WUSOH〜裏路地のリーダー

ラドリー

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12話、休日ティータイム

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「ジョージくんは恋とかしてる?」
「してないぞ。俺は不良だしな」
「そうなんだね!」
にこやかに話をするミク。
ミクは、身の内を語る。
「昨日、会長が言ってたから話しちゃうけど、私って恋人がいないの!」
「らしいな」
「もう高校三年生だよ?恋をしたことがないのって、やっぱ変なのかな」
「そんなことないだろ。運命の相手に出会えてないだけだろ?」
「そうなのかな?」
「第一、顔も体も魅力的なんだ。中身は少し子供っぽいけど、ミクはかなり人気があるんだぜ?」
スーパーエース様だしな。俺は言う。
「別に恋がしたいわけじゃないし、この人いいなって人は今までも何人かいたの。でも、私は恋人なんていらなかった。だって私には、バスケがあったしね」
「なるほどな。華の女子高生の青春を部活に費やしていたわけか」
「でもね、思うの。この前のことがあって、とても不安で。私ってやっぱり寂しがりやみたいで、不安な時、誰かそばにいるってそれだけで嬉しいのね!」
そっと、俺の手を握るミク。
真剣な眼差しで、俺の目を見る。
「私の心の中、見えるかな?私が今、ジョージくんのことをどう思ってるか、その不思議な【眼】で、見える?」
「……後悔すんなよ?」
ミクは頰を赤く染めながら、目を瞑る。
そして、俺の方に顔を寄せてきて……


「ラブコメの波動を感じたわ」
「うるせぇ、邪魔しやがって」
翌日、つまりは25日の午前10時。
キスを着信で邪魔しやがったマリアは言う。
「あんた人が頑張ってる時に何をいちゃついてるの?お姉ちゃん怒るよ?」
「お姉ちゃんとか言うな。今外だろ?スワコと喫茶店来てんじゃねぇか。電話してくんな」
「不純異性交遊は許さないからね」
電話を切る赤ノ羽高校生徒会長のマリア。
そしてテーブルの向こうのスワコに向く。
「ごめんなさいねスワコ。せっかく私が呼び出したのに電話なんてかけて」
「……別に」
スワコの方は挙動不審だ。
当たり前か、自分の学校の生徒会長に休日呼び出され、そこまで仲良くないのに喫茶店へ来ているのだから。
「で、そうそう。私が聞きたいのは、【鳥手のどこを好きになったのか】よ。あるんでしょ?【裏路地のリーダー】だと思ってるとか、粗暴な彼氏を病院送りにしてくれたとか」
「全部知ってるんじゃないの……」
「私は応援するわよ。邪魔はするかもだけど」
マリアは言う。
と言うかこいつのせいで俺に恋人ができないと言ってもいい。
邪魔なんてレベルじゃない。
俺のマネージャーか何かなのかよって話だ。
「……私には暴力的な彼氏がいたの。私のことなんて全く考えてない、少しも心を察してくれない彼氏」
「うん」
「……お腹とか結構蹴られてた。顔は流石にバレるからか傷つけられなかったけど、そんなやつ。でもね、私は【裏路地のリーダー】に助けられたの」
「どんな風に?裏路地のリーダーって、そーゆー都市伝説じゃなかったと思うのだけれど」
マリアは促す。
そういや、そんなこと言ってたな。
あいつマジで俺のこと好きなのか。
……いや、この話の流れは俺じゃなくて、【裏路地のリーダー】だな。
「……彼氏と夜、家に帰るところでね、怖い人たちに絡まれたの。彼氏は私を守ってくれた。自慢の筋肉で怖い人たちを圧倒してくれたわ」
「うん……うん?」
「……ただ相手は数がいたから、羽交い締めにされて、いくら腕っぷしが強くても捕まっちゃって、そこで【裏路地のリーダー】が来てくれたの」
「んんん、ちょっとよくわからないわ、続けて?」
「……現れた【裏路地のリーダー】は私を抱きかかえて戦ってくれた。彼氏共々怖い人たちを次々と倒していったのよ」
「うん……つまり、どういうことかしら?彼氏たぶん骨折られて入院したのよね?【裏路地のリーダー】に助けられたとはいえ、好きになるのかしら」
「……ぽ」
頰を染めるスワコ。
とんでもないことを言い放つ。
「……彼の、【裏路地のリーダー】の、細くともたくましい筋肉に抱きしめられて、その筋肉に惚れてしまったのよ」
「うっ……くっ……ww」
笑いを堪えられてないマリア。
まてまて、俺には伝わってないぞ、どう言う意味だ?
「……かつて私に暴力を振るっていた彼氏は、それでもとても良い筋肉だったの……そう、それはもう殴られることが快感になるくらいの」
「ちょっと……まってww」
「……でも【裏路地のリーダー】の筋肉は素晴らしかったわ。あぁ、ゴリマッチョより細マッチョの方が素敵だと、自分の性癖に気づいたのよ」
「わかったからwwわかったから少し落ち着いてww」
「……私はもう一度あの筋肉に抱かれたいの。でも相手は素性のわからない都市伝説。でもでも私は諦めないの!だってすぐ近くに、その都市伝説と噂される人があるのだから!」
いや……えと?
この前話してた、知り合いの彼氏ってつまりスワコの彼氏で?
スワコは筋肉フェチだから、【裏路地のリーダー】の筋肉に惚れてしまった?
いや、ちょっと理解できないな。女子って怖い。
「でもさースワコ?それってようは細マッチョだったら鳥手じゃなくても、まして【裏路地のリーダー】じゃなくてもいいのかしら?」
「……まぁ、彼くらいの良質な筋肉なら」
「例えば私とかどうなのかしら」
「……え?」
「私、1人の時はかなり鍛えて、格闘術も身につけているの」
「……うーむ」
「ほら、私ってヒール脱げば鳥手と身長一緒だし、体格も彼とほぼ同じになるように調整してるの。だから彼の筋肉は、私と同じ筋肉と言っていいわ」
「……私に何を求めてるの?」
「諦めて私にしなさいって言ってるの。だって彼、ミクと付き合ってるのだから」


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