俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

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265話 困った時の④

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「行こうぜ? 三峰神社」

 突然のミレさんの提案、三峰神社。
 埼玉県にある神社らしい。


『埼玉県秩父市 三峰神社 1102mの高台 龍穴スポット
自ら困難立ち向かい運命を切り開く人の後押しをしてくれる』

 ネットにはそう載っているそうだ。


「ほら、良くないか? 運命を切り開きたい人を後押ししてくれるんだぜ? 春さんもキヨカさんも行きたいだろ? マルクも行ってみたいよな?」

「僕行きたい! 運命を押してもらう!」

「いいですね。私も参加します。いえ、これ以上押して頂かなくても良いのですが、カオるんが行く場所へは一応行くと決めたので」


 タウさん、わけがわからん。
 そして、誰が念話をしたのかゆうごと大地、カンさんと翔太も参加だ。


「そう言えば埼玉方面はあまり行きませんでしたね」

「津波の被害は少なかったから普通の避難所は多かったよな」

「俺も元地元とは言えあまり詳しくないからなぁ。ええと調べたところによると神社は無事そうなんだよ。書き込みしてみたけど行った人からの書き込みは無し。近くに住んでる人の書き込みだけだな」




 と言うわけで俺らは三峰神社を目指す事になった。が、まずは少数で近場まで行きブックマークをする事になった。
 そこでミレさんと俺とマルクの3人で埼玉県秩父市を目指す事に。

 埼玉県のブックマークは数カ所あった。その中で秩父市に近い場所へ飛び、そこから馬で進む。

 埼玉県は都内に近かったせいか、津波の被害こそ無かったが地震や火山の被害はそれなりに受けていた。
 そして、人口が多い割に中々復興が進んでいなかった。

 なんとなく、バラバラに皆が何となく生きている感じだった。自衛隊も中々に苦労していると聞いた。
 昔からの地元民と都内で働いていた新しい住民との間に溝が出来ているそうだ。

 特に後者は『誰かが何とかしてくれるはず』という姿勢が強く、周りも手を焼いているそうだ。
 と言うのは、秩父へ向かう途中で聞いた。

 ミレさんがマップで確認したところ黄色い点もかなり多い、つまり生き残っている人も多いのだが、点滅や赤い点もバラバラとマップに映っているそうだ。

 俺もマップを開く。道を見るためではない、赤の確認だ。


「ほんとだ。赤い点がかなり固まってる場所があるな」

「ああ、きっとシェルターだろ。埼玉にもそこそこシェルターがあるってサンバから聞いたぞ。たぶん、中で発生して外に出ないように閉じ込めてあるんだろ」

「日本はシェルターなんて無いと思ってたが、案外全国にあるんだな」

「だなー。国民には知らされてなかったけどな。今はゾンビ化したシェルターより三峰神社へ急ごう」



 そうしてミレさんの先導で何とか三峰神社へ到着した。結構大きな神社だ。


「やはりセーフティゾーンっぽいな……」


 伊勢も椿大もサムハラも、鳥居の中でブックマークが出来ない神社が多々あった。
 俺らはそれを『神社内はセーフティゾーン』だからだと思った。

 ゲームでもセーフティゾーンではブックマークが出来ない事があるからだ。
 それに気のせいかも知れないがMPの回復も速い気がする。HPは減った事がないのでわからない。

 そして三峰神社も鳥居の内側でブックマークは出来なかった。つまりここもセーフティゾーンである事は間違いない。
 ミレさんが三峰神社に到着した事をタウさんへ知らせた。

 タウさんらを呼びに行く前にまずは参拝をしてお邪魔する旨を神様に報告しようと俺たちは鳥居から中へと進んで行った。


「痛っ」


 ん?


「どした? カオるん」

「あ、いや、何か……落ちてきた?」


 何かが頭に当たったのだが、周りを見ても何もない。てっきり木の枝とかが折れて落ちてきたのかとおもったのだ。
 つい反射的に痛いと言ったが実はたいして痛くはなかった。足元にも木の枝など落ちていなかった。

 進んで行くとまた何かがお頭に落ちた。

 んんん???何だ?
 雨……いや、雹でも降ってるんか?
 確かにどんよりしていて雪が降ってもおかしくないくらい寒い。

 俺が上や下をキョロキョロと探しているのを不審に思ったマルクやミレさんが近寄ってきた。


「どした、カオるん、さっきからキョロキョロして」

「何か頭に当たるから、何だと思ってさ……」


 そう言って俯いて地面を見た瞬間、また後頭部に何かが当たった。
 顔を上げたのと入れ違いにマルクがしゃがんでいた。


「父さん、これ拾った」


 マルクが差し出したのは小さい本当に小さい普通の砂利石だった。


「ん?」

「これがね、父さんの頭にコツンってなって落ちた」


 ミレさんが上を見上げている。


「鳥が咥えていた石でも落としたんかね」

「さっきから3回も? 俺、鳥に狙われている?」

「カオるん、鳥になんか悪さしたんか?」

「してないぞ、人聞きが悪い。やめて」


 その後は鳥の襲撃(?)もなく、拝殿に着いた。
 そこでお参りを済ませたあと、境内に人が居たのでミレさんが話しかけていた。


「なんかな、狛犬さまにも手を合わせた方がいいそうだぞ」

「なるほどそうなのか。神社によってお作法があるんだな」


 狛犬さま……あれだろうか?
 見つけたそれに向かい手を合わせた。


『現在習得可能なスキルはありません』


 んん?

