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未知の黒幕との遭遇🗿《no40狼少年現代録》

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噂の未知との遭遇《下》からの続き。

=未知の黒幕との遭遇《40狼少年現代録》=

登場人物
俺   (主人公   21歳)
仙 岳美(彼女    25歳)
仙 徹郎(彼女の叔父 60歳)
 
 あれから一月程は彼女とユーホーを撮ろうと公園に通って日暮れから深夜まで粘っていたが稀に流れ星や火球は撮る事はできたがユーホーは相変わらずだった、最近は公園にも行かなくなり週末はユーホーを撮る為に買った筈のビデオカメラで彼女とハメ撮りをお互いに撮り合う始末だったが、これが結構面白い良い息抜きにはなった。
そんなある日は彼女は裸でベッドに寝転がりビデカメを弄りハメ撮り映像を編集しながら言った、
「ユーホーに詳しい人いるんだけど合う?」
俺はまだ変人はいるのかと思った……
「どんな人?」
「男」
「え! 何それ~誰なの~?」
俺は焦って彼女に詰め寄った!
「はっはは近い! 嫉妬したW 安心して私の親戚の叔父さん老人よ」
俺は彼女の胸に頬押し付けながら、
「あまり揶揄わないでくれる、本気にする方だから」
「ゴメンゴメン、かれこれ30年近くユーホー追ってる」
本格的にヤバい筋金入りの本物の変人の黒幕が出て来たな~と思った、俺も盃をかわされるのか……酒飲めないけど。
しかし俺も好奇心があるので少しどんな人か見てみたい気にも成り合う事にした。後、彼女が知ってる事で自分が知らない事があるのもヤなので……
それからも彼女は胡座をかいた体勢で俺に乳房を吸われながら平然とした顔でビデカメを弄っていた……俺は少しそれが不満だった……
=週末10:50無限荘前=
俺は週末、彼女のアパート前迄原チャリで向かったアパート前に彼女も俺と同じオフロードタイプの原チャリを用意して待っていた。
「お待たせ」
「じゃ、レッラゴー後に付いて来て」
「オッケー」
俺は暴走⚡️属性の彼女の走りを想像し覚悟して付いて行った……
が彼女はハッキリ言ってセックスも頭も性格もめちゃくちゃな割には安全運転だった30キロ制限を意識して35キロ位のスピードを維持していた、左右確認一時停止も当たり前だけどしっかりやっている、なんか拍子抜けしてしまい意外に普通の人で普段変人の馬鹿なフリしてるだけなのかも知れないと思い、少し残念にも寂しくも思えた……
彼女は途中コンビニに寄ってお土産に焼酎4リットルのペットボトル一本と。
「おじさんは揚げ物、大好きなの」と
揚げ物を多種多量に買った、彼女が持ってる揚げ物の袋から良い匂いがしていた。
俺の物欲しそうな視線に気づいたのか彼女は「少し摘んじゃおうか」とコロッケを一つ俺に渡してくれた、それを食べ終え少し休んだら再び出発し、道は整備が不十分な山中の薄暗い市道に段々と変わってゆき、終いには原チャリ一台がやっと通れる程の小道の畦道になっていった。
道の横には枯れかけた小川が平行して流れており、やがて小川の水は完全に枯れ、その小川跡のほとりに佇む平屋が見えてきた、彼女は平屋の少し手前で一旦止まり、後方の俺の方を振り向き、
「あそこよ」と指を差した、
その平屋は木造で古そうだったが見た目は壊れてる所は無く、手入れは行き届いてる用に思われたが一つ気になった事と言えば屋根に衛星アンテナが5枚も設置してあった……それは何かの観測する基地にも見えた。
