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悪魔に魅せられた男
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今から半年前にアメリカ、日本、ロシア、中国、ドイツでの大規模テロを皮切りにして各国が隠していた世界にとって都合の悪い現象が世界に放出されてしまった。
それは妖怪、悪魔、魔女etc…。名前は様々だがいままで伝承だとか物語だとかで語られていた魑魅魍魎の存在だった。
そしてその大規模テロの声明を出したのが空亡と自称する男だった。
「我々は革命を起こす。この人間のためだけの世界に!」
そう宣言空亡は次々と軍や行政の施設を妖怪とやらの力を使って破壊活動をしている。らしい。
「らしい。」というのも俺はそんな世界全体の事に興味は無く、今重要なのは目の前で怒り狂っている上司をどう鎮めるかだ。
事の発端も最早思い出せない。何ヵ月も前から何かある度にこの調子で理不尽な叱責をしてくるようになった。
「おい!聞いてるのか!土下座しろといっているんだ!!」
上司が頭を押さえつけて俺の頭を地面に擦り付けようとしてくる。
それは言ってはならないことだった、やってはならないことだった。この理不尽な叱責も無駄にやらされるサービス残業もまあそう言うこともあると許そう。
だが、今こいつは俺の誇りを貶し、人間性を奪おうとしている。
忘れていた。自分の原点を忘れていたのだ。何となくで生きてしまうのは悪い癖だとわかっていた。だがその何となくで自らの柱としたものを失くすところだった。
これは……怒りだ。俺は自らの誇りを奪おうとする敵に対して抱いた燃えるような感情。
最早許す道は……無い。
深夜、街頭に照らされた公園のベンチ。スーツ姿で頭を抱える男が一人。誰であろう、俺である。
「やってしまった……。」
ついカっとなってやったとか精神的ストレスがどうとかとか俺のやったことを正当化しようとする心の声は幾らでも聞こえてくる。
だがこれは甘えだ。だが後悔はしていない。これは必要な事だったと思う。俺が誇れる俺でいるためにはきっとこれは無くてはならないことだった。
(だからと言って今後の人生投げちゃ駄目だよな……)
もうあの上司にネチネチと怒られ続けることはない。だが、次は警察にネチネチ追われる人生のスタートだ。
「こんなところで何をしているんだい?」
切れかけの街頭のチカチカとした光が遮られ話しかけられる。
「……っ!い、いやっ、特に何をしているわけでもなく疲れたから座っているだけなんだ気にしないでくれ」
全く気配がしなかった事件を起こしたばかりで気が動転していたとしてもこの至近距離に正面から近づいてきて気づかないなんて。
「いやそんな誤魔化さないでくれよ、君と僕との仲だろう?」
「何を言って……」
「人を。人を殺したんだね」
早すぎる、知られている。俺の罪が。
「困り果てている君を助けて上げよう」
影になっていてよくわからなかったがよく見ると……その顔は余りにも美しかった。
美しく透き通った肌、銀でできた髪、心見透かすような赤い瞳。そして、貼り付いたような笑みに全身の毛がよだつような感覚。
常人じゃない。いやこれは、人間じゃない。悪魔だ。
「君は感がいい。でも君は僕が差し出す手を払い除けることができないだろう?君の心の魔物がそれを許さない」
これは悪魔との契約だ。手を取れば人殺しよりも深い業を背負う事になるだろう。
だが悪魔が言う通り払い除けられない。
これは……好奇心だ。身を滅ぼすとわかっていても未知を知るために破滅の道に進んでしまう。
「心は決まったようだね、骨壺収斗。なら僕についてくるといい」
こうして俺は人の道を外れた。
後書き
ここまで見ていただきありがとうございます。
この物語は普通の物語で三下の敵ぐらいの奴が主人公となっております。
それは妖怪、悪魔、魔女etc…。名前は様々だがいままで伝承だとか物語だとかで語られていた魑魅魍魎の存在だった。
そしてその大規模テロの声明を出したのが空亡と自称する男だった。
「我々は革命を起こす。この人間のためだけの世界に!」
そう宣言空亡は次々と軍や行政の施設を妖怪とやらの力を使って破壊活動をしている。らしい。
「らしい。」というのも俺はそんな世界全体の事に興味は無く、今重要なのは目の前で怒り狂っている上司をどう鎮めるかだ。
事の発端も最早思い出せない。何ヵ月も前から何かある度にこの調子で理不尽な叱責をしてくるようになった。
「おい!聞いてるのか!土下座しろといっているんだ!!」
上司が頭を押さえつけて俺の頭を地面に擦り付けようとしてくる。
それは言ってはならないことだった、やってはならないことだった。この理不尽な叱責も無駄にやらされるサービス残業もまあそう言うこともあると許そう。
だが、今こいつは俺の誇りを貶し、人間性を奪おうとしている。
忘れていた。自分の原点を忘れていたのだ。何となくで生きてしまうのは悪い癖だとわかっていた。だがその何となくで自らの柱としたものを失くすところだった。
これは……怒りだ。俺は自らの誇りを奪おうとする敵に対して抱いた燃えるような感情。
最早許す道は……無い。
深夜、街頭に照らされた公園のベンチ。スーツ姿で頭を抱える男が一人。誰であろう、俺である。
「やってしまった……。」
ついカっとなってやったとか精神的ストレスがどうとかとか俺のやったことを正当化しようとする心の声は幾らでも聞こえてくる。
だがこれは甘えだ。だが後悔はしていない。これは必要な事だったと思う。俺が誇れる俺でいるためにはきっとこれは無くてはならないことだった。
(だからと言って今後の人生投げちゃ駄目だよな……)
もうあの上司にネチネチと怒られ続けることはない。だが、次は警察にネチネチ追われる人生のスタートだ。
「こんなところで何をしているんだい?」
切れかけの街頭のチカチカとした光が遮られ話しかけられる。
「……っ!い、いやっ、特に何をしているわけでもなく疲れたから座っているだけなんだ気にしないでくれ」
全く気配がしなかった事件を起こしたばかりで気が動転していたとしてもこの至近距離に正面から近づいてきて気づかないなんて。
「いやそんな誤魔化さないでくれよ、君と僕との仲だろう?」
「何を言って……」
「人を。人を殺したんだね」
早すぎる、知られている。俺の罪が。
「困り果てている君を助けて上げよう」
影になっていてよくわからなかったがよく見ると……その顔は余りにも美しかった。
美しく透き通った肌、銀でできた髪、心見透かすような赤い瞳。そして、貼り付いたような笑みに全身の毛がよだつような感覚。
常人じゃない。いやこれは、人間じゃない。悪魔だ。
「君は感がいい。でも君は僕が差し出す手を払い除けることができないだろう?君の心の魔物がそれを許さない」
これは悪魔との契約だ。手を取れば人殺しよりも深い業を背負う事になるだろう。
だが悪魔が言う通り払い除けられない。
これは……好奇心だ。身を滅ぼすとわかっていても未知を知るために破滅の道に進んでしまう。
「心は決まったようだね、骨壺収斗。なら僕についてくるといい」
こうして俺は人の道を外れた。
後書き
ここまで見ていただきありがとうございます。
この物語は普通の物語で三下の敵ぐらいの奴が主人公となっております。
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