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本編
15話 両家の取り潰しを知る
しおりを挟む「はじめは彼女から君が転生者かもしれないと聞いて今回の救出作戦を立てたわけだが…まさか君が彼女の前世の友人だったとは思いもしなかったよ…」
レオナルド達は美香から『聖天使アリシア』と『クリスティアの乙女』というガルヴァンとクリスティアにある貴族の学園に関する物語があることを聞かされて知っていた。
その中でガルヴァンの公爵令嬢リリゼット・アルガリータか男爵令嬢アリシア・フィリーズのどちらかもしくは両方が転生者の可能性がありアリシアが学園に編入してから美香の指示で2人を監視していた者がいるのだという。
その者からの報告でリリゼットの方がこの世界の常識から外れた知識を持ち聞いていた物語と正反対の行動をしていたことからリリゼットが転生者なのではないかと結論が出た。
そしてこのままだとリリゼットは婚約者から婚約破棄をされ国外追放をされる可能性が高いと美香が言いリリゼットをクリスティアで保護する計画を協力者を募って立てた。
それがまさかリリゼットが冤罪で処刑宣告を受けたり美香の前世の親友だったというのは予想外だった訳だが…。
ーミカも悪役令嬢に転生したのかな…?
リリゼットが前世でプレイしたのは『聖天使アリシア』のみである。
なのでリリゼットが前世で美香から『クリスティアの乙女』に登場する攻略キャラや出演している声優、美香の推しキャラを聞いた覚えはあった。
だが、彼女が悪役令嬢リリゼットに転生してから月日が経つごとに前世の記憶が薄れてしまってきており只でさえ曖昧な記憶がより一層思い出すのが難しくなってきているのだ。
美香が『クリスティアの乙女』の登場人物の誰に転生したのかリリゼットには分からなかった…。
ヴヴヴヴッ…
突然バイブ音が聞こえた。
「俺のやつからみたいだ…」
とギルヴェルトが言うと彼は腰ポケットから手のひらに収まるサイズの少し細長い四角状のものを取り出すとそれを開いて何かを見始めた。
ーえっ、携帯電話!?しかも折り畳み式のやつ!?
ギルヴェルトが手に持っていたのはリリゼットの前世で生きていた時代では殆どが生産が終了し、年配者しか持たないような旧式の携帯電話とよく似た機種だった。
美香がこの世界で携帯電話をつくっていたのにも驚いたがギルヴェルトの口からそれ以上にとんでもない事実が告げられた。
「ガルヴァンに残してきた仲間からの連絡によると国王によりアルガリータ家とフィリーズ家双方から爵位が剥奪されたようだ」
「場合によっては取り潰されるかもしれないと彼女から聞いていたが思っていたよりも早かったな」
リリゼットの元実家は視察から帰国したガルヴァンの国王夫妻がリリゼットの冤罪事件にてアルガリータ公が彼女を陥れる発言をした件についての処分なのだろう。
何故アリシアの実家まで?と思うより先に異母弟と実の家族のようにリリゼットを育ててくれたアルガリータ家の使用人達のことがリリゼットの頭を過ぎった。
「ギルヴェルトから君が保護したいと願った者達も我が国で身の安全を確保して欲しいと連絡が来てからすぐガルヴァンへ使者を送ったから安心しろ」
今世の両親より異母弟と使用人達の安否が気になり余程今のリリゼットの顔色が悪く見えたらしい。
ガルヴァンまで使者を送り、使者が到着するまでは向こうにいる仲間が保護してくれるとレオナルドが説明してくれた。
リリゼットの今世の友人2人は来るかどうかは当人達の意思に任せられるがアルガリータ家が取り潰されれば真っ先に路頭に迷うであろう異母弟と使用人達の保護をギルヴェルトはリリゼットの依頼通り上の者に申請してくれたようだ。
「私を助けてくれただけでなくグレン達のことも本当にありがとうございます」
リリゼットはこの計画を立てた美香はこの場にいないが目の前にいるギルヴェルトとレオナルドの2人に改めて礼を言った。
「いやいや、そんなに畏まらなくても良いんだ。彼女が前世の君のことを良く口にしていたから君の助けになるようなことができて良かった」
とレオナルドが言った。
美香が前世の話をする時に綾奈に関することも良く話していたらしい。
リリゼットは戸籍をつくるために向かっている役所に着くまでの間、前世の最期のことは話さず彼女が美香のことで覚えている範囲の思い出話を2人に話していた。
そうこう話しているうちに3人が乗った馬車は貴族街にある役所に着いたのだった。
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