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連載
さわこさんと、夏祭り その3
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HJネット小説大賞一次審査通過しました
イラスト:NOGI先生
今、お店の前にはラニィさんのお姿がございます。
そんなラニィさんのお姿を見つめながら、私の右手は無意識のうちにお塩を探していたのですが……いけませんいけません、私は慌てて、その手を引っ込めました。
「こんにちはラニィさん」
「ご、ご機嫌いかがかしら、さわこ……さん……」
私のあいさつに、ラニィさんは少し顎を引いた感じでお応えくださいました。
どこか引け目のある方がとる仕草とお見受けいたします。
……まぁ、そうならない方がどうかしているとは思います。
私はともかく、ジュチさん達中級酒場組合の皆様にあれだけの嫌がらせを行った方なのですもの。
……っと、いけませんいけません、また右手がお塩の入れ物を無意識に探しておりました。
ラニィさんは私の前で非常に言いにくそうに、何度も何度も口ごもられた後、ようやく口を開かれました。
「……あの……あの、ね……その……今更言っても信じてもらえないと思うけどね……あそこまでする気はなかったの……」
「はい?」
「……その……さわこさんってばね、すごく美味しい料理を作っていらしたじゃない……だからね、私、なんとしてもね、あなたに私の仲間に加わって頂きたかったのですわ……」
ラニィさんは、そこで一度顔を左右に振られました。
「……いえ、違うわ……うん……違うの……私がね、あなたのお仲間に加えていただきたかったの……あなたと仲良くなりたかったの……」
「え?」
「その上でね、さわこさんの料理を教えて頂きたいと思ったのですわ……ただ……私、ああいった時にどう言ったらいいのかよくわからなくて……それで悩んでいたところにね、あのポルテントチップ商会のポルテントチーネが声をかけてきたのですわ……『私達にお任せくだされば、万事うまくいくように取り計らって見せますわ』って言ってくれたものですから私はその言葉を信じたのですけど……まさかあそこまでのことをしていたなんて……」
「……でも、ラニィさんは、1週間後にお越しになられたときに、ジュチさんに『店じまいの準備』などと言われていたではありませんか?」
「あれはポルテントチーネから『あいつらが仕入れに困るようにちょっと細工をしといたわ』って聞いていましたから、その流れで、ですわ……中級酒場組合の皆に少し嫌がらせをすれば、その嫌がらせを辞めさせるためにさわこさんが私の言うことを聞いてくださるかと思ってもいましたので……今更何を言っても信じてもらえないとは思いますの。でもね、市場の野菜をすべて買い占めたり、お酒まですべて買い占めるなんてことをしていたなんて、私は知らなかったのですわ……」
そう言うと、ラニィさんは肩を落としてしまいました。
この様子を私の背後から見つめておられたバテアさんが、ここで笑いはじめました。
「あんた、好きな子の気を引きたいからって嫌がらせする幼子みたいなことをしていたってわけね……ま、あんたの話を言葉通りにとるわけがない、ってのも、わかってるわよね?」
「それは……百も承知ですわ」
「で? あんたは何しにここにきたわけ?」
バテアさんの言葉を聞いたラニィさんは、改めて私の顔へ視線を向けると口を真一文字に結ばれました。
◇◇
翌日になりました。
今夜から夏祭りが開催されております。
私の「居酒屋さわこさんの出店」は中央広場一角にお店を構えさせていただいております。
私の出店でお出ししているのは焼き鳥やマウントボアのお肉などの串焼き類と、日本酒でございます。
この屋台は、私とバテアさんで切り盛りしております。
そして、リンシンさん、アミリアさんとエミリア、和音とワノンさんはいつもは中級酒場組合の皆さんが出店を構えておられた場所に屋台を出しておられます。
リンシンさんは肉じゃがうどんの屋台を切り盛りなさっておられます。
居酒屋さわこさんのお店でお出ししている肉じゃがを、だし汁を多めにして作成いたしましてその中におうどんをいれたものでございます。
容器は、私の世界で販売しているプラスティック容器を使用してもらっております。
アミリアさんには金魚すくいの屋台を、
