忘却の召喚少女は次代魔王候補のヒロイン候補に言い寄られています

キャラ☆めり〜ぜ

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伝承・冬の妖精たち(2)

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「うん……」
 本の山に埋もれてカロンが目を覚ますと、丁度、ペリが眠っているカロンの肩に毛布を被せてくれたところだった。
「カロン様。随分と寒くなりましたから、その服装では風邪を引いてしまいますわ」
 あの晩餐会から、ひと月経ち、窓の外ではちらちらと雪が降り出し、ユートピアは新しい年を迎えようとしていた。
 ジュンが言うには、今日は"クリマスイヴ"で明日は"クリスマス"というジュンのいた世界のお祝いの日らしい。
 それに倣って、年末になるとユートピアの貴族の間では年明けまで毎日のように夜会が行われようになったという。
 カロンもジュンと一緒に、明日、行われるエリザの家の夜会の招待状を貰っていたが、カロンは複雑な心境だった。
 先日の隣国の使者を招いた貴族が集まる平和記念晩餐会で初めて挨拶したカロンだったが、エリザの放つ魅了の誘惑フェロモンにかかってしまいゼノンたちに迷惑をかけてしまった。
 カロンが目を覚ましてから聞かされた話たが、大抵の貴族たちは生まれた時から耐性を持っているらしく、エリザが放った誘惑フェロモンの量ではエリザに対して印象がよくなる程度で、カロンのように体調に影響を及ぼすことはないらしく、カロンには生まれつきその耐性がないようだと言われた。
 次の貴族の集まる場では誘惑フェロモンの対策についてジュンがどうにかしてくれると言っていたが、またあの時のように迷惑をかけてしまうのではないかとカロンは不安だった。
 そんな不安な気持ちを抱えたまま、今日もカロンは退屈で本を読んでいた。
 いつもカロンの身の回りの世話をして話し相手になってくれるルビィとガーネットは魔法学院の夜会の準備で忙しいらしく、カロンはここ数日の間、二人の姿を見ていない。
 義兄ゼノンはいつも通り勉強や剣の鍛錬で忙しい。
 ただ今日は義父であるジュンが朝から嬉しそうな顔をして、早めに仕事を終わらせようと意気込んでいた。
 ジュンは今日と明日の夜会を楽しみにしているらしく、退屈そうにしているカロンに、ちょっと早い"クリスマスプレゼント"だと言ってカロンに一冊の本を渡してくれていた。
 ジェド・マーロスという青い服を着た白い髭の老爺の姿をした霜の妖精が出てくる絵本だった。
 子供にとっての"クリスマスプレゼント"と"誕生日プレゼント"は特別だとジュンは言っていたけれど、カロンには、よく分からなかった。
 ジュンからは沢山の色んなものを貰っていたからだ。
 今、着ているこの服や、この広い部屋だってそうだ。
 そして、名前。
「カロン」
 自分の名を口にして、先程まで見ていた夢の中で、自分のことを誰かがそう呼んでいた気がした。
 名前の意味は知らないけれど、大切な名前なのだとジュンは教えてくれた。
 魔王城の地下にある巨大な召喚陣に召喚されてふた月が経つが、その前の記憶は朧気だ。
 ただ声が聞こえた。
 誰かを呼んでいる泣きそうな声だった。
 目の前に差し出された手を握ったら、何故か悲しくなって、気づいたら泣いていた。
 カロンが握ったその手の持ち主は平気な顔をして心の中で泣いていた。
 それがゼノンの心の声だと分かったのは最近の事だ。
 ジュンも時々、心の中で泣いている事があったが、それは忙しい仕事の合間に訪れているカエラの棺のある展望室から出てきた時だけだ。
 ペリから聞いていた話で、去年のエーデンハルトとの平和記念式典の最中、ゼノンはカエラと一緒にいて、命を狙われて、庇われてカエラがあんな姿になったのをいつも悔やんで心の中でずっと泣いているのだとカロンは思った。
 ゼノンはあまり他人の前では表情が変わらないように見えて、心の中ではいつも泣いている。
 だが、ジュンやカロンには優しい笑顔を向けてくれる事がある。
 ゼノンが笑顔を見せてくれるのは、カロンを自分の家族と認めてくれた証だと思ってカロンは嬉しかった。
 ここに召喚される前に近くにいた彼らはいつも何かに怯えて、救いを求めていた。
 そして、意思がなく、物言わぬカロンを"イケニエ"として扱っていた。
 今、思うと、あれは不快だった。
 彼らの声はいつも聞こえていたから。
 ここに召喚されてから、ジュンとゼノンはカロンに優しく、親切に接してくれていた。
 それはカロンには心地よかった。
 だからカロンも、ジュンやゼノン、そして自分に優しく接してくれる魔王城で働いているペリやルビィたちに優しくしたいと思った。
 そして、本の山の間から、ぷるんと飛び出したペールブルーの塊。
 カロンの肩の上に乗って、むにむにと絵本の中に登場していた小さなジェド・マロースの形にその姿を変える。
 言葉は通じないけれど、スライムくんもこの期間に訪れるジェド・マロースや今夜のクリスマスイヴを楽しみしているようだった。
 ジュンがスライムくんと呼んだことからカロンもそう呼んでいるが、スライムくんはジュンがいた世界で架空の魔獣で、この世界でその存在は今まで確認されなかった。
