少し怖いホラー短編集(文字数500以下)

仙 岳美

文字の大きさ
47 / 49

沼の怪異

しおりを挟む
沼の怪異

 その昔、神奈川の平塚市北部に岡崎四郎と言う国主あり、その領地内に、その地名を沼目、大島、小島と言われる、沼地地帯があり、その地帯はその名の通り、広大な沼地に点続きにそれは島の様に浮かぶ陸地があり、その島を繋ぐ様に浅い桟橋がかけられていた。
その橋の上を戌の刻(20時)に四郎その家臣、山中平次はある命を受け、歩いていた。
そして民の訴え通り、闇夜に複数体、不意に不気味に光るそれは海月の様な浮遊体が現れ、平次の周りを取り囲み、次々と体当たりをして来る、その様は人を橋から暗い沼地へ落とすものと思いけり。
しかし平次は小柄ながらも肝が座った男であり冷静に太刀を振り次々とその海月共を間合い内に的確に捉え、切り捨ててゆく、その足元には砕けた髑髏(こうべ)が転がる。
『これは沼に打ち捨てられた者の怨念か、哀れ』と思い平次は「南!」ガッシャ!
「無!」ガシャ!
「妙!」ガッシャン!
「法!」ガッン!
「蓮華経……」
と念仏を唱えながら切り続けるも切りが無いと思い一時撤退を考えると、群れる海月の中に唯一中央が赤い海月を見つけ、背に背負う短弓を取り出し撃ち放つとその矢は見事当たり、その赤海月は逃げて行く、平次がその海月を追って行くと小さい忘れられた浮島に行き着く。その中に廃れた小さい神社があり、その戸を開くと中に、のたうち回った後に死んだと思われる老猫の死体が転がっていた、その腹には平次の射った青染め羽根の矢が刺さており、そして社の裏側の木には毛で吊るされた何者かのミイラ首が風で揺れていた。その死に顔は、世の中の全て恨んでいる様に平次は感じ、またその怨念が猫に乗り移った様に思えた平次だった。

 それからその沼の怪異は起きなくなったと伝わる。

[終]
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

残酷喜劇 短編集

ドルドレオン
ホラー
残酷喜劇、開幕。 短編集。人間の闇。 おぞましさ。 笑いが見えるか、悲惨さが見えるか。

静かに壊れていく日常

井浦
ホラー
──違和感から始まる十二の恐怖── いつも通りの朝。 いつも通りの夜。 けれど、ほんの少しだけ、何かがおかしい。 鳴るはずのないインターホン。 いつもと違う帰り道。 知らない誰かの声。 そんな「違和感」に気づいたとき、もう“元の日常”には戻れない。 現実と幻想の境界が曖昧になる、全十二話の短編集。 一話完結で読める、静かな恐怖をあなたへ。 ※表紙は生成AIで作成しております。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

処理中です...