 パンパン。

『現在習得可能なスキルはありません』


 んんん?


「父さん、変なの出たぁ」


 隣で手を合わせたマルクが俺を見てくる。


「大丈夫だ。俺もでた。ミレさぁぁぁん」


 急いでミレさんを呼んだ。


「ミレさん、ミレさん、変なの出たぞ? スキルが無いとかなんとか。いや、もう十分持ってるからいらんけどな」


 それを聞いたミレさんが慌てて手を合わせたと思ったら飛び上がった、それに驚いた俺とマルクも飛び上がった。


「うっし! よしよしよし! きたぁぁぁぁ!」

「何だよ、ビックリするじゃないか」

「いや悪りぃ、ふははは、とうとう出たぞ、俺の新スキル。SEが出たぜ!」


 ビックリだ。ミレさんに新スキルが生えたそうだ。
 元からミレさんにはDE、ゲームのダークエルフのスキルはあった。

 でも今発生したのは、リアル職業のスキルらしい。
 慌ててタウさんに報告した。


『直ぐに、今すぐに迎えに来て下さい!』


 タウさんに言われてミレさんとマルクを残して大雪山へと飛んだ。
 そこにはタウさん、カンさん、ゆうご、大地、春ちゃん、キヨカ、カセ、クマ、ナラが待ち構えていた。


 ブックマークをした三峰神社の鳥居前に全員を連れて飛んだ。そのまま鳥居をくぐり、拝殿へ向かう。
 アイテムボックスからWIZマントを取り出して、マントのフードを被った。

 タウさんらは不審な顔をしたが、今は拝殿へ向かう足を止めなかった。
 鳥の攻撃は無かった。

 鳥の攻撃は無かったが、その後が阿鼻叫喚の大混乱だった。


「おう、カオるん、お帰りぃ。ご苦労様。つかさ、俺、ELFも出たぞ」


 ミレさんにエルフが???
 ああ、今まで無かったんだっけ?異世界転移前はDE一択だったのか。セカンドエルフは戻ってからで、リアルステータスには表示がなかった?
 それが、今、表示された?ほおおお。

 ミレさんの話を聞いた一行が参拝を始めたと思うと大騒ぎだ。


「本当だ、私はWIZが表示されました。スキル欄に『魔法』と表示がありますが、そこに触れても魔法名は表示されていません。まぁ、魔法は未習得ですから」

「僕は新たには何も出ていないです」

「やったぁ!WIZとELFが出た! エルフの精霊魔法はどこで習得でしたっけ? WIZのような魔法書は必要なかったですよね。ちょっと調べて……」

「ゆうご!やったぜ! 俺もELFが出てる! WIZは出てないや……」

「ふふふ、僕はELFとWIZが表示されました。ふはははは」

「私もKN……これ、ナイトですよね。それとELFも」

「僕ね僕ね、WIZとELF!」


 うん。マルク君や、君は前からWIZは出てたし魔法も使えたでしょ。エルフが追加になったのか?
 と、それより誰に何が起こったのかさっぱり分からん。

 いつもは仕切る側のタウさんや春ちゃんも、今はあの狂乱の輪に居る。
 寂しいな……。
 自分のステータスを再度確認しても目新しい物は見つからない。いや仕方がないか。目新しい事もしていないからな。

 皆が落ち着くまで暫く大人しく待った。
 ようやく、タウさんから声がかかった。


「アジトへ帰還しましょう。帰還後は大会議室へ集合してください」


 それぞれがアジト帰還スクを使用して大雪山へと戻った。
 しかし同じ大雪山でも区画がそれぞれなので、その後、南区画の大会議室へと集合した。

 南区画は養老の砂漠のアジトとして登録をしたので、ブックマークが出来ない。
 他血盟に限らず、自分の血盟のアジトであってもアジト内のブックマークは不可能だった。

 実はアジトが登録出来てアジト帰還スクが使えると言うメリットとは反対に、デメリットとしてアジト内のブックマークが不可能なのが発覚したのだ。

 今までは自分の個室やよく使う会議室、食堂などをブックマークしていたのだが、今は足での移動になった。
まぁ、健康のため、歩く事にしようと自分を納得させた。

 俺、マルク、春ちゃん、キヨカ、カセ、ナラ、クマは、今、早歩きで廊下を移動中だ。
 アジト内の移動用に自転車とかアリかなぁ。今度会議で議題にあげてみよう。
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