189 / 343
連載
さわこさんと、お鍋とお酒と
しおりを挟む
居酒屋さわこさんの一角には、お座敷席が出来ています。
今のところ1組分のこじんまりとしたお座敷ですが、そこにはコタツを設置しております。
掘り式になっていますので、コタツに入ると椅子に座る感覚でコタツに入ることが出来るようになっています。
横長のコタツですので、一面に2人、両面で4人座ることが出来ます。
無理をして詰めれば、あと1人ずつ、合計6人くらい入れないこともございません。
この世界には、こういったお座敷席は存在していないそうです。
そのため、このお座敷席を見たお客様達は
「ほぉ、なんかおもしろい席だね」
「へぇ、コタツねぇ、はじめて聞くな」
最初は、だいたいそんな感じで、珍しそうにコタツを眺められるのですが……
これが、一度でもこのコタツに入られますと、
「うわぁ……あったかい……」
「足が……生き返るぅ」
皆さん例外なく、コタツの中の暖かさに魅了されまして、その顔にとろけたような表情を浮かべられまして、同時にコタツの中に少しでも体をいれようとなさりながら、背中を丸めて腕をコタツの中にいれようとなさるのです。
そんなお客様の姿を見た別のお客様がですね
「……なんだか、すごく気持ちよさそうだな」
「……は、はやく空かないかな」
そんな言葉を口になさりながら、お座敷を利用なさっている皆様が、席を立たれるのを今か今かと待たれている……そんな光景がお店の中で繰り広げられることが、多くなり始めている次第でございます。
やはりあれですね、
居酒屋さわこさんの店内も、魔石で暖かくしてありますし、お店の中央ではだるまストーブをつけておりますのでそれなりに暖かくしてあるのですが、お客様がお店を出入りなさる際に、扉が開閉されますので、時折冷たい空気が室内にはいってくることがございます。
それもあってでしょうか、余計にコタツ席が人気になっているのかもしれませんね。
◇◇
そんな中、居酒屋さわこさんでは暖かなメニューが大人気となっております。
やはり外が寒いですからね。
その寒い中をわざわざお越しくださった皆様は、まず、だるまストーブの上で燗しております日本酒で暖を取られた後、
「さわこさん、寄せ鍋をもらえるかな」
「こっちはデラマウントボア鍋を頼むよ」
そんな感じで、お鍋を御注文くださるお客様がとても多くなっております。
居酒屋さわこさんの人気定番メニューでございます、
クッカドゥウドルの焼き鳥
デラマウントボアの串焼き
和風すうぷかれぇ
それらを抑えて、今では居酒屋さわこさんの一番人気メニューになっている次第でございます。
最近人気になっているのが雪見鍋でございます。
大根もどきなこちらの世界の野菜、ダルイコンをおろしたものを雪に見立ててお鍋の上にどっさりのせたお鍋なのですが、
「へぇ、ホントに白いね」
「これを雪にみたててるんだ。なんかいいね」
そんな感じでお客様の間にあっというまに浸透していきまして、今ではお鍋の中で一番注文が多くなっている次第でございます。
このお鍋には、綿屋の特別本醸造 華を一緒に提供させていただいております。
このお酒は辛口ですが、とても優しい味のお酒です。
雪見鍋は、ダルイコンおろしがのっている関係で薄味になっているのですが、その味に勝ることなく、むしろその味をさらに際立たせてくれる、そんなお酒なんです。
燗すると、とても口当たりがいいものですから、ついつい飲み過ぎてしまうお客様が続出している次第でございます。
他のお鍋を御注文くださった皆様には、旭菊の特別純米酒、綾花をお勧めしております。
このお酒は、味わえば味わうほど深い旨みを感じることが出来る、そんなお酒でございます。
鍋の味をさらに深めてくれる、そんなお酒でございます。
いずれも燗して提供させていただいております。
