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01 狼少年バースト
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一
その日も仕事の帰りなんとなくそのまま家に帰るのもつまらない気がし、常連である駅前のおでん屋台に僕は向かう。
僕はそのおでん屋の味が母の味に似ていて癒され、それに酔い潰れても何故かこの店だと嫁が迎えに来てくれる。
そんなわけでそのおでん屋ののれんをくぐると四角いおでん鍋の向こで赤髪の女性店主が椅子に腰掛け腕を前に組みウツラウツラとしていた。
僕は寝てる所を悪いとは思うも起こさないと話しが始まらないから声をかける。
「すみません」
「ZZZ……」
「すみまっせーん!!」
「はにゃ!、あ、お客様?」
「そうです」
「ああ君か、いつもの盛り合わせで良いのかな?」
「はい、後はビールを一本下さい、カラシは多めで」
此処の店主は、栓を抜いたついでに最初だけビールをトクトクと注いでくれる。
僕はいつも遂、笑みを溢してしまう。
そのわけは単純で、店主は泡の作り方がとても上手かったからだ、何か泡のきめが細い、そしてその味わいはクリーミーである。
そしてお膳にとぎたてのカラシがたっぷりな小皿と、肴である昆布、蒟蒻、大根、ハンペン、卵、それに店の売りである丸ごと一本のフランクソーセージなどのおでんが盛られた皿が僕の前にお目見えする、僕は始める。
…………
……
…
それからどのくらい経ったのだろうか?
酔い潰れていたのか?
辺りを見渡すと様子がおかしかった。『此処は廃墟?』いや『ガス爆発か?』と思った、でもそれは全て違った。
「ほっによよよよよー!」
と店主のただならぬ叫び声が聞こえ、その声の方を振り向くと、店主が、その装備が兵隊の様な、そうその様な二本足で立つ獣に取り囲まれ、包丁を必死に振り回して応戦していたからだった……
二
僕は深く考える事無く、職務に従い腰のサーベルを抜き店主に加勢をする。
敵兵は四体、二対四、でもそんな事を気にしている暇はすぐに無くなった、そうすぐに身体の何処かを切られていたのか貴重な味方である店主はその場にうずくまり一言「すまん死ぬ」と言うとうつ伏せに倒れ動かなく成る。
今度は僕が取り囲まれる、当然話しは通じそうに無い雰囲気であり、此処だけの問題では無いと言う証である有事警報が鳴り響く。
僕がサーベルを構えると、それが合図と成り、僕は四方向から代わり代わり切り着けられる。
僕は、瞬間的に判断し、反撃はせずに避ける事に徹し、助けが来るチャンスを待つ。
しかし状況はまたもやすぐに変わる、それは死んだと思っていた店主がイキナリ起き上がり、敵兵二人の背を同時に最初から持っていた包丁と何処に隠しも持っていたバタフライナイフで突き刺す。
背を刺された敵兵二人はその場で身体を痙攣させ白目を剥く。
その事態に僕と対面していた残りふたりの敵兵は店主の方を一瞬振り向く、その隙を着いて僕はひとりの敵兵の脇腹に突きを放つ、その剣は刺さるもその瞬間に僕は危機を感じすぐに伏せる僕の髪先を無傷な方の兵士の剣先が掠める。
見上げると、もう決着は着いていた。
僕を切りつけた敵兵の背中を店主が包丁を突き刺さしていた。
そしてその敵兵も白目をむき、泡を吹きながらうつ伏せに倒れる。
店主が背を刺した三名の敵兵はもう死んでいた。
僕が刺した兵士だけが脇腹に僕の刺したサーベルの柄を掴み地にもがいていた、が、その首元に素早く店主がナイフを突き刺し、その息の根を止める。
……こうして店主の奇策でとりあえずは僕は危機を脱する。
そして僕は店主の変わり映えしたその鋭く光る目を見て、それが麻美や島長……嫁に近い感じを受け、悟る。
『この店主は只者では無い、間違い無くソルジャー(特殊兵)だ……』
[続]
解説と解釈
新規登場人物
赤坂 苗(あかさか なえ)
一馬が通うおでん屋台の店主。
蝶蛾流・蟲派奥義・双剣ヨコサシ
それは一発必中の心臓を狙う時に刃を縦に刺すとアバラに刃が引っかかり討ちそびれるから刃を横に寝かせ刺す様にと言うそれだけの教えである。推奨するナイフは両刃。
蝶蛾流・蟲派秘技・回天剣シニナリ
それは圧倒的に不利な状況下を逆転一発好転させると伝わる伝説の奥義である。が、その正体は、ただの死んだフリである、けれども、それを信じて油断しきった敵は既に死んでいるのと同じであり、そしてこの奥義を見た敵は、言う迄も無く、生存していない事から、その正体は今日迄バレる事無く大袈裟に伝わってしまっているのでもある……に。
蟲派
かつてその派は、存在が確認されている蝶蛾流・全派一〇一派中で唯一武道以外の事も色々と教えていた奇派、その影響なのか指導方針は甘く、その内容も地味だった事から、最弱の派と呼ばれていた。しかしそれ故に、内容が現実的で要点を捉えた硬派の所もあり、それに加え、『まずは格好から』の流儀に乗っ取り、入門したその日から黒帯を授けてもらえる事から『蟲派で黒帯になろう』と言うキャッチフレーズが広まり、大人気と成り、門下生を、他の、どの派よりも増やし、後には基礎派とも言われ、結果的には名を変え、唯一今尚も世に存在し続けている派と伝わる。
また開祖は少しなんか足りない女性だったとも伝わっているが、異星語で記され解読難解な未知の蝶蛾流奥義書その内容を、突起した超能力で広く浅くも全てを解読し、奥義の真髄を知り得ていたのではないかとも伝わっている。
その日も仕事の帰りなんとなくそのまま家に帰るのもつまらない気がし、常連である駅前のおでん屋台に僕は向かう。
僕はそのおでん屋の味が母の味に似ていて癒され、それに酔い潰れても何故かこの店だと嫁が迎えに来てくれる。
そんなわけでそのおでん屋ののれんをくぐると四角いおでん鍋の向こで赤髪の女性店主が椅子に腰掛け腕を前に組みウツラウツラとしていた。
僕は寝てる所を悪いとは思うも起こさないと話しが始まらないから声をかける。
「すみません」
「ZZZ……」
「すみまっせーん!!」
「はにゃ!、あ、お客様?」
「そうです」
「ああ君か、いつもの盛り合わせで良いのかな?」
「はい、後はビールを一本下さい、カラシは多めで」
此処の店主は、栓を抜いたついでに最初だけビールをトクトクと注いでくれる。
僕はいつも遂、笑みを溢してしまう。
そのわけは単純で、店主は泡の作り方がとても上手かったからだ、何か泡のきめが細い、そしてその味わいはクリーミーである。
そしてお膳にとぎたてのカラシがたっぷりな小皿と、肴である昆布、蒟蒻、大根、ハンペン、卵、それに店の売りである丸ごと一本のフランクソーセージなどのおでんが盛られた皿が僕の前にお目見えする、僕は始める。
…………
……
…
それからどのくらい経ったのだろうか?
