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レシピ本とはじめてのおつかい②
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サンダルで てくてく40分歩くと、ようやくスーパーが見えてきた。
疲れた…
此処には一度お婆ちゃんに連れられ、来たことがある。
チェーン店でなく、『山城さん』と言う人が個人でやってる(らしい)
小さい上、品揃えも正直言って余り良くない。
それでもこの村では唯一のスーパーなのでみんな重宝している(らしい)
ちなみにスーパーの自動ドアは壊れている。
じゃあどうやって入るかって?
手動です。
ガラガラッ
「…こんにちは」
返事は帰ってこない。辺りを見回すが誰もいない。お店の人…出掛けてるのかな?
私はレジ台の隣下に、重ねて置いてある、緑の買い物カゴを1つ抜き出し、腕に掛けた。
(おにぎりの具…おにぎりの具…)
取り敢えず調味料の棚を見て回る。
「これでこれをつくろう!」とか考えるのは好きなので、思わず鼻歌を歌いながら店内を見て回った。
数分後、買い物リストを全てクリアにした。
すると手持ちが1000円程余る事に気づいた。
(お金余るし、お婆ちゃんの好きな物でも買って…
…お婆ちゃんって何が好きなんだろ?)
「それはイクラだなぁ」
耳元で囁かれ、
反射で振り返ると見知らぬお爺さんがイクラのパックを両手に持って仁王立ちしていた。
「うおわわ!!?」
びっくりして奇声をあげて買い物かごを落とした。私は反射で声が出るタイプの女子なのだ。
「あんた本条さん家の孫だろ。
あんの婆さんの好物は…すばりイクラだ。」
皺だらけの口を動かし、きっぱりと宣言される。
「イ、イクラ!?
でもとても1000円じゃ買えないし…」
「それがなんと今なら1パック1000円!」
「まぁお安い!
………じゃなくてお爺さん何者!?」
「通りすがりのスーパーの店主だ。」
店主!?
山城さんかよ!どこが通りすがりだ!
「買うのか、買わんのか」
「か…買います!買わせてください!!」
✴
数十分後、
私はずっしりと重いレジ袋を肩にかけ、
息も絶え絶えに、なんとか食堂に辿り着いた。
「か…買ってきたよ…おも…っ」
「ごくろうさん」
「後、イクラも買ってきた!」
「イクラ?」
「え、好きなん…だよね?」
「いや別に」
「!!?」
「お前、山城の爺さんに騙されただろ」
呆れた視線を向けられる。
騙され……?
「え…どゆこと…」
「あの爺さん、在庫が残るとすぐそーゆー嘘で買わせよーとすんだ。困ったもんだよ」
「ええ!!?いくら嘘なの!!!?」
なんなんだ今日は…!私朝からご老人のご厚意に騙されまくってない!?
ちなみにお婆ちゃんの好物は「肉全般」らしい。食べ盛りの男子高校生か…。
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