 カロンをオルト山脈麓の村から召喚した際、一緒に召喚されたのが、スライムくんだ。
 ジュンは魔王城の地下の巨大魔法陣で生存者だけをあの場に召喚したが、召喚されたのはカロンと謎の魔獣スライムくんだった。
 広範囲にいる指定された者たちを全て召喚するのは難しい魔法らしい。
 召喚魔法はジュンだけでなく、あの場にいた魔法騎士やゼノンも一緒になり使用した。
 魔王城の地下のあの魔法陣は神話の時代からあるとても強力な魔法陣だとジュンは言っていた。
  神話の時代とは、天上の神の声が地上に届き、今のユートピアとエーデンハルトが別の世界で天上の神の作った壁で遮られていた時代の事だ。
 その壁が壊れた事によって、かつてのユートピアとエーデンハルトは戦争になったとカロンが呼んだ本には書いてあった。
 あの魔法陣のことは、カロンが読んでいる本などには書かれてはなく、魔王と魔将貴族と一部の魔法騎士のみが知る秘密だとジュンはカロンに教えてくれた。
 秘密というのは他者に軽々しく話してはならないという事だ。
 スライムくんの事もしばらくは秘密にしなければならないとジュンは言っていた。
 平和記念晩餐会の席でエリザの誘惑フェロモンに苦しんでいる間に、エリザの従兄弟のアレクがカロンを狙って火球を放ったが、スライムくんが霧の防壁を作ってアレクの火球を防いだ。
 その事でスライムくんは水系の魔法が使える事が判明したが、まだまだスライムくんには謎な部分が多いので、研究して、魔法学会の場で新しい魔獣としてスライムくんの事を発表するんだとジュンは張り切っていた。
 コンコンとカロンのいる部屋の扉が叩かれて、ペリが扉のほうに向かい、その者を迎え入れた。
「おお! 凄いな、スライムくん!」
 愛娘の部屋へ入って来てからの第一声は、ペールブルーのジェド・マロースの姿でくるくる踊るスライムくんを見つめて黒縁眼鏡の奥の瞳を輝かせながら発せられた感嘆の言葉だった。
 現代の魔王ことジュン・クロウドの言葉に、スライムくんはジェド・マロースの形になるのを止めて、すっとカロンの影に勢いよく身を隠した。
「おとうさま。スライムくんがこわがっています」
 小さく丸まって、ぷるぷると震えるスライムくんをカロンの小さな手が掬い上げて抱き締めた。
「すまないね。スライムくんが、動くジェド・マロースの姿になるのを目の当たりにして興奮していたよ。スライムくんにはいつも新しい発見がある度に僕は驚かされているけど、それがスライムくんには怖いようだね」
 ジュンはそう言って肩を落とした。
「そもそも魔王様がスライムくんを追いかけ回すのが、あたしはよくないと思いますよ」
「ガーネットの言う通り」
 ジュンが入って来た扉が開け放たれて、お揃いの赤いケープ付きのミニワンピースと三角帽子を身に纏ったガーネットとルビィが肩で息をしながら現れた。
「二人は忙しかったんじゃないんですか⁉︎」
 二人の登場にカロンは驚きの声をあげた。
「頑張って、仕事、終わらせて来た」
「こんな恥ずかしい格好で来る事になって、あたしとしては癪なんだが、クロウド家の年越しの夜会にジェド・マロースの曾孫ひまごであるあたしが出ないわけにはいかないでしょ。なぁ、魔王様?」
 息を切らしながらルビィがふわりと微笑み、不服そうな顔で頬を赤く染めていたルビィがにやりと笑ってジュンに話を振る。
「そうだね。君たちが急いで駆けつけて来てくれているって連絡があったから、それを伝えようとして僕はここまで来たんだけど、驚きの光景を目にしてしまって自分の役割りをすっかり忘れていたよ。君たちの到着も早かったようだね。君たちが来てくれたから、我が家のクリスマスイヴパーティーは賑やかになるよ」
 ジュンはそう言って優しく微笑んだ。
「そうだ! ジェド・マロースの曾孫としてカロン様にプレゼントだ!」
 ガーネットがそう言って、ガーネットの赤い瞳が、一瞬、青紫色に変わり、ガーネットの掌の上に小さな氷の箱が出現し、それをカロンに手渡す。
「これはなんですか?」
 カロンは箱を受け取り、不思議そうにそれを眺めた。
「カロン様、開けてみて」
 ルビィに言われて、カロンは箱をそっと開けると中から冷たい空気が飛び出した。
「ひゃあ! び、びっくりしました……」
 カロンは危うく箱を投げ出すところだった。
「あたしの魔法でルビィが作ったアイスケーキっていう魔王様のいた世界の氷菓子だ。箱は中身が永遠凍結するようになっている」
 自慢気に話すガーネットの横でルビィがふふっと可愛らしく笑った。
「すごいです!」
 カロンは冷たいお菓子は初めてではなかったが、凍ったお菓子は初めてだった。
 初めて見る綺麗にデコレーションされたアイスケーキの美しさにカロンは感嘆の声をあげた。
「これは凄いな。忙しかったのに、僕が話したアイスケーキを作る時間があったのかい?」
 二人が忙しい事情を知ってるいるジュンは感心し訊ねた。
「アンナさんが事務所のキッチンをあたしたちにかしてくれたんだ」
「わたしたち頑張った。そのご褒美」
「そうか……」
(?? なぜ、あのおにいさまにいじわるなアレクサンドルのおかあさまの名前がでるのでしょうか?)
