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神の果実
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聖なる実は神の食べ物であり、それを口にした女剣士たちは、自分たちの感覚が、異様に鋭くなっているのにすぐ気付いていた。
「おい、ちょっとお前の触手と手合わせさせてくれ」
女剣士が、なにやら自信ありげに俺を見る。
「いいけど、あの大賢者様・・・」
「ああ、別に構わんよ、血で派手にこの辺りを汚しさえしなければ森も怒るまい。が、余り儂から離れると、森に惑わされるかもしれんから、儂の目の届く範囲でな」
「はい」
どうやら、俺たちが、ここに辿り着く前、森に惑わされたのを大賢者様も察しているようだ。確かに大賢者から離れ過ぎたら、また森に惑わされ、大賢者様の元に戻るのに苦労するだろう。
俺は今、精霊が間違うくらい魔族の属性が強いのは間違いないようだ。
そして、俺たちの周りの草木が動物のように動いて、俺たちのために暴れていいように場所を用意した。
「私は剣を使わない。お前は、自由に触手を使っていいぞ」
女剣士が、自信ありげに徒手空拳を宣言する。
「いいのか、実を食べたばかりで、随分強気だな」
「ああ、わかるんだよ、今の私なら、十分素手でやり合えるって。それより、お前、その触手で、私を犯してみたいんだろ?」
「は? 何言ってるんだ」
「隠すなよ、あいつみたいに私に悲鳴を上げさせたいんだろ、いいぜ、私が負けて捕まったら、私にエロいことしていいぞ。お前も、穴という穴にそれをぶち込みたいんだろ?」
女剣士が、俺を挑発するように笑みを浮かべていた。
「おいおい、無様に喘ぐことになっても知らないからな」
「それは、どうかな」
俺たちは、真剣に対峙した。観客は、大賢者様、団長、聖女様、獣人娘、エルフだけであるが、見ている者がいるというだけで十分だ
「本当に、捕まえたら、エロいことしていいんだな」
つい、触手王に捕まった時の女剣士の痴態を思いだし、こめかみが痛んだが、痛みよりも、男としての下心が勝る。
「じゃ、いくぜ」
「ああ、手加減なしで、どうぞ」
「あとで、泣いても知らねぇぞ」
すべての触手をヒュンヒュンと唸らせて、一斉に彼女に襲わせる。
いくら神の力を授かろうとすべての触手を躱すのは無理だろうと本当に手加減なしで、すべての触手を一気にビュンと伸ばした。が、まるで、こちらの動きが読めるかのように彼女が躱す。
「うむ、見える。触手の動きがはっきりと」
俺たちを見守っていた団長が、うなずく。
「本当、触手がすごくのろく見える」
獣人娘も観戦しながら、自分の動体視力の向上に驚く。
「これなら、もっと早く、聖なる実を食べたかったね」
触手王に散々煮え湯を飲まされていた団長が、のろく見える触手にため息をつく。
「ね、団長さん。私らも、ちょいと手合わせしない? 私も団長さんみたいな立派な冒険者になりたいから、ちょっと指南してよ」
俺と女剣士がやり合っているのをみて、自分も腕試ししたくなった獣人娘が団長に声を掛ける。
「指南ね。あんた、男だらけの冒険者の中で女だてらに冒険者をやるのには、何が必要だと思う」
「剣の腕?」
「いや、もっと単純にこいつだよ」
団長はぐっと握りこぶしを作った。
「女が冒険者をやっていくには、男をぶん殴れる拳がいるんだ。それがなければ、男に媚びて股でも開くしかないね。それが嫌なら、冒険者なんて憧れない方がいい」
「じゃ、その拳の指南を」
「ああ、いいよ」
見ているだけは退屈とばかりに、団長と獣人娘も俺たちの近くで、素手での殴り合いを始めていた。
「おらおら」
「は、てぃ」
ふたりとも加減なしで拳を振り回していた。
それを横目で見ながら俺も触手をうねうねと走らせていた。
一本も当たらない。触手は十本、それらすべてをみきり、女剣士は軽やかに触手を躱し、ときには払いのけたりして俺の触手から逃れていた。
彼女は楽しそうだったが、腕試しに利用されている俺としてはいささか不愉快になってきた。だから、罠を仕掛けた。払いのけられた触手を数本こっそりと、地面に這わせて、残った触手で必死に攻撃して、その地面を這っている触手の方に悟られないように彼女を追い詰める。そして、彼女が躱すのに夢中になり、それを踏んだ瞬間、にゅるにゅるっと彼女の死角から絡みついた。目がよくなって、正面からの攻撃に気を取られていた彼女は、下から足をからめとられて、逆さづりになっていた。逆さづりになったので、慌ててスカートを押さえ、もう手合わせどころではなくなっていた。
