令嬢と人嫌いのすれ違い

Szak

文字の大きさ
4 / 6

紫乃と絢奈

しおりを挟む
 絢奈は叔母にあたる誠一の妹夫婦に養女に欲しいと懇願され実の父親である誠一も断腸の思いで決断下したのだが、妹夫婦は子供が出来ないから娘を養女に欲しいと言っていたが、血筋を残すなら娘ではなくて息子じゃないのかと思ったが口にすることはなかった。

 「やっと、やっと紫月の血筋が手に入るわ!本当ならあなた達が結婚して子供を授かればこんなことせずに済んだのにね?」

 「母上、なにを言ってるのですか!僕は父の息子でも無いというのですか?」

 「そうね、この際だから話して置いた方がいいかしらね。私は誠一の弟と結婚したけど彼は紫月の血を引いて居なかったわ!あなた達もあとでわかると思うけど彼は養子だったの、誠一も、この事には気付いているでしょうね。聡い人だから、それを知っていなければあなた達に大事な絢奈を渡す訳ないでしょ!喜久乃はまだ、健在だしただ帰って来れない事情があるようだけどね?」

 「そういうことですか!何で父が紫乃ではなく私にしたかわかりました。母親が本当に生きているなら別に私はどこでもかまいませんけど?ただ、長月絢奈として言わしてもらうなら相手は私が認めた人物以外会う事はありませんのでご理解ください!」

 「貴女、子供にしては、随分と大人びってるわね?もっと子供らしくしたらいいのに。」

 「何をどう言われようと長月の血筋はみんなこんな感じですよ。これでも長月では子供らしい方ですので!」
 
 真実を知った妹夫婦はショックを受けているのだが、母親の生死がわかっても淡々と答える絢奈に対してとても子供とは思えない話し方をしており、逆に妹夫婦の義母の方が驚きを隠せないでいた。絢奈は1つ重要なことを言っているのだが、誰もそれに気付く事は出来なかった。絢奈が言った重要な事とは紫乃・・ではなく自分が選ばれたことを理解していることだった。

 (私が選ばれたのは紫乃の方が紫月の血が濃く出ているからでしょうね。それに比べて私はどちらかというと長月の血が濃く出ているから私が選ばれた。)

 ここで絢奈は1つ勘違いをしている、絢奈が欲しいと言って来たのは妹夫婦であり誠一自身で決断を下していた訳ではないということを知らない!妹夫婦によればとにかく元気な女の子が欲しいと言って来ていた。実は妹夫婦は母親がなんでそんなに紫月家の血にこだわるのか不思議で興信所を使って調べたことがある。父親が入り婿で母親が後妻というのも調べてるうちにわかっていたことで紫月の血にこだわる理由も何となく見えて来た矢先に長月喜久乃の失踪が発覚した。一方で紫乃はというと絢奈と離れ離れになったことがよっぽど堪えたのか誰とも会いたくないと言い始めていた。

 「紫乃お嬢様、紫乃お嬢様、聞こえてたら返事してください!」

 「今は無理ですよ、あんな事があって身内と引き離されたんですから?それに使用人、そのものに不信感を抱いてもおかしく無いですからね!」

 「ですが、出て来てもらわないと私たちが困ります!」

 「あなた方使用人はまったく紫乃の心配をしていないんですね!あなた方の話を聞く限り自分たちの立場が悪くなるのを紫乃のせいにしようとしてるようにしか聞こえないんだけど?」

 「八雲くん、あまり家の使用人を責めないでやってくれ!紫乃の心配をしてないのは本当にせよ、彼らも生活があるからな、だからといって紫乃を責める理由にはならないけどな!」

 「そういえば、あの家と使用人はどうなりました?」

 「あの家の信用はガタ落ち、使用人は捕まって事情聴取されてるよ!ただ、最悪な事に水無月と如月財閥に知られてしまったのは僕たちではどうにも出来ない!」

 「そ、そうですか、問題は水無月家よりも如月財閥でしょうね?」

 「如月財閥ですか!如月財閥がなぜ動くんですか?」

 「僕にそれを聞かれても何も言えないですよ!(如月財閥が動くのは過去の件があるからだろうけど?)

 主宰の男性と八雲が話してる所に紫月家の遣いを名乗る使用人が声をかけて来たのだが、八雲はその人物が紫月家の使用人では無いと判断していた。なぜなら、紫月家の使用人の顔を八雲は全て覚えており、癖から生い立ちまで頭に入っているからである。八雲は自称紫月家の使用人に対してあなたは誰ですか?紫月家の使用人でない事はわかっているので誤魔化すだけで無駄ですよ!自称紫月家の使用人はなぜ、僕が紫月家の使用人ではないと言えるのかと質問して来た事に対して八雲は、あなたは紫月家の立場を知らな過ぎたんですよという八雲!

 「紫月家の使用人なら、まずここに来ること自体あり得ないんですよ!ここは水無月家と長月家が主宰の男性と話すための場所であり、水神八雲がいるかぎり紫月家の人間は入ってはならないという暗黙のルールがあるんですよ!」

 「ば、馬鹿な、そんなことはあり得ない!水無月家と長月家が一緒に居る事などあり得ない!水神はすでに没落した旧家のはず?」

 「じゃあ、水無月の人間に聞いてみます?いるんですよ、この場に水無月家の人間ひとがね。」

 「その水無月家の人間はどこにいるんですかね?」

 「気付かないんですか?さっきからあなたの前にずっと立っていましたよ!ですよね?木葉さんと桃月さん!」

 「八雲、私を、その名前で呼んでいいのは水無月の仕事の時だけよ!それと1つ訂正させてもらうわね。この娘は神無月であって母親の木葉ではないわ!」

 「お姉、母さんの話しをする必要無いよね?八雲って言ったかしら勘違いしてもしかたないけど、私は水無月神無月よ!雪乃さんも何か言ったら?」

 「ちょっと神無月、私を巻き込むのはやめてくれる!」

 「雪乃さんいたんですか?水神を侮辱されて黙ってるなんてこと無いですよね?」

 「あ~、もうなんで私を巻き込むかな?それで閣下紫月家の使用人を騙った男をどうしますか?」

 誠一は雪乃の質問に対して決まっているだろ、我が紫月家に喧嘩を売ったのだから楽になれるとは思わないことだ!じゃあ、そこに水神家に対する侮辱も入れてもらえるかしら?という雪乃に対して誠一は長月家はいいのかと聞く!雪乃は、それを判断するのは私じゃ無いもの。その言葉を聞いた紫乃は呆れかえっていた。神無月は弥生に対して、この事は報告するのと聞くと弥生は知らないわよ私、どちらからも仕事を請け負っていないしね!というのだった。
 


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

処理中です...