見て、彼に言う。
「コラール様っ……全身がっ……まるでレモンケーキのようですわっ……」
「だよな……」というエクトルの小さなつぶやきがプリムローズの耳に届いた。
フランシーヌの言葉にコラールは何度も頷く。
「あぁ……!そうなんだ!今でも全身全霊でキミを愛してる事を知って欲しくて、全身レモンイエローの装いにしたんだっ」
「私の……髪の色ね……?」
「そうだよフランシー……柔らかくて艶やかで、誰よりも美しいキミの髪の色だ」
「コラール様は、今でも私だけのコラール様だと信じてもいいの……?」
「信じてくれ!お願いだ信じてほしい!僕はフランシーヌだけを愛してるんだ!」
「ああ……!コラール様っ……!」
感極まった二人、ここが王太子宮のエントランスだという事も忘れて手と手を取り合い涙を流し合った。
「嘘だろ……?レモンケーキが勝利した……わかりやすく視覚から入る作戦が功を奏した……」
エクトルが信じられないものを見るような目で二人を見ている。
「ふふふ」
プリムローズはよくわからないなりにも、フランシーヌが失恋しなくて良かったと心から思えた。
結局すぐに王太子妃メレンディーナの侍女たちが駆けつけ、コラールとフランシーヌを別室へと案内して行った。
フランシーヌはそこで涙で崩れてしまった化粧を直されるのだろう。
そしてプリムローズはやれやれとほっとした表情を浮かべるエクトルにエスコートされ、ホールへと入って行った。
───────────────────────
レモンケーキの勝利!!
カメムシになりそこなった王子の方はどうなるのか……(꒪꒳꒪ )
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