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3 ヘテロクロミアの青年
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私が彼を……クライブを見知ったのは当時働いていた魔法薬店で。
街の自警団の騎士として彼が膏薬の仕入れに訪れたのがきっかけだったの。
帯剣している騎士が店に入って来たときは、一瞬恐怖で体が竦んだわ。
祖父に容疑がかけられた際に自宅を捜索した騎士たちの記憶を、否が応でも思い起こさせられたから。
だけど彼の瞳を見て、その恐怖心はすぐに消えた。
右の瞳は黒で、左の瞳は青。
夜空と青空……両方を瞳に持つ、ヘテロクロミアの彼に強烈に惹き付けられたの。
だけど当然、はじめはただの客と店員として接するだけの関係だった。
それが変わったのは私が酔っ払いに絡まれているのを助けてもらってから。
『大丈夫?性質の悪い奴に捕まって大変だったね』
酔っ払いを追い払ってくれた彼が、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
『た……助けていただきありがとうございますっ……。魔法薬店に時々いらっしゃる騎士さんですよね……?』
『うん。クライブ・ケイン、この地域の自警団所属の騎士だよ』
『わ、私はミルチア……ミルチア・ライトと申します……』
『かわいそうに、まだ震えてる。無理して喋らなくていいから』
酔っ払いにしつこく絡まれた恐怖に竦んでいた私を、彼は家まで送ってくれた。
そのお礼を改めてしたいと思い、再び彼が来店するのを待っていたのだけれど、待てど暮らせどクライブはなかなか店を訪れることはなかったわ。
そりゃそうよね。
騎士という職業柄怪我はつきもので薬や包帯を取り扱う魔法薬店とは無縁ではいられないとはいえ、そうしょっちゅう購入するわけでもないもの。
だからといってわざわざ自警団の詰め所にまで押しかける度胸は、その当時の私にはなかった。
そうしてお礼もできないまま、日々が過ぎていくのかと思っていた矢先、魔法薬の店主からお見合い話を持ちかけられたの。
相手は奇しくも自警団が推薦する騎士らしく、フリーの騎士を街に定住させるために、街の商工会の協力を仰いで結婚の斡旋をしているとの事だった。
それで独身で結婚適齢期に入ったばかりの私に白羽の矢が立ったのね。
祖母を亡くしたばかりだし、私にはまだ結婚願望はないと一度は断った。
だけど会うだけでもいいからと押し切られて、魔法薬店の店主の顔を立てるためにとりあえず見合いに応じることにしたわ。
それにもしかしたら……見合い相手はクライブを知っている人かもしれない。
彼に繋ぎを取ってもらって、先日のお礼ができるかもしれないと、思ったのよ。
そうして見合い当日、予め指定されていた場所へ行くと……そこに待っていたのはクライブ・ケイン、その人だった。
街の自警団の騎士として彼が膏薬の仕入れに訪れたのがきっかけだったの。
帯剣している騎士が店に入って来たときは、一瞬恐怖で体が竦んだわ。
祖父に容疑がかけられた際に自宅を捜索した騎士たちの記憶を、否が応でも思い起こさせられたから。
だけど彼の瞳を見て、その恐怖心はすぐに消えた。
右の瞳は黒で、左の瞳は青。
夜空と青空……両方を瞳に持つ、ヘテロクロミアの彼に強烈に惹き付けられたの。
だけど当然、はじめはただの客と店員として接するだけの関係だった。
それが変わったのは私が酔っ払いに絡まれているのを助けてもらってから。
『大丈夫?性質の悪い奴に捕まって大変だったね』
酔っ払いを追い払ってくれた彼が、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
『た……助けていただきありがとうございますっ……。魔法薬店に時々いらっしゃる騎士さんですよね……?』
『うん。クライブ・ケイン、この地域の自警団所属の騎士だよ』
『わ、私はミルチア……ミルチア・ライトと申します……』
『かわいそうに、まだ震えてる。無理して喋らなくていいから』
酔っ払いにしつこく絡まれた恐怖に竦んでいた私を、彼は家まで送ってくれた。
そのお礼を改めてしたいと思い、再び彼が来店するのを待っていたのだけれど、待てど暮らせどクライブはなかなか店を訪れることはなかったわ。
そりゃそうよね。
騎士という職業柄怪我はつきもので薬や包帯を取り扱う魔法薬店とは無縁ではいられないとはいえ、そうしょっちゅう購入するわけでもないもの。
だからといってわざわざ自警団の詰め所にまで押しかける度胸は、その当時の私にはなかった。
そうしてお礼もできないまま、日々が過ぎていくのかと思っていた矢先、魔法薬の店主からお見合い話を持ちかけられたの。
相手は奇しくも自警団が推薦する騎士らしく、フリーの騎士を街に定住させるために、街の商工会の協力を仰いで結婚の斡旋をしているとの事だった。
それで独身で結婚適齢期に入ったばかりの私に白羽の矢が立ったのね。
祖母を亡くしたばかりだし、私にはまだ結婚願望はないと一度は断った。
だけど会うだけでもいいからと押し切られて、魔法薬店の店主の顔を立てるためにとりあえず見合いに応じることにしたわ。
それにもしかしたら……見合い相手はクライブを知っている人かもしれない。
彼に繋ぎを取ってもらって、先日のお礼ができるかもしれないと、思ったのよ。
そうして見合い当日、予め指定されていた場所へ行くと……そこに待っていたのはクライブ・ケイン、その人だった。
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