219 / 343
連載
さわこさんと、とんど祭り その2
しおりを挟む
私の世界で開催されているとんど祭りの会場にやってきた、私、バテアさんをはじめとしたバテアさんの家に居候しているみんな。
ベルとエンジェさんはすっかりみなさんの人気者になっています。
ただ、エンジェさんは見た目の姿形こそ幼いのですが、かつて居酒屋酒話時代からお店のお客様を見つめ続けていた存在です。クリスマスの12月のみだったとはいえ、それが数年分積み重なっているものですから、とんど祭りの会場に集まっているお年寄りの皆さんのほとんどの顔を覚えているみたいでして、
「あら幸夫、もう腰の具合はいいの? 輝彦はずいぶん楽しそうね。一夫はもっと元気をださないと」
そんな感じで、お年寄りの方々一人一人に笑顔で話しかけていくもんですから、
「おかげさまで、腰はずいぶんよくなってるよ」
「なんだか嬉しいねぇ。年末ひゃっはーした甲斐があったってもんだなぁ」
「そうだね、まだまだ2人に負けるわけにはいかないしね」
みなさん嬉しそうにエンジェさんを囲んでいた次第なんです。
私的には、そのことに疑問をもたれて深く突っ込まれたらどうしようかとヒヤヒヤだったのですが……どうやらその心配はなさそうですね。
「ほれ、さわこちゃんもバテアちゃんも、それに他のみんなもこっちに来なさい」
善治郎さんが、笑顔で私達を手招きしてくださいました。
そこには机がありまして、ぜんざいや甘酒をつくっているお鍋がカセットコンロの上にのっかっています。
「おい、こっちのみんなにもぜんざいと甘酒、それにお餅を持ってきてくれ」
善治郎さんの言葉を合図にして、私達の周囲にお皿を手にしたお年寄りの皆さんが集まってこられました。
「さぁ、あったかいぜんざいだよ」
「甘酒も飲みなさい」
「きなこ餅はどうじゃ?」
「あべかわもあるぞ」
「団子もあるわよ」
皆さん、満面の笑顔で私達にお皿を差し出してくださっています。
その数があまりにも多すぎて、私達は思わずたじたじになってしまいまして……
「あ、ありがとうございます」
「みなさんすいませんねぇ」
「……ど、どうも」
「ありがと、ありがと」
と、それぞれお礼を言いながら、お皿を受け取っていったのですが、お皿を1つ受け取ると、また新たなお皿を手になさった方が寄って来てくださって、と……なんといいますか、まさにエンドレス状態でして……
でも……みなさん、すごく嬉しそうなんです。
その笑顔を拝見出来ただけでも、こうして出向いてきた甲斐があったって思えている私でした。
◇◇
「それにしても……」
きなこ餅を口に運びながら、バテアさんが周囲を見回しています。
この公園は、かなり大きくてですね、その周囲には住宅地やマンションなんかが林立しています。
「周囲にこんなに家があるのに、祭りの参加者が少ないのねぇ」
「まぁ、しょうがないわい」
バテアさんの言葉に、善治郎さんが苦笑なさっています。
「昔と違ってなぁ、こんな寒い日にわざわざ出てくる人も少なくなっててな……昔のように書き初めしたり、お飾りを飾る家も少なくなったしな。まぁ、そんなものなどお構いなしに、ただ遊びに来てくれるだけでも嬉しいんじゃが……」
そんな善治郎さんの言葉を聞いていたミリーネアさん。
「じゃあ、美味しい食べ物のお礼」
そう言うと、背負ってきていた三味線をおもむろに構えました。
ベベンベン
私の親友、和音直伝の三味線の音とともに、ミリーネアさんの歌声が周囲にひ引き渡り始めました・
♪ とんどのお祭~ 火の祭り~
♪ お餅にぜんざい、甘酒に~
消して大きくないミリーネアさんの歌声なのですが、その声は凜として静かに周囲に広がっていいます。
……すると
「……公園で何かやってるの?」
「なんだなんだ?」
周囲を行き交っていた人々が、ぞろぞろと公園の中に集まって来始めたのです。
