少し怖いホラー短編集(文字数500以下)

仙 岳美

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間鬼

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間鬼

 クーラーが効いたオシャレなデパ地下のストアーには少しその姿が似つかわしくなく浮いてしまう作業服姿の僕達は、昼の弁当を買いに降りる。
 好みの弁当を買い、そのストアーから地上へ出ると、頭上をバツの字に交差する有料道路から点滅する赤いサイレンの光りが漏れていた。
それは僕達が弁当を選んでいた間に起きた交通事故だった。
弁当の入るビニール袋を手にぶら下げ横に立つ、職場の先輩でもある友人は言う。
「間鬼に挟まれたんだね」
「まき?」
「どこにでもいるんだよ、人に怪我させたり病気にさせたり」
「どこにでもいるの」
「うん」
「挟まれない様にするにはどうすればいいのかな?」
「回避する手段の一つは音かな、さあ観てないでもう行こう、いつまでも見てると目を付けられるよ」

そう言うと友人はその場から逃げる様にスタスタと速走りで歩き出す、途中一回僕の方を振り向き、急かす様に手招きする、僕も速走りでそんな友人を追いかける様に職場へと戻る、そんな戻り道の、蝉も不在な早く訪れた夏の道路の上には、物静かに揺ら揺らと無数の透明人間が揺れている様に感じた僕だった。

[終]

お題・透明人間


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