桜はもう枯れた。

ミックスサンド

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ある使用人の手紙

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坊っちゃんへ

今、何処におりますでしょうか。
坊っちゃんのいなくなったら屋敷は……いえ、やめておきましょう。

坊っちゃんはけして臆病者では無いです。
戦争になんて、行かない方が賢い選択なのです。
この全てが落ち着いたら、どうかお屋敷に戻ってきてはくれないでしょうか。

鷹華ちゃんは息消沈して、仕事中もずっと上の空です。
先日もお皿を3枚割って、泣いて謝れました。
それをなだめるのは、坊っちゃんで無いと駄目なのです。
私では駄目なのです。
悔しいですが、私ではあの子を幸せにはできない。

鷹華ちゃんは、「私が代わりに戦いに生きたい」と言って良く泣きます。

坊っちゃんは、彼女に孤児である事を伝えたのでしょう。
今、彼女の頭には桜の髪飾りが咲き誇っていますから。

私はきっと、伝えられません。
謝れません。

私達のねえさんに、「ばか」なんて言った事を。
再開した時は、心臓が飛び出るかと思った。
偶然、この屋敷に、同じ孤児院で育った子が集まるなんて…神様の悪戯でしょうか。

坊っちゃんが今もご無事で生きてらっしゃる事を願って、住所の書けない手紙を、こうして、したためたまでです。 おいしいおやつをつくって待ってますから。  七屋より。



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