エミリアには綿菓子の屋台を、
和音にはかき氷の屋台を、
ワノンさんには射的の屋台を、
それぞれ切り盛りしてもらっております。
それぞれの屋台は基本1人で1屋台を受け持ってもらっていますので人手は最小限ですんでいます。
今回の夏祭りでは、この要領で、1品だけ扱っている・食べ物以外の屋台を大量に準備いたしまして、いつも中級酒場組合の皆様が出店を構えておられた一帯を埋めていった次第です。
鯛焼きの屋台は、私が作り方をレクチャーさせていただきましたジュチさんが切り盛りなさっておられまして、このように、中級酒場組合の皆様もご自分のお店の出店以外にも小規模な屋台を何軒かずつ受け持ってくださっておられます。
調理を必要としない、輪投げや、お面販売といった屋台は、居酒屋さわこさんの常連客でございますジューイさんやツカーサさん達に手伝って頂いている次第です。
「や~、わさこ~、この髪飾りなんか可愛いね~ピカピカ光ってて楽しいよ~」
頭に星型の飾りがついているヘアバンドをはめたツカーサさんが楽しそうに笑いながら私のお店に顔をだされました。
このヘアバンドは星の部分が電池で七色に明滅するんです。
「最近の流行らしいからの、もってけ」
善治郎さんがそう言って持たせてくださった品なのですが、お客様にも大変好評のようでしてツカーサさんと同じヘアバンドをしたお子さんの姿をたくさんみかけている次第です。
屋台を受け持っておられる皆さんは、こうして時々交代しながらお祭りも楽しまれておられるのですが、その交代要員を努めてくださっているのが上級酒場組合の……いえ、元上級酒場組合の皆様なんです。
昨日、私の元にいらしたラニィさんは、
「衛兵の調査も終わりましたので、正式に謝罪にまいりましたの……本当に申し訳ありませんでした」
そう言って深々と頭をさげてくださったのです。
ラニィさんは、今回の一件を引き起こし上級酒場組合の全店舗の営業停止という前代未聞の事態を引き起こした張本人として、上級酒場組合を追放されてしまったのだそうです。
ラニィさんはかなり大きなお店を経営なさっていたそうなのですが、その経営権も取り上げられてしまい、お店まで取り上げられてしまったのだそうです。
こと、ここに至ってラニィさんは、ご自分が引き起こしてしまったことの重大さに気が付かれたそうで、いてもたってもいられなくなり、こうして謝罪に来てくださったのだそうです。
そのお話をお聞きした後、私はラニィさんと一緒にジュチさん達中級酒場組合の皆さんの元を訪れました。
ラニィさんは、そこでも深々と頭を下げて謝罪をなさいました。
その上で、私はジュチさん達中級酒場組合の皆さんに、
「ラニィさんにも夏祭りのお店を手伝って頂いてはいかがでしょうか?」
そう申し出たのでございます。
ジュチさんは、ラニィさんと一緒に上級酒場組合を解雇された社員の皆様20人近くと一緒に途方に暮れておられましたので、その皆様で、今回の夏祭りのお手伝いをして頂けたらどうかな、と思った次第なのです。
「おいおいさわこ、いくらなんでもいきなり信用するのか、このラニィをよぉ」
ジュチさんを始め、多くの中級酒場組合の皆さんが、最初私の提案に難色を示されたのですが、
「ラニィさんはご丁寧に謝罪してくださったのです。私は信じたいと思います」
私がそう申しましたところ、
「わかった、さわこがそう言うのなら、アタシも信じる」
ジュチさんがそう言って態度を一変させてくださいました。
そのおかげで、他の中級酒場組合の皆様も私の提案を了承してくださったのでございます。
実際問題といたしまして、少人数で切り盛りできる屋台の数は確保いたしましたけど、人手は限りなく足りておりませんでしたので、この話は渡りに船といえなくもなかったわけでございます。
そんな中、ラニィさんは会場内のゴミ拾いを率先して行っておられます。
この夏祭りで一番大変なお仕事なのですが、ラニィさんは
「ぜひ、私にやらせていただきたいですわ」
自らそう申し出てくださったのです。
今も、ラニィさんは食べ終えた容器を手になさっているみなさんからそのゴミを受け取っては手に持っているゴミ袋の中にそれを入れていったり、道ばたに落ちているゴミを拾ってはゴミ袋に……その作業を繰り返しておられます。
「……みんな頑張っているんですもの、私も頑張りませんと」
私は、たすき掛けしている着物の紐を締め直しまして、