それだけではありません。
周囲の住宅やマンションの窓があいて
「あら? 公園で何かしてるのね?」
「そういえば、今日ってとんど祭りだったっけ?」
そんな声が聞こえて来始めました。
程なくすると、公演の中は道を行き交っていた人々に加えて、周囲の住宅やマンションから集まってこられたみなさんでいっぱいになっていったのです。
ミリーネアさんの歌声には魅了の効果があるってバテアさんにお聞きしていましたけど……ちょっとその効果、すごすぎませんか?……
そんな事を思っている私の横で、
「おいおい、こりゃあ一体……」
その光景を見回しておられた善治郎さんをはじめとした、とんど祭りを取り仕切っておられる皆さんも、一様にその眼を丸くなさっています。
「ほらほら、ぼさっとしてないで接待しないと。せっかくみんな集まってくれたのよ」
バテアさんが笑いながら甘酒の入った紙コップを手にとってそれを周囲の皆さんに配り始めました。
リンシンさんも、お餅ののっている紙皿を配ってくださっています。
「じゃあ、私は甘酒の追加でもおつくりしましょうか?」
「あぁ、お願い出来るかい? まさかこんなに人が来るなんて思ってなかったから全然足りなくて」
「はい、お任せください」
カセットコンロのところで作業なさっていたおばあさんの横で、私は後方に置かれていた予備の鍋を準備していきました。
公園の中では、ベルが子供達と遊具で遊んでいる姿がありました。
エンジェさんはといいますと……
「たかしも昔は地毛だったのにね」
「いやぁ、それは言ってほしくなかったかなぁ」
お年寄りの皆さんに普通に混じって、昔話に華を咲かせています。
バテアさんは、皆さんに甘酒を配りながら、その炎に向かって魔法をはなっておいでです。
その魔法によって、炎が大きく膨らみ……それがまるで花火のように上空で散開しています。
それを見た皆さんは
「まぁ、綺麗」
「すごいすごい!」
一様に感嘆の声をあげておいででした。
会場内には、ミリーネアさんの三味線と歌声が流れています。
演奏し、歌っているミリーネアさんの周囲にも、多くのみなさんが集まってその演奏に聞き入っておいでです。
「この祭に、こんなに人が集まってくれるなんてなぁ……何年ぶりじゃろう」
そんな会場を見回しながら、善治郎さんは嬉しそうに笑顔をうかべておいでです。
その笑顔を見つめながら、私は、いつもお世話になっている善治郎さんのお役にたてたことを嬉しく思っていた次第です。
さぁ、私も皆さんに負けないように甘酒をしっかりお造りしませんと!
そう、気合いを入れ直した私は、お玉でお鍋の中身をかき混ぜていきました。
◇◇
この日の私達は、夕方近くまでお祭りにお邪魔していました。
「さ、あとの片付けはワシらにまかせて、さわこちゃん達はお帰り。なんか遠くから来てくれたんじゃろう?」
善治郎さんは笑顔でそう言ってくださっています。
そんな善治郎さんの前にいる私達は、みんな持ちきれないほどの大きな紙袋を手にしていました。
お餅や、お菓子が詰まった紙袋です。
私達のために、お年寄りの皆さんが準備してくださったものばかりです。
今日の会場に集まっておられたのは商店街のみなさんですので、ご自分のお店に戻ってわざわざ準備してきてくださったものばかりなんです。
「みんな、来年もぜひ来てね」
「来年と言わず、夏祭りにもな」
みなさん、そんな事を口になさりながら、笑顔で手を振ってくださっています。
そんなみなさんに、私達も笑顔で挨拶を返しながら、その場を後にしていきました。
帰り道。
「ニャ♪ お菓子がいっぱいニャ」
抱えている紙袋をの中身を覗き込みながら、ベルはご機嫌です。
「ベル、食べるのは帰ってからですよ」
「うん、わかったニャ」
ベルは笑顔で返事を返しました。
そんなベルを中心にして、私達は歩道を歩いていきました。