バイクは家傍の芒まみれの小さい空き地に突っ込む様に留めた。
どうやらこの辺り山梨と神奈川の境界線辺りのようだ……
=12:00=
彼女がフザーを押した
《ブーーー》と音が外まで木霊した少しして「来たか」と後ろから声をかけられた俺は意表を疲れて少しビックリした
「岳、ちょっと散歩に行ってたわ、まぁ入れ」
老人と聞いていたので甚平姿を勝手に想像していたがその老人は白いワイシャツにノーネクタイの黒いスーツ姿だった、背中は少し猫背だったがそれでも175の俺より目線は高かった180は超えてる様に思われる。頭髪は完全に白髪で少し薄くなってる程度で揉み上げは蓄えた髭に繋がってる感じで肌の色は血色の良い肌色で鼻は高く掘りは深くその姿は外人の様であった。若い時はさぞかしモテた様に感じる。
そしてその白鬚の老人は俺を見てニヤリとして、
「君も入れ」
「はい、影山ですよろしくお願いします」
「まぁそう固くなるワシは硬いのは嫌いなんじゃ自然に上下関係が成立する挨拶もな人間ハートで通じればそれで良いのじゃ、テレパシーだ」
『テレパシー』
いきなり危ない単語と思想が出て来た、
俺は恐る恐る家の中にお邪魔した・・
玄関にはユーホーらしき物が写った白黒写真が壁に架けてあった……
黒い猫もいた……
玄関から真っ直ぐ廊下が伸びていた恐らく先に風呂とトイレがあるのだろうと思った、俺は入って直ぐに右側に見えるスライド式ドアの先のリビングに通された、中は彼女の部屋の様に本棚が壁全面に置かれていた唯、彼女の家みたいに床に積まれてる本は無く綺麗に整理はされており、その眺めは精悍にも見えた収められた本種は夏目漱石や司馬遼太郎などの昭和やそれ前の作家の全集が多かった、ベッドは無く、寝室は別に思えた。
部屋の窓側の庭が見えるソファーに俺が窓側その横に彼女が座り老人とは対面する様な感じになった、飼い猫も近づいてきた。
外に見えてる庭の角には柿の木とその根本に屋根付きの道祖神らしき物が祀ってあった。
膝に猫を抱いた老人はいきなり俺に話しかけてきた、
「君は岳の彼氏か」
「はい、まぁそうです」
「そうか、羊羹食うか?」
「え、あっ、はい甘い物は好きです」
(俺は餡子系は苦手だったが気を使って好きと言ってしまった)
「岳、冷蔵庫に羊羹あるから適当に切って持って来てくれ」
自分で用意する訳では無いらしい……
彼女が素直にテキパキと言う事を聞いている。
その事から老人からは中々のカリスマ性を感じる。
しばらく沈黙の空間になった……
(ヤバい俺は本来人見知りで初対面の人とは話すのは苦手なのだ)
その時、俺の事を察してか、
「話すの苦手なら無理にはいいぞ、ワシも若い時はそんな感じじゃった、全てわかっておる、君は優しい人だ、まぁワシの事は気にするな機嫌も取らんで良い」と老人はニヤリとした。
その時、小皿に乗った羊羹とお茶が到着した……
🐈‍⬛
俺はとりあえず……彼女らしく分厚めに切られた羊羹を食べた、
「どうじゃ、うまいか?」
「はい、美味しいです」
「そうか、じゃワシの分も食え」
と皿を俺の方にズラしてきた俺は油断して少しヤナ顔をしてしまった!
「わっはは、ジョークじゃ、岳!お前が持って来た、揚げ物を適当に持って来てやれ、ソースとマヨもな~。君は酒は飲むのか?」と後ろの酒棚から芋焼酎を取り出してきた。
「お酒は体質的ダメなんです」
「そうか~岳と同じか~つまらんの」
「すみません、どの道、バイクで来たんでお酒は……」
「え、泊まらんの?」
「え、」