「さぁ、美味しい串焼きはいかがですかぁ? 美味しいお酒もございますよぉ」
そう、声をあげていきました。
ーつづく
イラスト:NOGI先生
今、お店の前にはラニィさんのお姿がございます。
そんなラニィさんのお姿を見つめながら、私の右手は無意識のうちにお塩を探していたのですが……いけませんいけません、私は慌てて、その手を引っ込めました。
「こんにちはラニィさん」
「ご、ご機嫌いかがかしら、さわこ……さん……」
私のあいさつに、ラニィさんは少し顎を引いた感じでお応えくださいました。
どこか引け目のある方がとる仕草とお見受けいたします。
……まぁ、そうならない方がどうかしているとは思います。
私はともかく、ジュチさん達中級酒場組合の皆様にあれだけの嫌がらせを行った方なのですもの。
……っと、いけませんいけません、また右手がお塩の入れ物を無意識に探しておりました。
ラニィさんは私の前で非常に言いにくそうに、何度も何度も口ごもられた後、ようやく口を開かれました。
「……あの……あの、ね……その……今更言っても信じてもらえないと思うけどね……あそこまでする気はなかったの……」
「はい?」
「……その……さわこさんってばね、すごく美味しい料理を作っていらしたじゃない……だからね、私、なんとしてもね、あなたに私の仲間に加わって頂きたかったのですわ……」
ラニィさんは、そこで一度顔を左右に振られました。
「……いえ、違うわ……うん……違うの……私がね、あなたのお仲間に加えていただきたかったの……あなたと仲良くなりたかったの……」
「え?」
「その上でね、さわこさんの料理を教えて頂きたいと思ったのですわ……ただ……私、ああいった時にどう言ったらいいのかよくわからなくて……それで悩んでいたところにね、あのポルテントチップ商会のポルテントチーネが声をかけてきたのですわ……『私達にお任せくだされば、万事うまくいくように取り計らって見せますわ』って言ってくれたものですから私はその言葉を信じたのですけど……まさかあそこまでのことをしていたなんて……」
「……でも、ラニィさんは、1週間後にお越しになられたときに、ジュチさんに『店じまいの準備』などと言われていたではありませんか?」
「あれはポルテントチーネから『あいつらが仕入れに困るようにちょっと細工をしといたわ』って聞いていましたから、その流れで、ですわ……中級酒場組合の皆に少し嫌がらせをすれば、その嫌がらせを辞めさせるためにさわこさんが私の言うことを聞いてくださるかと思ってもいましたので……今更何を言っても信じてもらえないとは思いますの。でもね、市場の野菜をすべて買い占めたり、お酒まですべて買い占めるなんてことをしていたなんて、私は知らなかったのですわ……」
そう言うと、ラニィさんは肩を落としてしまいました。
この様子を私の背後から見つめておられたバテアさんが、ここで笑いはじめました。
「あんた、好きな子の気を引きたいからって嫌がらせする幼子みたいなことをしていたってわけね……ま、あんたの話を言葉通りにとるわけがない、ってのも、わかってるわよね?」
「それは……百も承知ですわ」
「で? あんたは何しにここにきたわけ?」
バテアさんの言葉を聞いたラニィさんは、改めて私の顔へ視線を向けると口を真一文字に結ばれました。
◇◇
翌日になりました。
今夜から夏祭りが開催されております。
私の「居酒屋さわこさんの出店」は中央広場一角にお店を構えさせていただいております。
私の出店でお出ししているのは焼き鳥やマウントボアのお肉などの串焼き類と、日本酒でございます。
この屋台は、私とバテアさんで切り盛りしております。
そして、リンシンさん、アミリアさんとエミリア、和音とワノンさんはいつもは中級酒場組合の皆さんが出店を構えておられた場所に屋台を出しておられます。
リンシンさんは肉じゃがうどんの屋台を切り盛りなさっておられます。
居酒屋さわこさんのお店でお出ししている肉じゃがを、だし汁を多めにして作成いたしましてその中におうどんをいれたものでございます。
容器は、私の世界で販売しているプラスティック容器を使用してもらっております。
アミリアさんには金魚すくいの屋台を、
エミリアには綿菓子の屋台を、
和音にはかき氷の屋台を、
ワノンさんには射的の屋台を、
それぞれ切り盛りしてもらっております。
それぞれの屋台は基本1人で1屋台を受け持ってもらっていますので人手は最小限ですんでいます。
