恋人が聖女のものになりました

キムラましゅろう

文字の大きさ
1 / 22

プロローグなのにオワタ

どうして?
あんなにお願いしたのに。

どうしてあなたはそこで跪いているの?

あの方の前に、聖女の前に。

聖女に忠誠を誓えば、あなたは聖女のものになる。

その神聖力により、聖女しか愛せない人間になってしまう。

魅了とは似て非なるもの、それが聖女の神聖力だという。

聖女にのみ忠義を尽くし、人生の全てを捧げる。

常に聖女を護り、いざとなればその身を犠牲にしても聖女を救う、聖女を守る為に己の全てを賭す。

それが聖女の聖騎士パラディン

そうなればもう、あなたとの人生は望めない。

誉ある聖女の聖騎士と人は言うけれど、そんなの、恋人や婚約者や妻にしてみれば自分よりも聖女を優先する“他人の男”でしかない。

だから絶対に、聖女の聖騎士にだけはならないでとあれほどお願いしたのに……

あなたはわたしの望みよりも出世を選んだ。

わたしと一緒になる為だとあなたは思っているようだけど、聖女によってその肩に聖剣を受けた時から、きっともうわたし達の人生が交わる事はない。


そしてまさに今、

彼の肩に聖女が剣を充てがう。

やめて。

その剣を受けないで。

やめてっ………!


「そなたを私の聖騎士に叙任します」

「はっ。身命を賭して、聖女様にお仕え致します」


あぁ………

あなたは聖剣の誓いを立ててしまった。


これでもう、わたし達は……





「ハイ、オワタ」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


主人公二人のご紹介

ユラル(17)愛称は「ユラ」。
男爵家の次女で、無自覚転生ヒロイン。
しかし前世の記憶はほとんどなく、自分が転生者だとは知らない。前世で知っていたものを時々ヒラメキとして思い出す。
例えば「あ、太めの棍棒に釘をいっぱい刺して武器にすればいいんじゃないかしら?そしてそれを“釘バット”と呼べばいいんじゃないかしら?」みたいな。

明るくサッパリとした性格で、
わりと思った事がすぐに口から溢れるタイプ。
恋人のライルとは幼い頃から結婚のをして来たが……。


ライル(17)
ユラルの遠縁にあたる平民の騎士。
ユラルと結婚する為になりふり構わず正騎士になり、なにふり構わず聖騎士になったが……。
細かい事は考えない、直感型タイプ。
脳筋。腹筋と同じく脳みそも六つに割れていると言われている。が、本人はそれを褒め言葉だと思っている。
ユラルの家に引き取られるまでスラムにいた為とにかく口が悪い。
そしてとにかくユラルが好き。




感想 416

あなたにおすすめの小説

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

私の願いは貴方の幸せです

mahiro
恋愛
「君、すごくいいね」 滅多に私のことを褒めることがないその人が初めて会った女の子を褒めている姿に、彼の興味が私から彼女に移ったのだと感じた。 私は2人の邪魔にならないよう出来るだけ早く去ることにしたのだが。

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。

いつも隣にいる

はなおくら
恋愛
心の感情を出すのが苦手なリチアには、婚約者がいた。婚約者には幼馴染がおり常にリチアの婚約者の後を追う幼馴染の姿を見ても羨ましいとは思えなかった。しかし次第に婚約者の気持ちを聞くうちに変わる自分がいたのだった。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?

未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」 膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。 彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。 「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」 魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。 一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。 家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。 そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。 ハッピーエンドです!

あなたの妻にはなりません

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。 彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。 幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。 彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。 悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。 彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。 あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。 悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。 「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」