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イベント阻止の影響
ヘタレサーブの野望や如何に
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「……なァ、何やってんの」
「うるさい黙れ俺の命が懸かってるんだ」
艶々のピンク色の髪と特徴のない黒髪を前のめりで見ている俺に、隣に座るダリウスは呆れたように溜息を溢した。だがそんなことはどうでもいい。ダリウスに言った通り、今は俺の命――ミリたその貞操が懸かった大事な局面なのだから。
ダリウスの余計な一言によりミリたその隣席をサーブに奪われてしまった俺は、教室の最後方の席に腰を下ろしていた。せめて1人がいいと離れたところに座ろうと努めたが、ケツと言う弱点を握られた俺にできることはあまりにも少なすぎた。
あーはいはい隣に座ればいいんだろ隣に座れば、と半ば投げやりに俺の隣に座らせてやる許可を下してやったわけだが、ミリたその貞操まで譲ってやる気はない。
普段のサーブであれば問題ないが発情状態のサーブがミリたそに手を出してしまう可能性は大いにある。実際アイツ、俺の顔面を経由した精子でも大興奮だったわけだし。
ついうっかり手が滑りましたなんて言って指を触れようものならヴィクターに言い付けてやるからな。行動には気をつけろよ。
「……そんなに気になんの?」
「あぁそうだよだから邪魔するな」
「へぇ……」
今のところ怪しい動きはないようだが授業はまだまだ時間が残っている。大学を意識しているのか高校生が通う学校にしては長めに設定されている授業時間に別の思惑を感じなくもない。おかげでミリたそが大変な目に遭っているのだから折をみて授業短縮の嘆願書でも出そうと思う。
教室の真ん中あたりに座るミリたその姿を最後方のこの席から捉えるには障害物が多く、頭をあちこちへ伸ばしながら1人チューチュートレインに勤しんでいれば、不意に肩に腕を回されぎょっと隣を見る。
「え、何……?」
「別に?」
別に何てことないだろ肩組んでおいて。俺とお前はそんな仲だったか? 違うよな?
不気味も不気味。全身に薄く鳥肌が立つのを感じながら、ムカつくほど男前な横顔の様子を窺いつつ、肩に置かれた腕を退かそうと身を捩れば「おい」とオレンジの目が俺を見る。
「な、何だよ」
「お前動きすぎ。さっきから眼鏡がこっちチラチラ見てんぞ」
「えっ!」
教卓を見れば、蛍光灯に照らさた眼鏡が確かにこっちを見ていて体がぴしりと固まる。
ミリたその貞操を重んじるあまり、今がヴィクターの授業中であることをしっかり忘れていた。他の生徒の邪魔をしていないとしても、教室の後方でやたらと動く明らかに集中していない生徒を見逃すとは思えない。
ダリウスの言う通り大人しくしておこう。あくまで授業を聞いているだけと言い訳できるように、不自然じゃない程度に背筋を伸ばしたところで、ふとダリウスを見る。
……もしかして、俺が怒られないように気に掛けてくれたんだろうか。さっき半乱狂でヴィクターの恐ろしさを叫んでいたから……? コイツ、……案外イイ奴なのかもしれないな……。
ゲームの制作陣のせいで性欲にとらわれてしまっただけで、根は普通の高校生だもんな。クラスメイトのこと助けてくれるなんて可愛いところもあるじゃないか。
ダリウスの年相応な一面に、にやにやと顔を歪ませダリエルとみていれば、「何だよ」と不機嫌そうに顔を顰める。
「べっつにぃ~?」
さっきのダリウスの真似をすれば眉毛がピクリと跳ねた気もするが痛くも痒くもない。
なんて言ったって中身は人生一周目の高校生である。二周目を謳歌している俺の手にかかればガキンチョに過ぎない。
お子様ダリウスのことは放っておいて、教室の真ん中、小さくて丸いミリたその後頭部を見る。その後ろ姿に異変がないところを見ると、サーブはまだ手を出していないのだろう。
さすがヘタレサーブ。振り返れば本物のミリたそがいるというのにわざわざ俺の顔面に掛った精液を舐めとろうとしていただけのことはある。まぁ、あのとき実際にミリたそに直接手を出していれば、俺が全身全霊で殴り飛ばしていたが。
その調子でモブらしく大人しくしていてくれよ、何て考えていれば。
肩に回されていたダリウスの腕がにゅっと伸びる。
そして。
「――っ!?」
ブレザーの上から乳首を押し込まれ声にならない悲鳴を上げる。裏返る声を必死に飲み込み隣を睨むと、何でもない顔で指先に力を入れやがる。
「おま、何して……!」