今回の夏祭りでは、この要領で、1品だけ扱っている・食べ物以外の屋台を大量に準備いたしまして、いつも中級酒場組合の皆様が出店を構えておられた一帯を埋めていった次第です。
鯛焼きの屋台は、私が作り方をレクチャーさせていただきましたジュチさんが切り盛りなさっておられまして、このように、中級酒場組合の皆様もご自分のお店の出店以外にも小規模な屋台を何軒かずつ受け持ってくださっておられます。
調理を必要としない、輪投げや、お面販売といった屋台は、居酒屋さわこさんの常連客でございますジューイさんやツカーサさん達に手伝って頂いている次第です。
「や~、わさこ~、この髪飾りなんか可愛いね~ピカピカ光ってて楽しいよ~」
頭に星型の飾りがついているヘアバンドをはめたツカーサさんが楽しそうに笑いながら私のお店に顔をだされました。
このヘアバンドは星の部分が電池で七色に明滅するんです。
「最近の流行らしいからの、もってけ」
善治郎さんがそう言って持たせてくださった品なのですが、お客様にも大変好評のようでしてツカーサさんと同じヘアバンドをしたお子さんの姿をたくさんみかけている次第です。
屋台を受け持っておられる皆さんは、こうして時々交代しながらお祭りも楽しまれておられるのですが、その交代要員を努めてくださっているのが上級酒場組合の……いえ、元上級酒場組合の皆様なんです。
昨日、私の元にいらしたラニィさんは、
「衛兵の調査も終わりましたので、正式に謝罪にまいりましたの……本当に申し訳ありませんでした」
そう言って深々と頭をさげてくださったのです。
ラニィさんは、今回の一件を引き起こし上級酒場組合の全店舗の営業停止という前代未聞の事態を引き起こした張本人として、上級酒場組合を追放されてしまったのだそうです。
ラニィさんはかなり大きなお店を経営なさっていたそうなのですが、その経営権も取り上げられてしまい、お店まで取り上げられてしまったのだそうです。
こと、ここに至ってラニィさんは、ご自分が引き起こしてしまったことの重大さに気が付かれたそうで、いてもたってもいられなくなり、こうして謝罪に来てくださったのだそうです。
そのお話をお聞きした後、私はラニィさんと一緒にジュチさん達中級酒場組合の皆さんの元を訪れました。
ラニィさんは、そこでも深々と頭を下げて謝罪をなさいました。
その上で、私はジュチさん達中級酒場組合の皆さんに、
「ラニィさんにも夏祭りのお店を手伝って頂いてはいかがでしょうか?」
そう申し出たのでございます。
ジュチさんは、ラニィさんと一緒に上級酒場組合を解雇された社員の皆様20人近くと一緒に途方に暮れておられましたので、その皆様で、今回の夏祭りのお手伝いをして頂けたらどうかな、と思った次第なのです。
「おいおいさわこ、いくらなんでもいきなり信用するのか、このラニィをよぉ」
ジュチさんを始め、多くの中級酒場組合の皆さんが、最初私の提案に難色を示されたのですが、
「ラニィさんはご丁寧に謝罪してくださったのです。私は信じたいと思います」
私がそう申しましたところ、
「わかった、さわこがそう言うのなら、アタシも信じる」
ジュチさんがそう言って態度を一変させてくださいました。
そのおかげで、他の中級酒場組合の皆様も私の提案を了承してくださったのでございます。
実際問題といたしまして、少人数で切り盛りできる屋台の数は確保いたしましたけど、人手は限りなく足りておりませんでしたので、この話は渡りに船といえなくもなかったわけでございます。
そんな中、ラニィさんは会場内のゴミ拾いを率先して行っておられます。
この夏祭りで一番大変なお仕事なのですが、ラニィさんは
「ぜひ、私にやらせていただきたいですわ」
自らそう申し出てくださったのです。
今も、ラニィさんは食べ終えた容器を手になさっているみなさんからそのゴミを受け取っては手に持っているゴミ袋の中にそれを入れていったり、道ばたに落ちているゴミを拾ってはゴミ袋に……その作業を繰り返しておられます。
「……みんな頑張っているんですもの、私も頑張りませんと」
私は、たすき掛けしている着物の紐を締め直しまして、
「さぁ、美味しい串焼きはいかがですかぁ? 美味しいお酒もございますよぉ」
そう、声をあげていきました。
ーつづく
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