酔い潰れていたのか?
辺りを見渡すと様子がおかしかった。『此処は廃墟?』いや『ガス爆発か?』と思った、でもそれは全て違った。
「ほっによよよよよー!」
と店主のただならぬ叫び声が聞こえ、その声の方を振り向くと、店主が、その装備が兵隊の様な、そうその様な二本足で立つ獣に取り囲まれ、包丁を必死に振り回して応戦していたからだった……
二
僕は深く考える事無く、職務に従い腰のサーベルを抜き店主に加勢をする。
敵兵は四体、二対四、でもそんな事を気にしている暇はすぐに無くなった、そうすぐに身体の何処かを切られていたのか貴重な味方である店主はその場にうずくまり一言「すまん死ぬ」と言うとうつ伏せに倒れ動かなく成る。
今度は僕が取り囲まれる、当然話しは通じそうに無い雰囲気であり、此処だけの問題では無いと言う証である有事警報が鳴り響く。
僕がサーベルを構えると、それが合図と成り、僕は四方向から代わり代わり切り着けられる。
僕は、瞬間的に判断し、反撃はせずに避ける事に徹し、助けが来るチャンスを待つ。
しかし状況はまたもやすぐに変わる、それは死んだと思っていた店主がイキナリ起き上がり、敵兵二人の背を同時に最初から持っていた包丁と何処に隠しも持っていたバタフライナイフで突き刺す。
背を刺された敵兵二人はその場で身体を痙攣させ白目を剥く。
その事態に僕と対面していた残りふたりの敵兵は店主の方を一瞬振り向く、その隙を着いて僕はひとりの敵兵の脇腹に突きを放つ、その剣は刺さるもその瞬間に僕は危機を感じすぐに伏せる僕の髪先を無傷な方の兵士の剣先が掠める。
見上げると、もう決着は着いていた。
僕を切りつけた敵兵の背中を店主が包丁を突き刺さしていた。
そしてその敵兵も白目をむき、泡を吹きながらうつ伏せに倒れる。
店主が背を刺した三名の敵兵はもう死んでいた。
僕が刺した兵士だけが脇腹に僕の刺したサーベルの柄を掴み地にもがいていた、が、その首元に素早く店主がナイフを突き刺し、その息の根を止める。
……こうして店主の奇策でとりあえずは僕は危機を脱する。
そして僕は店主の変わり映えしたその鋭く光る目を見て、それが麻美や島長……嫁に近い感じを受け、悟る。
『この店主は只者では無い、間違い無くソルジャー(特殊兵)だ……』
[続]
解説と解釈
新規登場人物
赤坂 苗(あかさか なえ)
一馬が通うおでん屋台の店主。
蝶蛾流・蟲派奥義・双剣ヨコサシ
それは一発必中の心臓を狙う時に刃を縦に刺すとアバラに刃が引っかかり討ちそびれるから刃を横に寝かせ刺す様にと言うそれだけの教えである。推奨するナイフは両刃。
蝶蛾流・蟲派秘技・回天剣シニナリ
それは圧倒的に不利な状況下を逆転一発好転させると伝わる伝説の奥義である。が、その正体は、ただの死んだフリである、けれども、それを信じて油断しきった敵は既に死んでいるのと同じであり、そしてこの奥義を見た敵は、言う迄も無く、生存していない事から、その正体は今日迄バレる事無く大袈裟に伝わってしまっているのでもある……に。
蟲派
かつてその派は、存在が確認されている蝶蛾流・全派一〇一派中で唯一武道以外の事も色々と教えていた奇派、その影響なのか指導方針は甘く、その内容も地味だった事から、最弱の派と呼ばれていた。しかしそれ故に、内容が現実的で要点を捉えた硬派の所もあり、それに加え、『まずは格好から』の流儀に乗っ取り、入門したその日から黒帯を授けてもらえる事から『蟲派で黒帯になろう』と言うキャッチフレーズが広まり、大人気と成り、門下生を、他の、どの派よりも増やし、後には基礎派とも言われ、結果的には名を変え、唯一今尚も世に存在し続けている派と伝わる。
また開祖は少しなんか足りない女性だったとも伝わっているが、異星語で記され解読難解な未知の蝶蛾流奥義書その内容を、突起した超能力で広く浅くも全てを解読し、奥義の真髄を知り得ていたのではないかとも伝わっている。
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