「はぁ・・・、足元から這ってくるとは、あんた、相当スケベね」
「いやいや、足元への注意が疎かになっていた、そっちのミスだろ」
「私の負けね、ほら、好きにしなさいよ」
彼女は潔く諦めて、スカートを押さえるのもやめて、好きにしろという感じで力をぬいてだらんと触手に吊るされていた。
「ほら、早く、触手をあちこちにぶち込みたいんでしょ」
「いやいや、本当にエロいことしたら怒るだろ」
そう、好きにしていいと言われても、そこは抑える。俺は彼女をゆっくり地上に下した。
「なによ、ヘタレ」
せっかく、何もせずに解放してあげたのに彼女は不服そうに言った。
「なんだよ、実際に何かエロいことやったら、絶対軽蔑するくせに・・・」
そう、勝負の条件として、ちゃんと取り決めたことでも、実際にやったら相棒が激怒するのは容易に想像できた。
「なによ、私の身体なんて、いたぶる価値はないって言いたいの?」
「なんだよ、そんなに犯してほしいなら俺の寝床に夜這いでもしろよ」
「だれが、夜這いなんて!」
「おいおい、痴話ゲンカかい」
軽く汗をかいた団長さんが俺たちに声を掛ける。逆に指南を受けた獣人娘には顔に無数の青あざができていた。
「そっちは、ちょっとやりすぎじゃないか」
「いやいや、なかなか見どころのある子なんで、つい指導に力が入っちまっただけさ」
「本当、団長さん、手加減なしなんだもの」
「なにいってるんだ。こっちが本気にならなきゃ、私の顔が、今頃、お嬢ちゃんの爪でズタズタじゃないか」
団長と獣人娘はお互いにいい運動をしたという感じで笑い合っていた。
「さて、鍛錬はこれくらいにして、吸血鬼に会いに行きましょうか」
俺は、みなにそう言った。このメンバーなら、きっと俺に付き合ってくれると思って。
「あ、悪いけど、一旦街に帰らないか。うちの団員たちのこともきになるし。もちろん、吸血鬼に会いに行くのも付き合ってやるよ、腕がもとに戻るまで見届けると言ったしね」
団長が、街に戻ることを口にし、俺の相棒も同意する。
「そうですね、ギルド長にも経過報告をしといた方がいいでしょうし、街に戻りましょう」
そして、俺たちは一旦街に戻ることにした。
「おい、ちょっとお前の触手と手合わせさせてくれ」
女剣士が、なにやら自信ありげに俺を見る。
「いいけど、あの大賢者様・・・」
「ああ、別に構わんよ、血で派手にこの辺りを汚しさえしなければ森も怒るまい。が、余り儂から離れると、森に惑わされるかもしれんから、儂の目の届く範囲でな」
「はい」
どうやら、俺たちが、ここに辿り着く前、森に惑わされたのを大賢者様も察しているようだ。確かに大賢者から離れ過ぎたら、また森に惑わされ、大賢者様の元に戻るのに苦労するだろう。
俺は今、精霊が間違うくらい魔族の属性が強いのは間違いないようだ。
そして、俺たちの周りの草木が動物のように動いて、俺たちのために暴れていいように場所を用意した。
「私は剣を使わない。お前は、自由に触手を使っていいぞ」
女剣士が、自信ありげに徒手空拳を宣言する。
「いいのか、実を食べたばかりで、随分強気だな」
「ああ、わかるんだよ、今の私なら、十分素手でやり合えるって。それより、お前、その触手で、私を犯してみたいんだろ?」
「は? 何言ってるんだ」
「隠すなよ、あいつみたいに私に悲鳴を上げさせたいんだろ、いいぜ、私が負けて捕まったら、私にエロいことしていいぞ。お前も、穴という穴にそれをぶち込みたいんだろ?」
女剣士が、俺を挑発するように笑みを浮かべていた。
「おいおい、無様に喘ぐことになっても知らないからな」
「それは、どうかな」
俺たちは、真剣に対峙した。観客は、大賢者様、団長、聖女様、獣人娘、エルフだけであるが、見ている者がいるというだけで十分だ
「本当に、捕まえたら、エロいことしていいんだな」
つい、触手王に捕まった時の女剣士の痴態を思いだし、こめかみが痛んだが、痛みよりも、男としての下心が勝る。
「じゃ、いくぜ」
「ああ、手加減なしで、どうぞ」
「あとで、泣いても知らねぇぞ」
すべての触手をヒュンヒュンと唸らせて、一斉に彼女に襲わせる。