みんな笑顔だったのは言うまでもありません。
ーつづく
ベルとエンジェさんはすっかりみなさんの人気者になっています。
ただ、エンジェさんは見た目の姿形こそ幼いのですが、かつて居酒屋酒話時代からお店のお客様を見つめ続けていた存在です。クリスマスの12月のみだったとはいえ、それが数年分積み重なっているものですから、とんど祭りの会場に集まっているお年寄りの皆さんのほとんどの顔を覚えているみたいでして、
「あら幸夫、もう腰の具合はいいの? 輝彦はずいぶん楽しそうね。一夫はもっと元気をださないと」
そんな感じで、お年寄りの方々一人一人に笑顔で話しかけていくもんですから、
「おかげさまで、腰はずいぶんよくなってるよ」
「なんだか嬉しいねぇ。年末ひゃっはーした甲斐があったってもんだなぁ」
「そうだね、まだまだ2人に負けるわけにはいかないしね」
みなさん嬉しそうにエンジェさんを囲んでいた次第なんです。
私的には、そのことに疑問をもたれて深く突っ込まれたらどうしようかとヒヤヒヤだったのですが……どうやらその心配はなさそうですね。
「ほれ、さわこちゃんもバテアちゃんも、それに他のみんなもこっちに来なさい」
善治郎さんが、笑顔で私達を手招きしてくださいました。
そこには机がありまして、ぜんざいや甘酒をつくっているお鍋がカセットコンロの上にのっかっています。
「おい、こっちのみんなにもぜんざいと甘酒、それにお餅を持ってきてくれ」
善治郎さんの言葉を合図にして、私達の周囲にお皿を手にしたお年寄りの皆さんが集まってこられました。
「さぁ、あったかいぜんざいだよ」
「甘酒も飲みなさい」
「きなこ餅はどうじゃ?」
「あべかわもあるぞ」
「団子もあるわよ」
皆さん、満面の笑顔で私達にお皿を差し出してくださっています。
その数があまりにも多すぎて、私達は思わずたじたじになってしまいまして……
「あ、ありがとうございます」
「みなさんすいませんねぇ」
「……ど、どうも」
「ありがと、ありがと」
と、それぞれお礼を言いながら、お皿を受け取っていったのですが、お皿を1つ受け取ると、また新たなお皿を手になさった方が寄って来てくださって、と……なんといいますか、まさにエンドレス状態でして……
でも……みなさん、すごく嬉しそうなんです。
その笑顔を拝見出来ただけでも、こうして出向いてきた甲斐があったって思えている私でした。
◇◇
「それにしても……」
きなこ餅を口に運びながら、バテアさんが周囲を見回しています。
この公園は、かなり大きくてですね、その周囲には住宅地やマンションなんかが林立しています。
「周囲にこんなに家があるのに、祭りの参加者が少ないのねぇ」
「まぁ、しょうがないわい」
バテアさんの言葉に、善治郎さんが苦笑なさっています。
「昔と違ってなぁ、こんな寒い日にわざわざ出てくる人も少なくなっててな……昔のように書き初めしたり、お飾りを飾る家も少なくなったしな。まぁ、そんなものなどお構いなしに、ただ遊びに来てくれるだけでも嬉しいんじゃが……」
そんな善治郎さんの言葉を聞いていたミリーネアさん。
「じゃあ、美味しい食べ物のお礼」
そう言うと、背負ってきていた三味線をおもむろに構えました。
ベベンベン
私の親友、和音直伝の三味線の音とともに、ミリーネアさんの歌声が周囲にひ引き渡り始めました・
♪ とんどのお祭~ 火の祭り~
♪ お餅にぜんざい、甘酒に~
消して大きくないミリーネアさんの歌声なのですが、その声は凜として静かに周囲に広がっていいます。
……すると
「……公園で何かやってるの?」
「なんだなんだ?」
周囲を行き交っていた人々が、ぞろぞろと公園の中に集まって来始めたのです。
それだけではありません。
周囲の住宅やマンションの窓があいて
「あら? 公園で何かしてるのね?」
「そういえば、今日ってとんど祭りだったっけ?」
そんな声が聞こえて来始めました。
程なくすると、公演の中は道を行き交っていた人々に加えて、周囲の住宅やマンションから集まってこられたみなさんでいっぱいになっていったのです。
ミリーネアさんの歌声には魅了の効果があるってバテアさんにお聞きしていましたけど……ちょっとその効果、すごすぎませんか?……
そんな事を思っている私の横で、
「おいおい、こりゃあ一体……」
その光景を見回しておられた善治郎さんをはじめとした、とんど祭りを取り仕切っておられる皆さんも、一様にその眼を丸くなさっています。
「ほらほら、ぼさっとしてないで接待しないと。せっかくみんな集まってくれたのよ」
バテアさんが笑いながら甘酒の入った紙コップを手にとってそれを周囲の皆さんに配り始めました。
リンシンさんも、お餅ののっている紙皿を配ってくださっています。
「じゃあ、私は甘酒の追加でもおつくりしましょうか?」
「あぁ、お願い出来るかい? まさかこんなに人が来るなんて思ってなかったから全然足りなくて」
「はい、お任せください」
カセットコンロのところで作業なさっていたおばあさんの横で、私は後方に置かれていた予備の鍋を準備していきました。
公園の中では、ベルが子供達と遊具で遊んでいる姿がありました。
エンジェさんはといいますと……
「たかしも昔は地毛だったのにね」
「いやぁ、それは言ってほしくなかったかなぁ」
お年寄りの皆さんに普通に混じって、昔話に華を咲かせています。
バテアさんは、皆さんに甘酒を配りながら、その炎に向かって魔法をはなっておいでです。
その魔法によって、炎が大きく膨らみ……それがまるで花火のように上空で散開しています。
それを見た皆さんは
「まぁ、綺麗」
「すごいすごい!」
一様に感嘆の声をあげておいででした。
会場内には、ミリーネアさんの三味線と歌声が流れています。
演奏し、歌っているミリーネアさんの周囲にも、多くのみなさんが集まってその演奏に聞き入っておいでです。
「この祭に、こんなに人が集まってくれるなんてなぁ……何年ぶりじゃろう」
そんな会場を見回しながら、善治郎さんは嬉しそうに笑顔をうかべておいでです。
その笑顔を見つめながら、私は、いつもお世話になっている善治郎さんのお役にたてたことを嬉しく思っていた次第です。
さぁ、私も皆さんに負けないように甘酒をしっかりお造りしませんと!
そう、気合いを入れ直した私は、お玉でお鍋の中身をかき混ぜていきました。
◇◇
この日の私達は、夕方近くまでお祭りにお邪魔していました。
「さ、あとの片付けはワシらにまかせて、さわこちゃん達はお帰り。なんか遠くから来てくれたんじゃろう?」
善治郎さんは笑顔でそう言ってくださっています。
そんな善治郎さんの前にいる私達は、みんな持ちきれないほどの大きな紙袋を手にしていました。
お餅や、お菓子が詰まった紙袋です。
私達のために、お年寄りの皆さんが準備してくださったものばかりです。
今日の会場に集まっておられたのは商店街のみなさんですので、ご自分のお店に戻ってわざわざ準備してきてくださったものばかりなんです。
「みんな、来年もぜひ来てね」
「来年と言わず、夏祭りにもな」
みなさん、そんな事を口になさりながら、笑顔で手を振ってくださっています。
そんなみなさんに、私達も笑顔で挨拶を返しながら、その場を後にしていきました。
帰り道。
「ニャ♪ お菓子がいっぱいニャ」
抱えている紙袋をの中身を覗き込みながら、ベルはご機嫌です。
「ベル、食べるのは帰ってからですよ」
「うん、わかったニャ」
ベルは笑顔で返事を返しました。
そんなベルを中心にして、私達は歩道を歩いていきました。
みんな笑顔だったのは言うまでもありません。
ーつづく
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。