そのため、お客様にお酒を提供してくださっているバテアさんも、その手に燗した徳利を持ってお客様の間を歩いておられます。
以前は一升瓶を手になさっていたバテアさん。
その分、量が多かったものですが、今のように徳利になりますと、その量が少なくなってしまっているわけです。
そのため、すぐに徳利が空になってしまい
「さわこぉ、次の徳利、準備出来てる?」
そう言いながら、私のもと燗したお酒を取りに戻ってこられます。
「はいはい、も、もう少しお待ちくださいね」
ダルイコンをおろす手を一度止めて、私は、魔石コンロにかけた鍋の中で燗している徳利を確認していきます。
この燗がなかなか難しいのです。
魔石コンロの温度を最大にすれば、鍋のお湯も沸騰してすぐにお酒もあったまります。
ですが
そうしてしまいますとお酒が熱くなりすぎます。
それでは、酒の旨みまでとんでしまいます。
燗は人肌
その言葉のとおりに、お鍋のお湯の温度は人肌よりもやや熱めに維持し、徳利の中のお酒が人肌に燗されるようにしないといけません。
その分、お酒がいい塩梅に燗出来るまでには少々時間がかかってしまうわけです。
サービスで提供させて頂いているだるまストーブの上のお酒は少し熱めになってしまい少々味が落ちているのですが、そこはサービス品ということでご勘弁願っている次第です。
私とバテアさんは、休みなく徳利の準備をしては、お客様にそれを提供しております。
大変ではありますけれども、そのお酒を口になさったお客様が
「うん、うまい!」
お猪口でお酒を飲み干されてそう言ってくださると、その苦労がすべて報われる思いがいたします。
◇◇
「はぁ、今日も忙しかったですねぇ」
居酒屋さわこさんが閉店し、片付け作業を終えた私は、居酒屋さわこさんの上の階、バテアさんの巨木の家の2階にございますリビングのコタツの中に足を突っ込んで、笑顔を浮かべていました。
はい、笑顔です。
居酒屋をしている者にとって、忙しさを実感出来るのは喜ばしいことですからね。
「ふふ、さわこってば、忙しいといいながら嬉しそうじゃない。まぁ、気持ちはわかるけどね」
バテアさんは、そんな私を見つめながら笑顔を浮かべておいでです。
「はい、やっぱり忙しいのはうれしいですね」
私も、笑顔でバテアさんに笑い返しました。
そんな私の横では、ベルが牙猫姿のまま眠っています。
牙猫なのですが、丸くならずに、その体をまっすぐにしてコタツに入っているベル。
なんだか、不思議な格好ですね。
ちなみに、エンジェさんはベッドの上で寝息をたてています。
今日は、居酒屋さわこさんが開店して1時間くらいで寝入ってしまったエンジェさん。
ですが、エンジェさんは今日も朝一番からエンジン全開で頑張ってくださっていましたからね。
むしろ、その状態でよくあの時間まで頑張ってくれました、と、お礼を言いたいくらいです。
私の向かい側にリンシンさんが座っておられるのですが、すでにリンシンさんはコタツの中に入れるようにしてお布団を敷いておられます。
敷布団の上に座り、膝の上に掛け布団をのせた状態のリンシンさんは、いつものように両手で日本酒の入ったグラスを抱えながら、その中の日本酒をチビチビ舐めるようにして飲まれています。
掛け布団をひっぱりながら横になれば、そのまますぐに寝ることが出来る格好です。
今ではリンシンさんも、それくらいコタツのことがお気に入りなんです
私やバテアさんがベッドに移動すると、ベルがリンシンさんの布団の中に移動していくのが常でございます。
「まだまだ寒くなりますかね?」
「そうね、今年はまだまだ寒くなりそうね」
私とバテアさんは、そんな会話を交わしながら、お酒を酌み交わしています。
特に大きな意味はございません。
たわいもない会話を、のんびり交わしていく……そんな時間が、私は大好きです。
飲み過ぎて、服を脱いでしまわないように気をつけないといけないんですけどね。
