WUSOH〜裏路地のリーダー

ラドリー

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第8話、泣いた赤鬼

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身長160cm、体重51Kg。
日焼けした肌、鼻の上に絆創膏、天真爛漫な姿が特徴。
ミクといえば、【赤鬼】とあだ名のつけられている、知る人ぞ知る女子バスケ部スーパーエース様だ。
鍛え抜かれた無駄のないウエスト、やや大きすぎるんじゃと思うバスト、ヒップは、羨ましさを通り越して拝み倒したいくらい。
そんな彼女は、親友であるスワコの最近の行動に触発され、一歩を踏み出した。
その一歩が、もうどうしようもないトラウマになるなんて思いもしなかっただろう。


2月は24日の夜中2時、玄関のチャイムが鳴る。
先日学校に行ってから実に5日、学校を休んでいる取手にとっては、夜中だろうが問題なく起きている時間帯だ。
鳥手は私が来たのかと思いながら何も疑わずに扉を開け、そこにいた涙目のミクに驚き、そしてその後ろのもう1人の姿にもう一度驚く。
「ちょ!え???【裏路地のリーダー】かよ!バカなんでお前その格好でミクを連れてくるんだよ!!」
「事件だ。保護しろ」
「いや保護っつったって」
「ボクが保護するわけにはいかないだろう」
「そりゃそうだけど」
「ボクはまだやることがある。しばらく学校にもいかせないほうがいいかもしれない。詳細は明日にでも。それよりミクを、抱きしめてやれ」
ミクは背中を押され、崩れるように鳥手の胸に体重を預けた。
「あーもうなんなんだよ……ミク?大丈夫か?」
鳥手は顎を指で持ち上げ、ミクの眼を見る。
嫌がることも、顔を赤らめることもしないミクは、よほどショックがあったようで喋れそうにない。
鳥手はバイクの音が遠ざかるのをききながら、扉を閉める。
『あ、あえ?……ジョージくんさっきの人は?』
「うん?【裏路地のリーダー】が気になるか?帰ったよ。あいつはあいつでまだやる事があるんだと」
『そっか……』
「まぁまぁ男の一人暮らしの家に1人でいるのは怖いだろうけど、安心しろよ。俺は望まれる事以外は何もしない」
鳥手はミクをお姫様抱っこし、リビングのソファに座らせる。
「ココアでも入れるか?少しは落ち着くと思うが」
『うん、ココア飲む』
ちょっと頬を染めるミク。
ミクがココアが好きなのは、見た目から分かるしね。
鳥手はまずお風呂場のコックを捻り湯を張る。
そのままの足でキッチンに行き、電気ポットに水を入れ、加熱。
「飯は食ったのか?ココアのお供はビスケットとクッキーどっちがいい?」
『ゴディバのチョコレートがいいな』
「第三の選択肢を出すなよ、うちにゴディバとかないわ」
『私、持ってるよ』
スッ、とカバンからゴディバの箱を取り出すミク。
『パーティでね、貰ったの』
「ん、そっか」
『服を着替えたいな』
「姉貴のでよければ使うか?いや、胸が入らないか」
『少しぐらい我慢するよ』
「いや、あいつ俺より胸ないから」
「……ふふ」
「いやマジだって、胸筋ある分俺の方が胸デケェから」
ミクの顔に笑顔が戻る。
「ジョージくん……ジョージくん!」
「はいはい」
「ジョージくんは優しい!」
「そうだぜ、俺は誰にでも優しい」
「女の扱い方を心得ている!」
「そうだぜ、姉と仲がいいからな」
「まるで心を読めるみたいだね!」
「そうだぜ……おっと」
つい口を滑らせる鳥手。
やべ、みたいな顔をするが、口から出た言葉は戻せない。
鳥手は開き直る。
「俺は【眼】を見た相手の、今考えている事がわかる。考えてることというか、その時見えているもの、聞こえているものも全て自分の情報のように取り扱う事ができる」
それはいわば、他人の脳みそを覗いているに等しい。
過去の事件の時、極限に至って発現した、鳥手の【読者リーダー】という特別な力。
「それって、たまに私たちにもその【眼】を向けていたの?」
「まぁそうだぞ」
「それって、スワコちゃんがジョージくんのことを好きなことも知ってるってこと?」
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