と台所から彼女の声が届いた、

「そうか、残念じゃのう、所でそろそろ本題に入るか岳」
「はい」
彼女が台所から戻ってきた、
彼女が両手に持ってるお盆には大皿に盛られた揚げ物とライス大盛りのドンブリその上にキャベツの線切りが大盛り……(凄い量、コレもう晩飯でしょ……)
そしていよいよ飯を食いながらのユーホー談義と思いきや、老人からの第一声は違う内容の物だった。
老人は湯呑みで芋焼酎のロックを飲みながら、
「ところで岳! ワシが書いた小説がまだサイトに投稿されてないが?メルは届かなかったか?」と俺のコップにコーラを注ぎながら言った、
「アレはダメです、内容が下品過ぎます、だいち誰ですか? かすみちゃんて馴染みのキャバクラ女ですか?私が困ります、荒れます、気が病んでる人もいる所なのでもう少し配慮して下さい~修正するのも私ですし……」
「荒れるか~喧嘩相手がいるのも楽しいと事と思うがのう~」
「めんどくさいです~生産性0です」
「ワシはsnsでカラマレルと気持ちいいじゃがな特に女の子には」
「それは変態ですよ~」
「ワッハハハはそっかーそうか残念じゃな、今度のは傑作だと思ったんじゃがな~」
「叔父さんの分身みたいなワシキャラとのコラボはもういいですよ~私の物語と合わせるの大変なので色々と……」
最近彼女の書いてる長い小説の物語りは一応は終わったが俺は目の前の2人の会話を聞いてると何やら彼女の小説の中の人達が遂に現実の世界に転生復活し飛び出て来た様な気がした……そのうち、あの国語の先生のモデルになった人も出て来そうな気がした……👤
俺も会話に入らなければいけないと思い勇気を出して自分から会話を切り出した、
「ところでユーホーは詳しんですか?」
「ん、ワシか?詳しいと言うより好きかな」
「玄関かの写真は過去に撮れた物ですか?」
「あれは残念ながら雑誌のコピーじゃ」
「……」
「これがの~言い訳、臭くなるがカメラやビデオ持ってない時に限って奴らは現れんじゃ、ワシは遊ばれてるようじゃ、宇宙人にも岳にも本当じゃよ」
と老人は君もだろと感じで男同士にしか感じる事しかできたないテレパシーを俺に送りニヤリとした(まぁ確かに俺は夜、たまぁに彼女にマニアックに遊ばれている……その映像も彼女のビデオカメラの中に人質の様に保存されてしまっている……その場のノリって怖い(汗)そのうち交渉して消してもらわないと……)
「まぁ撮れたら撮れたで目的が達成してしまったようでロマンが終わってしまい、寂しくなると思うから焦ってはおらん、ワシは130まで生きるし」
変な人にありがちな根拠のない事を信じている感じは受けたが結構そういう人の方が本当に長生きするような気もしたし、この老人が早死にする気は何かしなかった言葉は悪いがシブとそうだ……
彼女は彼女でもう話しには入って来ずに食事に夢中でタップリソースを掛けたトンカツに犬歯を立ててカブリついていた……
彼女は何故、俺をこの人に合わしたのかは解らなかった……
=16:00=
食事が終わったらコーヒーを飲みながら何気ない雑談をし、その後、晩御飯の食材の買い出しがてら近くの河川敷まで行き、3人で空を眺めた当然ユーホーらしき物は飛んでいなかった、彼女の叔父さんは特にカメラなどの撮影する機材は持って来なかった。
案外この初期のオタク世代の叔父さんは姪っ子である彼女に相手をしてもらいたいだけの理由で小説もユーホーも趣味合わせでやってるだけなのかも知れない気がその時に感じた、彼女もそれは何となく感じてる気がする、その雰囲気は暖かく友達のいない俺には羨ましくも感じた、俺達の周囲に吹く風も暖かく春の気配を感じ気もち良かった……
ふと考えた此処に俺がいる理由……
彼女は俺の拭い切れない孤独を察知し仲間に入れてくれた、だけなのかも知れない……
また彼女だけで孤独を満たせなかった事に申し訳ない気持ちになった……
唯、彼女も孤独だとしてそれが俺がいる事で解消するならば俺は彼女がいる限りは孤独ではない気もした……
そんなふうに思った時、長年背負っていた呪縛が解けて気持ちが軽くなり素直に世界を見れる気がし、土手から視界に広がる交差運河はキラキラと輝く十字架に見え、その運河を背景に空を見つめる彼女の髪も微風に吹かれキラキラ揺れていた。《終》

=追記=
晩飯のすき焼きの内容は9割は肉だった、2人の食欲には付いていけない気はした・・帰ろうとすると繰り返し引き止められて、結局その日はしょうがなく泊まって翌日の午後に帰宅した…… 
no37へ続く。

内容はノンフィクション。

パラレルリンク(異次元)⑥まよいが(連載枠、狼少年少年未来録)
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