魔物に転生したので異世界サバイバル生活はじめます！

Prologue

　薄暗い部屋の中、マウスのクリック音が響く。

「最近のサバイバルゲームは飽きてきたなぁ…」

　もちろん衣食住を確保、敵を倒し、素材を集め、武器などを作り、強敵を打ちのめす。
　根本的なゲーム性は変わらない。そこがまた良く、一番の難点である。
　最近のサバイバルゲームでは拠点という、限られた範囲の中で置けるものがあったり、拠点の要となるものを何個も作ることができるものや、昔から変わらずシンプルイズベストのもの、まったりとその世界観を楽しみながらゲームするものも多い。
　サバイバルゲームといっても一概に一つというわけではないのだ。

　そんな中で人間は欲を出してしまう。
　自分では思いつかない要素。
　新しいアップデート。
　新たな敵の技の数々。
　そこにたどり着くまでの困難な道。

　新たな刺激を求め、新しいサバイバルゲームを探す。

「これは……レビューがひどいな…」

目に入ったゲームには高評価の数は少なく

『食料ゲージが減るのが早すぎる』
『拠点を作る材料が多すぎる、拠点が作れない上夜には敵も出てくるのに冒険の第一歩も踏み出せない、やる価値なし』

「厳しいご意見ですな…」

私も億万長者ではないのでポンポンとゲームは買わない。
レビューというのは役に立つときもあれば、役に立たないときもある。
レビューはレビューした人の感性であり、私には合うかもしれないからだ。

「とりあえず今日は寝るかな…」

時刻はスマホを取り出し時間を確認する。深夜2:30を指している。お昼からのバイトなので、今から寝てもそこそこの睡眠時間は取れるはず。
そう思いながらpcの電源を落とし、椅子から立ち上がる。少し伸びをし、トイレへと向かう。



トイレが出たあと、ベットに向かい、寝転がりながらトォイッターのTLを一通り目を通す。
漫画やゲームの紹介、自分の興味のあるものが流れてくる世の中、便利な世の中だ。

スッスッとスクロールを繰り返しているうちに、時刻は2:43になっている。
こういうものは見すぎると良くない…。
分かっていても、かんたんな操作が故にいくらでも見てしまう。だめだとわかっていても…！！止められない…！自分が悔しい！！

でも流石に…流石に明日にも支障が出るので、電気を消し、床につく。


朝…目が覚めるとなんだか煙臭い。
ぼやけた視界をクリアにするために、目を擦る。

「コホ……もしかしてか…火事…」

ど、…どうしよ、え？ど…え、ここアパートの最上階…煙…じゃなくて火は下から来てたら、ヤバい…！
消防車は…誰か通報したの…！？

部屋の中に黒い煙が充満していく。
次第に外が騒がしくなる。

「消防車は…！？」
「あ、あと10分近くかかるって…！」
「それじゃ間に合わないわよ！」
「あ"ぁぁぁぁぁーーー」

外から人々の声が聞こえる。鳴き声、喚き超え、不安、恐怖、生き延びれたことの安堵。

立ち上がろうとしたとき、足元がふらつき倒れた。煙を吸ったためか意識も朦朧としてきた。
あぁ…焼かれて死ぬのも嫌だけど、苦しんで死ぬのも嫌だ…だれ……か助けて………。