ーつづく
今のところ1組分のこじんまりとしたお座敷ですが、そこにはコタツを設置しております。
掘り式になっていますので、コタツに入ると椅子に座る感覚でコタツに入ることが出来るようになっています。
横長のコタツですので、一面に2人、両面で4人座ることが出来ます。
無理をして詰めれば、あと1人ずつ、合計6人くらい入れないこともございません。
この世界には、こういったお座敷席は存在していないそうです。
そのため、このお座敷席を見たお客様達は
「ほぉ、なんかおもしろい席だね」
「へぇ、コタツねぇ、はじめて聞くな」
最初は、だいたいそんな感じで、珍しそうにコタツを眺められるのですが……
これが、一度でもこのコタツに入られますと、
「うわぁ……あったかい……」
「足が……生き返るぅ」
皆さん例外なく、コタツの中の暖かさに魅了されまして、その顔にとろけたような表情を浮かべられまして、同時にコタツの中に少しでも体をいれようとなさりながら、背中を丸めて腕をコタツの中にいれようとなさるのです。
そんなお客様の姿を見た別のお客様がですね
「……なんだか、すごく気持ちよさそうだな」
「……は、はやく空かないかな」
そんな言葉を口になさりながら、お座敷を利用なさっている皆様が、席を立たれるのを今か今かと待たれている……そんな光景がお店の中で繰り広げられることが、多くなり始めている次第でございます。
やはりあれですね、
居酒屋さわこさんの店内も、魔石で暖かくしてありますし、お店の中央ではだるまストーブをつけておりますのでそれなりに暖かくしてあるのですが、お客様がお店を出入りなさる際に、扉が開閉されますので、時折冷たい空気が室内にはいってくることがございます。
それもあってでしょうか、余計にコタツ席が人気になっているのかもしれませんね。
◇◇
そんな中、居酒屋さわこさんでは暖かなメニューが大人気となっております。
やはり外が寒いですからね。
その寒い中をわざわざお越しくださった皆様は、まず、だるまストーブの上で燗しております日本酒で暖を取られた後、
「さわこさん、寄せ鍋をもらえるかな」
「こっちはデラマウントボア鍋を頼むよ」
そんな感じで、お鍋を御注文くださるお客様がとても多くなっております。
居酒屋さわこさんの人気定番メニューでございます、
クッカドゥウドルの焼き鳥
デラマウントボアの串焼き
和風すうぷかれぇ
それらを抑えて、今では居酒屋さわこさんの一番人気メニューになっている次第でございます。
最近人気になっているのが雪見鍋でございます。
大根もどきなこちらの世界の野菜、ダルイコンをおろしたものを雪に見立ててお鍋の上にどっさりのせたお鍋なのですが、
「へぇ、ホントに白いね」
「これを雪にみたててるんだ。なんかいいね」
そんな感じでお客様の間にあっというまに浸透していきまして、今ではお鍋の中で一番注文が多くなっている次第でございます。
このお鍋には、綿屋の特別本醸造 華を一緒に提供させていただいております。
このお酒は辛口ですが、とても優しい味のお酒です。
雪見鍋は、ダルイコンおろしがのっている関係で薄味になっているのですが、その味に勝ることなく、むしろその味をさらに際立たせてくれる、そんなお酒なんです。
燗すると、とても口当たりがいいものですから、ついつい飲み過ぎてしまうお客様が続出している次第でございます。
他のお鍋を御注文くださった皆様には、旭菊の特別純米酒、綾花をお勧めしております。
このお酒は、味わえば味わうほど深い旨みを感じることが出来る、そんなお酒でございます。
鍋の味をさらに深めてくれる、そんなお酒でございます。
いずれも燗して提供させていただいております。
そのため、お客様にお酒を提供してくださっているバテアさんも、その手に燗した徳利を持ってお客様の間を歩いておられます。
以前は一升瓶を手になさっていたバテアさん。