 ガーネットとルビィとジュンの話の意味が分からず、カロンは首を傾げた。
 話はカロンが魔王城の地下の魔法陣から召喚された後のユートピアに平和条約記念祭でエーデンハルトの使節団を迎えるより少し前に遡る。
 魔将貴族の直系の血を濃く受け継ぎながらも魔王候補から辞退し、愛する者を追いかけてエーデンハルトの地に移り住み、十年前正式にユートピアの外交官として任命されたロマン・シロノワール。
 そのじゃじゃ馬娘ガーネット・シロノワール。
 前魔王カエラ・シロノワールの血縁であり、赤い瞳の混血児として生まれきた彼女が魔法を学ぶために魔法学院に入学したという噂はユートピアでは知らない者がいないほど有名な話だった。
 そんな有名な彼女が混血児を嫌う正統な魔将貴族にして魔法騎士団団長アスモデウス・アカインの嫡男悪評で有名なイヴァン・アカインを蹴り倒した。
 発端はイヴァンたち数名の男子学院生が学年首席であり混血児であるルビィ・カーマインを「奴隷は服を脱げ」と言って取り囲んだ事だった。
 魔法学院は聖女リゼの教えに従い、規則としてどんな生まれの者であっても学院内での生徒や教師による争いを禁じている。
 騒ぎを聞きつけ駆けつけた学院側の教師は混血児を嫌う貴族主義の者だったためか始めはイヴァンを蹴り倒して怪我を負わせたガーネットやルビィの話を聞こうとしなかった。
 漆黒の髪と黄金の瞳の者が最も尊いと言い遺して亡くなった魔王妃リリス。
 神話の時代の終わり、世界の壁を壊し戦乱を齎し人族の勇者に討たれた魔王に代わり、千年間、魔将軍を従えて魔族軍の指揮を執り、幾度となく人族の兵を退け魔族の国を守った彼女は貴族を中心とした魔族そしてユートピアの伝説だ。
 彼女が言い遺した言葉を多くの魔将貴族の末裔たちは信じている。
 そんな貴族主義の者たちから娘を守るためにガーネットの父親であるロマンは現魔王であるジュンに呪い付きの嘆願書を送りつけたのである。
 ジュンはアカイン本家に騒ぎの件について話し合いの場を設けたいと書簡を出し、そのテーブルの席に着いたのが、ルビィを辱めようとしてガーネットに蹴り飛ばされたイヴァン・アカインの実母であり、アカイン本家当主の妻アンナ・アカインだった。
 幸いにも彼女は貴族主義が強いアカイン家において珍しく、エーデンハルトの文化、特に芸能アイドル文化に理解があり、エーデンハルトとの平和条約が結ばれてから十年、自ら率先してアイドルモデルとして現在もその美貌で種族を問わず世界中のファンを魅了しており、過去に次男のアレクサンドルが金眼で生まれてこななかった事でアカイン本家で一悶着あり、混血児にも偏見を持っていなかった。
 ただ相手はあくまで欲深いアカイン本家当主の妻だ。
 自分に利益のないことはしない。
「学院側にはアンナちゃんが上手く言ってあげるからぁ、ガーネットちゃんとルビィちゃんはアンナちゃんの事務所で預かりまぁ~す」
 語尾にハートマーク付きのちょっと間伸びした舌足らずな口調でアンナに突拍子もない事を言われてジュンは始めは訳が分からなかったが、あれよあれよという間にガーネットとルビィのアンナの芸能事務所入りが決まり、年末のこの時期、二人はアイドルデビューに向けて練習に励んでいた。
 カロンには魔法学院のクリスマスパーティーの準備で忙しい事にしてあるのだが、正式デビュー前のお披露目という事で魔法学院のクリスマスパーティーや新年祭で歌と踊りを披露するので嘘ではなかったが、ガーネットとルビィは自分たちの正体を知られたくなかったのである。
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