42 / 49
間鬼
しおりを挟む
間鬼
クーラーが効いたオシャレなデパ地下のストアーには少しその姿が似つかわしくなく浮いてしまう作業服姿の僕達は、昼の弁当を買いに降りる。
好みの弁当を買い、そのストアーから地上へ出ると、頭上をバツの字に交差する有料道路から点滅する赤いサイレンの光りが漏れていた。
それは僕達が弁当を選んでいた間に起きた交通事故だった。
弁当の入るビニール袋を手にぶら下げ横に立つ、職場の先輩でもある友人は言う。
「間鬼に挟まれたんだね」
「まき?」
「どこにでもいるんだよ、人に怪我させたり病気にさせたり」
「どこにでもいるの」
「うん」
「挟まれない様にするにはどうすればいいのかな?」
「回避する手段の一つは音かな、さあ観てないでもう行こう、いつまでも見てると目を付けられるよ」
そう言うと友人はその場から逃げる様にスタスタと速走りで歩き出す、途中一回僕の方を振り向き、急かす様に手招きする、僕も速走りでそんな友人を追いかける様に職場へと戻る、そんな戻り道の、蝉も不在な早く訪れた夏の道路の上には、物静かに揺ら揺らと無数の透明人間が揺れている様に感じた僕だった。
[終]
お題・透明人間
クーラーが効いたオシャレなデパ地下のストアーには少しその姿が似つかわしくなく浮いてしまう作業服姿の僕達は、昼の弁当を買いに降りる。
好みの弁当を買い、そのストアーから地上へ出ると、頭上をバツの字に交差する有料道路から点滅する赤いサイレンの光りが漏れていた。
それは僕達が弁当を選んでいた間に起きた交通事故だった。
弁当の入るビニール袋を手にぶら下げ横に立つ、職場の先輩でもある友人は言う。
「間鬼に挟まれたんだね」
「まき?」
「どこにでもいるんだよ、人に怪我させたり病気にさせたり」
「どこにでもいるの」
「うん」
「挟まれない様にするにはどうすればいいのかな?」
「回避する手段の一つは音かな、さあ観てないでもう行こう、いつまでも見てると目を付けられるよ」
そう言うと友人はその場から逃げる様にスタスタと速走りで歩き出す、途中一回僕の方を振り向き、急かす様に手招きする、僕も速走りでそんな友人を追いかける様に職場へと戻る、そんな戻り道の、蝉も不在な早く訪れた夏の道路の上には、物静かに揺ら揺らと無数の透明人間が揺れている様に感じた僕だった。
[終]
お題・透明人間
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
静かに壊れていく日常
井浦
ホラー
──違和感から始まる十二の恐怖──
いつも通りの朝。
いつも通りの夜。
けれど、ほんの少しだけ、何かがおかしい。
鳴るはずのないインターホン。
いつもと違う帰り道。
知らない誰かの声。
そんな「違和感」に気づいたとき、もう“元の日常”には戻れない。
現実と幻想の境界が曖昧になる、全十二話の短編集。
一話完結で読める、静かな恐怖をあなたへ。
※表紙は生成AIで作成しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる