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初デートの鉄則
妄想>>>>現実2※
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目に猛毒を直接浴びせられるという状況は脱出できたが、今度は別の問題が浮上してくる。音漏れだ。
壁に耳を当て、僅かに響くシャワー音を必死に拾っている自分は傍から見ればきっと紛うことなき変態だ。分かってる。分かっているけど、たった壁1枚隔てたその先で推しが全裸になっているこの状況に興奮しないオタクなんているわけないだろ! 今なら会場外で音漏れに耳をすますアーティストファンの気持ちが痛いほど分かる。マナー違反だと指摘されてもこの衝動を止めることはできない。
そうすれば兆しを見せていた息子が元気よく顔を出すのは自然の摂理だ。
「自己処理だからこれはセーフ……」
誰に向けるわけでもなく1人呟いて、ズボンに手を伸ばす。服を押し上げる勃起した性器に直接手を添えた。
よくないことだと分かっている。色んな人に襲われて怖いと涙を浮かべていた子をおかずにオナニーとかよくない。よくないけど。
地面を弾く水の音に興奮した脳の熱は、そんなちっぽけな理性で冷めるほど低くはなく、むしろ背徳感に後押しされ上がる一方だ。
硬くなった性器に這わせた手を上下させ、己を慰める。昂っていた体が待ちわびていた感覚に歓喜するのを感じながら短く息を吐き目を瞑り、ミリたその姿を思い浮かべた。
雨に濡れ透けた肌。あれはスチルでも見たことがない、この世界限定の言わば描きおろしみたいなものだ。この世界だけで見ることができる、俺のための。
ベストに隠されて見えなかったけれど、胸の中央にある熟れた色の乳首がシャツを押し上げる様を想像して体を熱くする。
「ふっ、……ぅ、」
開発は、もう終わっているのだろうか。一応、ゲーム内ではダリウスがしていたと思うけれど、該当イベントはまだ目撃していない。であれば、まだ誰にも触られていない可能性もある。
脳内に描くミリたその乳首をピンク色に修正して、大きさも小ぶりに描き変える。
きっと、触られたってまだ違和感を覚える程度のはずだ。慎ましいそれがシャツに擦れるだけで感じてしまう程敏感になるとは思ってもいない時期。そんな胸に他人の性器を擦りつけられたらどんな顔をするのだろう。涙を目一杯に浮かべて嫌悪に顔を歪めながらも、性器が乳首を掠めるたびに体を跳ねさせるのか。それとも、勃起したそれに自らすり寄って体をくねらせるのか。
乳首を見せつけるためにシャツを抑える手は震えているに違いない。シャツは口で咥えていたっていい。シャツを噛みしめる唇の隙間から零れた唾液が体を濡らすはずだ。唾液と相手の先走りでぐちゃぐちゃになった己の体を這う性器を目で追いかけて熱い息を洩らして、痴態に気付いて目を逸らす。けれど、本能に逆らえず視線を戻して、開発済みの疼くお尻を埋めるため媚びるように腰を揺らし、膨れ上がった後孔を見せつけるように脚を開いて――。
……だめだ。これ以上はだめ。俺とミリたそは友達で。性的な好意を嫌うあの子の体を、いくら想像の中とはいえ汚してはいけない。
それでも性器を扱く手は止まらず、慎ましくも主張する乳首を裏筋になすりつける想像をすると、どぷりと先走りが零れてしまう。
「ぅ、はぁ……っ、ミリたそっ」
溢れ出たそれを手の平に絡ませて、ぬちぬちと手を上下させた。だめだと言い聞かせる程、興奮具合を示すように分泌される先走りは増えていく。無機質なスチルじゃない。安いディスプレイに映る、目を凝らせば画素の粗さが目立つものじゃなくて、どこまでも滑らかでリアルな質感。この世界で知った声の高さ、体温、香り、全てを思い出して妄想を現実に押し上げる。
だんだんと湿り気を帯びる音と、脳内で繰り広げられるミリたその痴態に吐く息が熱くなり、必死に手を動かした。
「ふ、ん……っ、うぅっ……!」
久しくができていなかった一目を気にしないオナニーにあっという間に高まった体から勢いそのままに白濁が飛び散った。手の平に収まり切れず、目の前の壁とズボンを白く汚す精子をぼぅっと眺め、息を整える。その間に冷静さが戻り、さっと顔を青くした。
……やってしまった。
最低だ、俺。ミリたそで抜くなんて最低最悪だ。スチルならまだしも現実のミリたそをおかずにするなんて。
こんなんじゃTPOを弁えずミリたそを襲ったヤツらと同じじゃないか。
「消えたいー……」
「どうかされたんですか?」
頭上から落ちてきた声に肩が跳ねる。顔を上げれば正面に立つミリたそがいて目を見開いた。
「モーヴ君、どうしてそんな端の方に――」
「何で服着てないの!?」
部屋の端で罪悪感を減らすために体育座りをする俺を見下ろすミリたそが身に纏っているのは、先ほどまで着ていた服ではなくてホテル備え付けのバスローブだ。小柄なミリたそにはサイズが大きいのか、緩んだ合わせ目についつい焦点を合わせようとする愚かな目を両手で塞ぎ、立てた膝に顔を埋める。
「そ、そそそそそんな恰好、は、ハレンチだよ!」
「すみません、見たくないですよね、こんな姿……」
「いいえ!? むしろ眼福ですが!?」
「眼福……?」
「…………何でもないです」
だめだ。これ以上ここにいると、とんでもないことを口走ってしまいそうだ。
「あの、俺もシャワーを浴びてきます……。その服も、とっても似合っているので自信持ってください……」
少しだけ顔を上げて、座ったまま尻ばいで横移動する。その道中、視界に入り込んだミリたその素足で足コキされる妄想で立ち上がった息子を脱衣所で慰めもう一発抜いてしまい、シャワーを浴びながら自己嫌悪に陥ったのは言うまでもない。
壁に耳を当て、僅かに響くシャワー音を必死に拾っている自分は傍から見ればきっと紛うことなき変態だ。分かってる。分かっているけど、たった壁1枚隔てたその先で推しが全裸になっているこの状況に興奮しないオタクなんているわけないだろ! 今なら会場外で音漏れに耳をすますアーティストファンの気持ちが痛いほど分かる。マナー違反だと指摘されてもこの衝動を止めることはできない。
そうすれば兆しを見せていた息子が元気よく顔を出すのは自然の摂理だ。
「自己処理だからこれはセーフ……」
誰に向けるわけでもなく1人呟いて、ズボンに手を伸ばす。服を押し上げる勃起した性器に直接手を添えた。
よくないことだと分かっている。色んな人に襲われて怖いと涙を浮かべていた子をおかずにオナニーとかよくない。よくないけど。
地面を弾く水の音に興奮した脳の熱は、そんなちっぽけな理性で冷めるほど低くはなく、むしろ背徳感に後押しされ上がる一方だ。
硬くなった性器に這わせた手を上下させ、己を慰める。昂っていた体が待ちわびていた感覚に歓喜するのを感じながら短く息を吐き目を瞑り、ミリたその姿を思い浮かべた。
雨に濡れ透けた肌。あれはスチルでも見たことがない、この世界限定の言わば描きおろしみたいなものだ。この世界だけで見ることができる、俺のための。
ベストに隠されて見えなかったけれど、胸の中央にある熟れた色の乳首がシャツを押し上げる様を想像して体を熱くする。
「ふっ、……ぅ、」
開発は、もう終わっているのだろうか。一応、ゲーム内ではダリウスがしていたと思うけれど、該当イベントはまだ目撃していない。であれば、まだ誰にも触られていない可能性もある。