「声」
うるせぇぞどでも言いたげなその言葉と生意気な表情に怒りが湧き上がった。
「うるさい黙れ俺の命が懸かってるんだ」
艶々のピンク色の髪と特徴のない黒髪を前のめりで見ている俺に、隣に座るダリウスは呆れたように溜息を溢した。だがそんなことはどうでもいい。ダリウスに言った通り、今は俺の命――ミリたその貞操が懸かった大事な局面なのだから。
ダリウスの余計な一言によりミリたその隣席をサーブに奪われてしまった俺は、教室の最後方の席に腰を下ろしていた。せめて1人がいいと離れたところに座ろうと努めたが、ケツと言う弱点を握られた俺にできることはあまりにも少なすぎた。
あーはいはい隣に座ればいいんだろ隣に座れば、と半ば投げやりに俺の隣に座らせてやる許可を下してやったわけだが、ミリたその貞操まで譲ってやる気はない。
普段のサーブであれば問題ないが発情状態のサーブがミリたそに手を出してしまう可能性は大いにある。実際アイツ、俺の顔面を経由した精子でも大興奮だったわけだし。
ついうっかり手が滑りましたなんて言って指を触れようものならヴィクターに言い付けてやるからな。行動には気をつけろよ。
「……そんなに気になんの?」
「あぁそうだよだから邪魔するな」
「へぇ……」
今のところ怪しい動きはないようだが授業はまだまだ時間が残っている。大学を意識しているのか高校生が通う学校にしては長めに設定されている授業時間に別の思惑を感じなくもない。おかげでミリたそが大変な目に遭っているのだから折をみて授業短縮の嘆願書でも出そうと思う。
教室の真ん中あたりに座るミリたその姿を最後方のこの席から捉えるには障害物が多く、頭をあちこちへ伸ばしながら1人チューチュートレインに勤しんでいれば、不意に肩に腕を回されぎょっと隣を見る。
「え、何……?」
「別に?」
別に何てことないだろ肩組んでおいて。俺とお前はそんな仲だったか? 違うよな?
不気味も不気味。全身に薄く鳥肌が立つのを感じながら、ムカつくほど男前な横顔の様子を窺いつつ、肩に置かれた腕を退かそうと身を捩れば「おい」とオレンジの目が俺を見る。
「な、何だよ」
「お前動きすぎ。さっきから眼鏡がこっちチラチラ見てんぞ」
「えっ!」
教卓を見れば、蛍光灯に照らさた眼鏡が確かにこっちを見ていて体がぴしりと固まる。
ミリたその貞操を重んじるあまり、今がヴィクターの授業中であることをしっかり忘れていた。他の生徒の邪魔をしていないとしても、教室の後方でやたらと動く明らかに集中していない生徒を見逃すとは思えない。
ダリウスの言う通り大人しくしておこう。あくまで授業を聞いているだけと言い訳できるように、不自然じゃない程度に背筋を伸ばしたところで、ふとダリウスを見る。
……もしかして、俺が怒られないように気に掛けてくれたんだろうか。さっき半乱狂でヴィクターの恐ろしさを叫んでいたから……? コイツ、……案外イイ奴なのかもしれないな……。
ゲームの制作陣のせいで性欲にとらわれてしまっただけで、根は普通の高校生だもんな。クラスメイトのこと助けてくれるなんて可愛いところもあるじゃないか。
ダリウスの年相応な一面に、にやにやと顔を歪ませダリエルとみていれば、「何だよ」と不機嫌そうに顔を顰める。
「べっつにぃ~?」
さっきのダリウスの真似をすれば眉毛がピクリと跳ねた気もするが痛くも痒くもない。
なんて言ったって中身は人生一周目の高校生である。二周目を謳歌している俺の手にかかればガキンチョに過ぎない。
お子様ダリウスのことは放っておいて、教室の真ん中、小さくて丸いミリたその後頭部を見る。その後ろ姿に異変がないところを見ると、サーブはまだ手を出していないのだろう。
さすがヘタレサーブ。振り返れば本物のミリたそがいるというのにわざわざ俺の顔面に掛った精液を舐めとろうとしていただけのことはある。まぁ、あのとき実際にミリたそに直接手を出していれば、俺が全身全霊で殴り飛ばしていたが。
その調子でモブらしく大人しくしていてくれよ、何て考えていれば。
肩に回されていたダリウスの腕がにゅっと伸びる。
そして。
「――っ!?」
ブレザーの上から乳首を押し込まれ声にならない悲鳴を上げる。裏返る声を必死に飲み込み隣を睨むと、何でもない顔で指先に力を入れやがる。
「おま、何して……!」
「声」
うるせぇぞどでも言いたげなその言葉と生意気な表情に怒りが湧き上がった。
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