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一話 転生
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薄暗い洞窟の中、4~5名の足音が響く。
「おい…やっぱりここ生まれたてじゃないか」
「お宝もない…魔物の一匹やいなしないよ!」
「ここは引き返すか…」
「けど、コアを倒して少しでも経験値をもらったほうが…」
「楽して経験値が入ったと思えばいいか……おい、お前はどうだ?」
「………僕はあんたらについてくよ。」
___________________________________
暗い…………空気が湿ってる……?
どこだここ……
風は冷たく空気はひんやりとしている。
ぴた……ぴた…と天井……?から水の落ちる音が聞こえる。
あのあと火事はどうなったんだ…。
ここ絶対に病院じゃない……よね…。
まさか…私を狙った犯行で…事件を大掛かりなものにして、目をくらませる作戦だった……とか
流石にアニメの見過ぎかな…。
人に恨まれるような事はしてないし……。
というか、立てるのか…。
『立てたけど…な、なんか変な感じだ…足がいっぱいあるみたいな……ん!?』
声が出ない。まさか体に外傷はなかったけど、煙で声をやってしまったか…!?
どうしよう…こんな薄暗い場所…洞窟かな…誰も来ないよ…。
「……り……じゃ…か」
「でも………して…た……が…」
ひ、人の声…!!奇跡!奇跡だ!
声は出なくとも、姿を見れば助けてくれる!
違和感のある足を頑張って動かし、声の方向へ進んでいく。
声とともに足音もすぐ近くまで聞こえてきた。
「さて、このダンジョンのここいらが最深部か、一応気を抜くなよ」
「あぁ、まかせな」
「はい…!」
「まって…僕がこの奥を見てくる」
あと少しか……お願い助けて…!
「こんにちは~……やっぱり生まれたてか」
声の方を向く、そこには黒い髪に日本人とは異なる長い耳……。大きなはてなが頭に浮かんだが、それよりも助けて欲しさがかったので、今は聞かなかった。
た、助けて…火事になったあと、気づいたらここにいて…病院に行きたいんだけど…!
「待って待って、落ち着いて。えーと…どうしようかな、うん、そうだ、後でここ来たげるからさ、どっか隠れててくれない?」
え、え?な、なんで…後でっていつ……
「まぁまぁ、いいのいいの。僕と言うとおりにしてて、さ、隠れて隠れて」
そう背中…を押され岩陰に隠される。
黒いローブを羽織った少年は仲間の方へと歩いていく。
「ここはもうもぬけの殻みたい。」
「経験値も稼げないのか…」
「無駄足だったって訳ね…」
そういって足音が遠ざかっていく、後で本当に来てくれるのだろうか…。
そう思って奥の方へ進む。
来た道を少し戻り、目を覚ました場所に帰ってきた。ここは部屋のような場所になっていて、3つの道がある。目が覚めたときは、真っ先に声のする方に行ったので気づかなかったが…。
でも何か出たらどうしよう…。
今の私は何も持ってない…木の棒すら…。
よ、様子を見ながら行こう…!
まず、声のしたほうは部屋の真ん中から見て一番左、なので真ん中の方に足をすすめる。
さっきはできるだけ急いでいたから周りの音に気づかなかったが…私…今人間じゃない…
それとこの足音…もし自分の姿を見ることができるなら、とても怖い…。
少し歩くと水たまりが出てきた。
………。
覗くと黒いまあるいおめめ……
2つのよく切れそうなハサミ…
1…2…3…4本の足……。
これは……甲殻類………カニ……?
「おい…やっぱりここ生まれたてじゃないか」
「お宝もない…魔物の一匹やいなしないよ!」
「ここは引き返すか…」
「けど、コアを倒して少しでも経験値をもらったほうが…」
「楽して経験値が入ったと思えばいいか……おい、お前はどうだ?」
「………僕はあんたらについてくよ。」
___________________________________
暗い…………空気が湿ってる……?
どこだここ……
風は冷たく空気はひんやりとしている。
ぴた……ぴた…と天井……?から水の落ちる音が聞こえる。
あのあと火事はどうなったんだ…。
ここ絶対に病院じゃない……よね…。
まさか…私を狙った犯行で…事件を大掛かりなものにして、目をくらませる作戦だった……とか
流石にアニメの見過ぎかな…。
人に恨まれるような事はしてないし……。
というか、立てるのか…。
『立てたけど…な、なんか変な感じだ…足がいっぱいあるみたいな……ん!?』
声が出ない。まさか体に外傷はなかったけど、煙で声をやってしまったか…!?
どうしよう…こんな薄暗い場所…洞窟かな…誰も来ないよ…。
「……り……じゃ…か」
「でも………して…た……が…」
ひ、人の声…!!奇跡!奇跡だ!
声は出なくとも、姿を見れば助けてくれる!
違和感のある足を頑張って動かし、声の方向へ進んでいく。
声とともに足音もすぐ近くまで聞こえてきた。
「さて、このダンジョンのここいらが最深部か、一応気を抜くなよ」
「あぁ、まかせな」
「はい…!」
「まって…僕がこの奥を見てくる」
あと少しか……お願い助けて…!
「こんにちは~……やっぱり生まれたてか」
声の方を向く、そこには黒い髪に日本人とは異なる長い耳……。大きなはてなが頭に浮かんだが、それよりも助けて欲しさがかったので、今は聞かなかった。
た、助けて…火事になったあと、気づいたらここにいて…病院に行きたいんだけど…!
「待って待って、落ち着いて。えーと…どうしようかな、うん、そうだ、後でここ来たげるからさ、どっか隠れててくれない?」
え、え?な、なんで…後でっていつ……
「まぁまぁ、いいのいいの。僕と言うとおりにしてて、さ、隠れて隠れて」
そう背中…を押され岩陰に隠される。
黒いローブを羽織った少年は仲間の方へと歩いていく。
「ここはもうもぬけの殻みたい。」
「経験値も稼げないのか…」
「無駄足だったって訳ね…」
そういって足音が遠ざかっていく、後で本当に来てくれるのだろうか…。
そう思って奥の方へ進む。
来た道を少し戻り、目を覚ました場所に帰ってきた。ここは部屋のような場所になっていて、3つの道がある。目が覚めたときは、真っ先に声のする方に行ったので気づかなかったが…。
でも何か出たらどうしよう…。
今の私は何も持ってない…木の棒すら…。
よ、様子を見ながら行こう…!
まず、声のしたほうは部屋の真ん中から見て一番左、なので真ん中の方に足をすすめる。
さっきはできるだけ急いでいたから周りの音に気づかなかったが…私…今人間じゃない…
それとこの足音…もし自分の姿を見ることができるなら、とても怖い…。
少し歩くと水たまりが出てきた。
………。
覗くと黒いまあるいおめめ……
2つのよく切れそうなハサミ…
1…2…3…4本の足……。
これは……甲殻類………カニ……?
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