脳内に描くミリたその乳首をピンク色に修正して、大きさも小ぶりに描き変える。
きっと、触られたってまだ違和感を覚える程度のはずだ。慎ましいそれがシャツに擦れるだけで感じてしまう程敏感になるとは思ってもいない時期。そんな胸に他人の性器を擦りつけられたらどんな顔をするのだろう。涙を目一杯に浮かべて嫌悪に顔を歪めながらも、性器が乳首を掠めるたびに体を跳ねさせるのか。それとも、勃起したそれに自らすり寄って体をくねらせるのか。
乳首を見せつけるためにシャツを抑える手は震えているに違いない。シャツは口で咥えていたっていい。シャツを噛みしめる唇の隙間から零れた唾液が体を濡らすはずだ。唾液と相手の先走りでぐちゃぐちゃになった己の体を這う性器を目で追いかけて熱い息を洩らして、痴態に気付いて目を逸らす。けれど、本能に逆らえず視線を戻して、開発済みの疼くお尻を埋めるため媚びるように腰を揺らし、膨れ上がった後孔を見せつけるように脚を開いて――。
……だめだ。これ以上はだめ。俺とミリたそは友達で。性的な好意を嫌うあの子の体を、いくら想像の中とはいえ汚してはいけない。
それでも性器を扱く手は止まらず、慎ましくも主張する乳首を裏筋になすりつける想像をすると、どぷりと先走りが零れてしまう。
「ぅ、はぁ……っ、ミリたそっ」
溢れ出たそれを手の平に絡ませて、ぬちぬちと手を上下させた。だめだと言い聞かせる程、興奮具合を示すように分泌される先走りは増えていく。無機質なスチルじゃない。安いディスプレイに映る、目を凝らせば画素の粗さが目立つものじゃなくて、どこまでも滑らかでリアルな質感。この世界で知った声の高さ、体温、香り、全てを思い出して妄想を現実に押し上げる。
だんだんと湿り気を帯びる音と、脳内で繰り広げられるミリたその痴態に吐く息が熱くなり、必死に手を動かした。
「ふ、ん……っ、うぅっ……!」
久しくができていなかった一目を気にしないオナニーにあっという間に高まった体から勢いそのままに白濁が飛び散った。手の平に収まり切れず、目の前の壁とズボンを白く汚す精子をぼぅっと眺め、息を整える。その間に冷静さが戻り、さっと顔を青くした。
……やってしまった。
最低だ、俺。ミリたそで抜くなんて最低最悪だ。スチルならまだしも現実のミリたそをおかずにするなんて。
こんなんじゃTPOを弁えずミリたそを襲ったヤツらと同じじゃないか。
「消えたいー……」
「どうかされたんですか?」
頭上から落ちてきた声に肩が跳ねる。顔を上げれば正面に立つミリたそがいて目を見開いた。
「モーヴ君、どうしてそんな端の方に――」
「何で服着てないの!?」
部屋の端で罪悪感を減らすために体育座りをする俺を見下ろすミリたそが身に纏っているのは、先ほどまで着ていた服ではなくてホテル備え付けのバスローブだ。小柄なミリたそにはサイズが大きいのか、緩んだ合わせ目についつい焦点を合わせようとする愚かな目を両手で塞ぎ、立てた膝に顔を埋める。
「そ、そそそそそんな恰好、は、ハレンチだよ!」
「すみません、見たくないですよね、こんな姿……」
「いいえ!? むしろ眼福ですが!?」
「眼福……?」
「…………何でもないです」
だめだ。これ以上ここにいると、とんでもないことを口走ってしまいそうだ。
「あの、俺もシャワーを浴びてきます……。その服も、とっても似合っているので自信持ってください……」
少しだけ顔を上げて、座ったまま尻ばいで横移動する。その道中、視界に入り込んだミリたその素足で足コキされる妄想で立ち上がった息子を脱衣所で慰めもう一発抜いてしまい、シャワーを浴びながら自己嫌悪に陥ったのは言うまでもない。
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