いくら神の力を授かろうとすべての触手を躱すのは無理だろうと本当に手加減なしで、すべての触手を一気にビュンと伸ばした。が、まるで、こちらの動きが読めるかのように彼女が躱す。
「うむ、見える。触手の動きがはっきりと」
俺たちを見守っていた団長が、うなずく。
「本当、触手がすごくのろく見える」
獣人娘も観戦しながら、自分の動体視力の向上に驚く。
「これなら、もっと早く、聖なる実を食べたかったね」
触手王に散々煮え湯を飲まされていた団長が、のろく見える触手にため息をつく。
「ね、団長さん。私らも、ちょいと手合わせしない? 私も団長さんみたいな立派な冒険者になりたいから、ちょっと指南してよ」
俺と女剣士がやり合っているのをみて、自分も腕試ししたくなった獣人娘が団長に声を掛ける。
「指南ね。あんた、男だらけの冒険者の中で女だてらに冒険者をやるのには、何が必要だと思う」
「剣の腕?」
「いや、もっと単純にこいつだよ」
団長はぐっと握りこぶしを作った。
「女が冒険者をやっていくには、男をぶん殴れる拳がいるんだ。それがなければ、男に媚びて股でも開くしかないね。それが嫌なら、冒険者なんて憧れない方がいい」
「じゃ、その拳の指南を」
「ああ、いいよ」
見ているだけは退屈とばかりに、団長と獣人娘も俺たちの近くで、素手での殴り合いを始めていた。
「おらおら」
「は、てぃ」
ふたりとも加減なしで拳を振り回していた。
それを横目で見ながら俺も触手をうねうねと走らせていた。
一本も当たらない。触手は十本、それらすべてをみきり、女剣士は軽やかに触手を躱し、ときには払いのけたりして俺の触手から逃れていた。
彼女は楽しそうだったが、腕試しに利用されている俺としてはいささか不愉快になってきた。だから、罠を仕掛けた。払いのけられた触手を数本こっそりと、地面に這わせて、残った触手で必死に攻撃して、その地面を這っている触手の方に悟られないように彼女を追い詰める。そして、彼女が躱すのに夢中になり、それを踏んだ瞬間、にゅるにゅるっと彼女の死角から絡みついた。目がよくなって、正面からの攻撃に気を取られていた彼女は、下から足をからめとられて、逆さづりになっていた。逆さづりになったので、慌ててスカートを押さえ、もう手合わせどころではなくなっていた。
「はぁ・・・、足元から這ってくるとは、あんた、相当スケベね」
「いやいや、足元への注意が疎かになっていた、そっちのミスだろ」
「私の負けね、ほら、好きにしなさいよ」
彼女は潔く諦めて、スカートを押さえるのもやめて、好きにしろという感じで力をぬいてだらんと触手に吊るされていた。
「ほら、早く、触手をあちこちにぶち込みたいんでしょ」
「いやいや、本当にエロいことしたら怒るだろ」
そう、好きにしていいと言われても、そこは抑える。俺は彼女をゆっくり地上に下した。
「なによ、ヘタレ」
せっかく、何もせずに解放してあげたのに彼女は不服そうに言った。
「なんだよ、実際に何かエロいことやったら、絶対軽蔑するくせに・・・」
そう、勝負の条件として、ちゃんと取り決めたことでも、実際にやったら相棒が激怒するのは容易に想像できた。
「なによ、私の身体なんて、いたぶる価値はないって言いたいの?」
「なんだよ、そんなに犯してほしいなら俺の寝床に夜這いでもしろよ」
「だれが、夜這いなんて!」
「おいおい、痴話ゲンカかい」
軽く汗をかいた団長さんが俺たちに声を掛ける。逆に指南を受けた獣人娘には顔に無数の青あざができていた。
「そっちは、ちょっとやりすぎじゃないか」
「いやいや、なかなか見どころのある子なんで、つい指導に力が入っちまっただけさ」
「本当、団長さん、手加減なしなんだもの」
「なにいってるんだ。こっちが本気にならなきゃ、私の顔が、今頃、お嬢ちゃんの爪でズタズタじゃないか」
団長と獣人娘はお互いにいい運動をしたという感じで笑い合っていた。
「さて、鍛錬はこれくらいにして、吸血鬼に会いに行きましょうか」
俺は、みなにそう言った。このメンバーなら、きっと俺に付き合ってくれると思って。
「あ、悪いけど、一旦街に帰らないか。うちの団員たちのこともきになるし。もちろん、吸血鬼に会いに行くのも付き合ってやるよ、腕がもとに戻るまで見届けると言ったしね」
団長が、街に戻ることを口にし、俺の相棒も同意する。
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