その分、量が多かったものですが、今のように徳利になりますと、その量が少なくなってしまっているわけです。
そのため、すぐに徳利が空になってしまい
「さわこぉ、次の徳利、準備出来てる?」
そう言いながら、私のもと燗したお酒を取りに戻ってこられます。
「はいはい、も、もう少しお待ちくださいね」
ダルイコンをおろす手を一度止めて、私は、魔石コンロにかけた鍋の中で燗している徳利を確認していきます。
この燗がなかなか難しいのです。
魔石コンロの温度を最大にすれば、鍋のお湯も沸騰してすぐにお酒もあったまります。
ですが
そうしてしまいますとお酒が熱くなりすぎます。
それでは、酒の旨みまでとんでしまいます。
燗は人肌
その言葉のとおりに、お鍋のお湯の温度は人肌よりもやや熱めに維持し、徳利の中のお酒が人肌に燗されるようにしないといけません。
その分、お酒がいい塩梅に燗出来るまでには少々時間がかかってしまうわけです。
サービスで提供させて頂いているだるまストーブの上のお酒は少し熱めになってしまい少々味が落ちているのですが、そこはサービス品ということでご勘弁願っている次第です。
私とバテアさんは、休みなく徳利の準備をしては、お客様にそれを提供しております。
大変ではありますけれども、そのお酒を口になさったお客様が
「うん、うまい!」
お猪口でお酒を飲み干されてそう言ってくださると、その苦労がすべて報われる思いがいたします。
◇◇
「はぁ、今日も忙しかったですねぇ」
居酒屋さわこさんが閉店し、片付け作業を終えた私は、居酒屋さわこさんの上の階、バテアさんの巨木の家の2階にございますリビングのコタツの中に足を突っ込んで、笑顔を浮かべていました。
はい、笑顔です。
居酒屋をしている者にとって、忙しさを実感出来るのは喜ばしいことですからね。
「ふふ、さわこってば、忙しいといいながら嬉しそうじゃない。まぁ、気持ちはわかるけどね」
バテアさんは、そんな私を見つめながら笑顔を浮かべておいでです。
「はい、やっぱり忙しいのはうれしいですね」
私も、笑顔でバテアさんに笑い返しました。
そんな私の横では、ベルが牙猫姿のまま眠っています。
牙猫なのですが、丸くならずに、その体をまっすぐにしてコタツに入っているベル。
なんだか、不思議な格好ですね。
ちなみに、エンジェさんはベッドの上で寝息をたてています。
今日は、居酒屋さわこさんが開店して1時間くらいで寝入ってしまったエンジェさん。
ですが、エンジェさんは今日も朝一番からエンジン全開で頑張ってくださっていましたからね。
むしろ、その状態でよくあの時間まで頑張ってくれました、と、お礼を言いたいくらいです。
私の向かい側にリンシンさんが座っておられるのですが、すでにリンシンさんはコタツの中に入れるようにしてお布団を敷いておられます。
敷布団の上に座り、膝の上に掛け布団をのせた状態のリンシンさんは、いつものように両手で日本酒の入ったグラスを抱えながら、その中の日本酒をチビチビ舐めるようにして飲まれています。
掛け布団をひっぱりながら横になれば、そのまますぐに寝ることが出来る格好です。
今ではリンシンさんも、それくらいコタツのことがお気に入りなんです
私やバテアさんがベッドに移動すると、ベルがリンシンさんの布団の中に移動していくのが常でございます。
「まだまだ寒くなりますかね?」
「そうね、今年はまだまだ寒くなりそうね」
私とバテアさんは、そんな会話を交わしながら、お酒を酌み交わしています。
特に大きな意味はございません。
たわいもない会話を、のんびり交わしていく……そんな時間が、私は大好きです。
飲み過ぎて、服を脱いでしまわないように気をつけないといけないんですけどね。
ーつづく
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。