俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

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273話 色んな国から④

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 全員が無事に着地した。カセが車を出して乗車する。
 周りの不思議な風景を見ながら、街へと近づく。


「赤はみえませんね。黄色も……ここからだと点滅は無いのかな」

「近づいてみないと何とも言えませんね」

「かなり寒いが雪は積もっていない。乾燥した地なのか、もとから降水量が少ないのか」


 街へと到着し、ゆっくりと車で進む。
 建物は少ないが、人も少ない。俺もマップで確認をしているが、マップの中央の建物に集まっているようだ。
 敵対したくない。いまはまだ黄色だ。


「連絡は取れました。窓に黄色いシーツを出しているそうです」


 さっきからスマホで英語を話していたナラが振り返った。それぞれ左右の窓からシーツを探す。
 マップにポツンとひとつ黄色い点がある。それに気がついたカセも狭い道を右へと進む。


「ああ、あれでしょう」


 クマが助手席から頭を出した。
 建物の2階窓にかかった黄色い布、その後ろから痩せた男が顔を出した。
 そして、こちらに手を振った。

 英語?で話していたので俺には何を言っているかわからなかった。
 たぶん、『おーい、ここだ!助かった!救助に来てくれてありがとう』みたいな事だろう。知らんが。


 タウさん達が要救助者から話を聞いている。事前にも多少は聞いていたらしい。
 青年は旅行でここを訪れた時にあの大災害に見舞われた。そして帰る手段を失った。

 この街に住んでいた人に受け入れてもらったが、やはり余所者。特に最近は食料が尽き始めて、尚更居づらくなった。
 そんな時にたまたま繋がったネットで日本の事、ゲームの事を知り、ダメ元でゲームログインをねばったそうだ。

 そして今回『要救助者』に当たったと。

 現在は中央の会館に集まってる町民達も、移動の計画を立てているそうだが、自分はそのメンバーには入れてもらえないと悲しそうに言っていた。

 ニュージーランドで生まれたが肉親は既に亡くなりひとりでアメリカを働きながら旅していたそうだ。

 ニュージーランドへ送る事は出来ないが、日本へ来る気があるなら連れていく旨を告げた。

 大喜びしていた。
 現在、北海道のあちこちに避難所が作られている。その中に国際棟がある。インターナショナルな人達が集まっている。
 そこへ連れていく。

 持って行く荷物を詰めてもらう。大きい物はクマがアイテムボックスに収納した。
 それを見た青年が、ミラコーミラコーと大騒ぎしていた。


 行きは長いが帰りは一瞬だ。
 スクロールがもったいないので俺のエリアテレポートだ。周りに集まってもらい、と言うか青年を取り囲み、一瞬で避難所前だ。


「ミラコー! ミラコー! アメーズ ドゥロッピ」

 なんかわからんが驚いている事はわかった。
 あとは係員に聞いてくださいねー。


--------------


 俺らは大雪山で軽くティタイムをとりながら今後の事を話す。


「救助もさー、行くのは遠くて大変だけど帰りは一瞬じゃん? なんかもったいないって言うかさー」


 あ、ミレさん、それわかる。


「どうせ時間かけて遠くまで行くから、もっと大勢救いたいよな」

「けど、孤立している個人がターゲットなのでどうしても今日みたいになりますよね」

「大勢の救助はその国や自衛隊に任せたいですね」

「うーん、広すぎるんだよなー。世界ってさぁ」

「それに誰でも彼でも連れてきたら日本が混み混みよ?」


 そっかぁ。アネの言う事ももっともだよな。


「あとは、救助の近場を幾つかピックアップするか、たったひとりの救助でもブックマークは残りますから無駄ではないですよ」

「あ、それ、確かにそうだよなぁ。今日のとこ、凄く不思議じゃなかったか? 今度ゆっくり行きたいな」

「ですね。石化の森とは不思議です」

「地球って思った以上にファンタジーだったんだな」

「そうだなぁ。俺たちが知らなかっただけか」




 俺たちがのんびりとティーを堪能していたところにキングジムが飛び込んできた。


「大変です! 緊急事態です」


 ティーカップを口に運んでいた手が止まる。


「ジムさん、落ち着いて。緊急事態ってどのくらい緊急?」

「隕石落下からしょっちゅう緊急な事態が起こってるからなぁ。緊急でもレベルで言うとどんくらいだ? レベルAとかSだったら大変だ。BかCならまぁ、ねぇ?」


 ジムは少し考え込む。


「あー、ええと、レベルD……いや、Eくらい?」

「緊急レベルE! それ、あまり緊急でないのでは?」

「……そう言われると、そうでした。そこそこ急がないレベルです」

「それで? 何が起こったのですか?」


 タウさんが静かにジムへと向き合う。
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