ホラー短編集(まとめ)

仙 岳美

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家鳴り

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語り・仙岳美

《カッチャーン》
床にスプーンを落としてしまった!
『………』
『良かった、どうやら下の住人は留守の様だ』
……音、それは人に憑いている呪いのような物、人は音を立てずには生活は出来ない。
また音とは曖昧な物である。
それを大義名分又はカウンター的な武器と、されたらたまったもんでは、無い!。
私は半年程、音を極力立てない様に生活していたが、洗面所で疲れた自分の顔を見、その生活も終わらせる決意をし、本棚から、アノ黒い紙を取り出す……。
『そうよ、目には眼を、呪いには呪いよっ!』
術の精度を上げる為に生贄として、黒いトカゲのミイラなどが良いけど、そんな物は持ちえ無いので、ニボシで代用。

ターゲットは……

 🫦数日後の夜、疲れ切っている私は冷飯に冷めた味噌汁をかけ食べていると何処からかパッキンと音が鳴る、すると案の定、下の住人が騒ぎ出し、私の部屋に怒鳴り込んで来ると思いきや、今回は少しすると静かになり、今度は呻き声が聞こえる……私は碗底のぶっかけ飯を一気に啜りニヤリとする……(いいダシ出てるー)やがて救急車のサイレンが鳴り、私の住居であるアパート前に留まる、私は茶碗の上に箸を置き、手を合わせる。(事は決した)
 
 そして下の住人がタンカーで運ばれ救急車に担ぎ込まれていた……私は階段の手すりに手をつき、上からその光景を冷めた目で見つめていた……👁️
下の住人である狂老人は、もうこのアパートに戻ってくる事は、ないだろう。
老人も私も開放された。
私はタバコ吸いながら夜空を見て
『こんなトラブルが起き出す様だと、このアパートも潮時かな~と』思えた……。[完]

あとがき
 騒音の定義は、曖昧であるから、皆さんも、お気を付けて。 

題材・[家鳴り]
 温度や湿度等の変動が原因で、家の構造材が軋む事で鳴る様々な音、昔の人は、その音を妖怪の仕業と考えた。
ちなみに些細な音も気になり出すとノイローゼになってしまう人も、ただいる様である。

※内容は、半フィックションです。
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