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2章 蒼穹の愛し子
10 花守の唄
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予定通り、夜華祭りが終わればすぐにラエティティア王国へと向かう。移動方法はもちろんビエントの奇術で――向こうにとっては唐突に、女王の執務室へと飛ばされた。
瞬間移動のようなもので、乗客であるシャルロット、フェリクス、ソフィアは上品な部屋の中央にどさりと落とされた。移動場所がそれぞれの身長よりも少しだけ高い位置だったのだ。おかげで桃色髪の女王様の目の前で三人同時に尻餅をつくことになってしまった。
何故この面子なのか。それは、単にシエルに謁見するのに都合が良いのが神子の血筋であるこの三人であるということと、三人に同行を願い出た人物複数人はかの大精霊さまに「他人を連れてくの、結構体力使うんだよ。ぶっちゃけめんどくさい」という理由で断られたのである。
しかも、当のビエント本人はその場にいないという。
「あいててて……」
「え? え? 何ごと?」
書類に向き合っていたシエルは大きな目を丸くして、手にしていたペンを落としかけた。それはそうだろう。事前に連絡していた事とはいえ、まさか自分の部屋に唐突に客人が現れるなんて予想出来ないだろうから。
真っ先に我を取り戻したのはフェリクスだった。言葉の端々にビエントへの不満を滲ませつつ、笑顔を浮かべる。
「こ、こんにちは。意地悪大精霊のせいで品のない謁見になってごめん……後で文句言わなきゃ……城にも連絡しないと……あの野郎」
「こ、こんにちは……? ま、まあ確かに今日はお話しする予定ではありましたけど」
変な空気になりかける中、シエルは首を傾げつつも応接用のテーブルへとシャルロット達を案内してくれた。その上にはいくつかの品が並べられており、彼女が話し合いのための準備をしてくれていたことが窺えた。
「おもてなしの準備も間に合わず、申し訳ございません」
「いえ。文字通り色々とすっ飛ばしてきたこちらが悪いから、そこは気にせず。早速だけど、つい先日送らせてもらった書簡の内容について――」
シエルに確認したいのはもちろん『永久の花畑』についてだ。
あの花畑に足を踏み入れる許可と、『永久の花』の在処。できる限りの情報を集めておきたいというのがこの話し合いの目的だ。
シエルにも大急ぎで書簡を送り、本当にギリギリのスケジュールで時間を作ってもらった。向こうも大変だっただろうに、それを滲ませず優雅に微笑んでみせた。シエルとして生き始めてまだ一年も経っていないのに、既に立派な女王の風格があるように思えた。きっと、アルやゼノが支えてきた賜物だろう。
「ゼノ様にも助言を頂いたんです。こちらも準備は進んでいますよ。許可証も発行済みですし、アル君も関所の方に向かわせています。アル君を通じて『永久の花畑』についての資料もまとめておきました。こちらをどうぞ」
示されたのは机に並べられていたいくつかのメダルと、一枚の紙。三人はそれぞれメダルを受け取って、フェリクスを挟んで紙を覗き込む。
綺麗な文字でまとめられた文章だ。意外にも空白が多く、文章量はほとんどない。文章、というよりは詩だった。
白い風 届かぬ向こう側に
月明かり 受けて産まれる
孤独を その胸に抱いて
永き時をただ見つめ続けるだけ
願い さざめく 乙女の血潮に
触れて 救いに 散る
「花守の一族に伝わる唄の歌詞だそうです。一族内で口承によって受け継がれてきたものを、アル君が書き出してくれました。『永久の花』に関する情報はこの唄と、『不老不死になれる花もあるらしい』という噂ぐらいしかないみたいですね」
「何か、意味でもあるのかしら。これだけだとよく分からないわね」
「確か以前花畑に行ったとき、アル君が噂についてちょっと言ってたね。ただのお伽話だと思ってたら、まさか本当にあるなんて」
「あ、そう言えばシャルロットさん、でしたっけ」
シエルに話しかけられ、シャルロットは顔を上げる。五百年前の女王ミラージュとしての彼女となら相対したことはあるが、完全にシエルとなった彼女に話しかけられるのは初めてだ。少しばかり緊張しながら手に汗を握らせる。
まだどこか幼さを感じさせる翠玉の視線が自分の胸元に来ているのを見て、シャルロットもそれに倣う。そこには鈍い金色のロケットペンダントが揺れていた。
「少し前に、レイさんからサフィラス鉱山の事件について聞きました。そこで、花守の血を引く者と出会ったと」
「正確には、私は会話していませんが……メイルさんって人がいたと、聞いています」
「彼女は花守の――ラエティティア王家の闇を知っていたはずです。もしかしたら、何か知っていたかもしれないと思いまして」
「私は、何も……」
シャルロットはメイルと会話らしい会話はほぼしていない。あの時のシャルロットはひどく取り乱していて、レイと彼女が何を話していたのかはっきりと思い出せない。
思い出すのは怖い。しかし、ひとつ深呼吸をして思考を記憶に沈み込ませる。
暗い研究施設。飛び交う怨嗟の声。鼻孔をくすぐる血の臭い。全身を焼く痛み。兄の、優しい声。
『お前が持っていてくれ。こんなところで終わってしまっては可哀想だからな』
チェーンが微かな音をたてた。丸くずっしりとしたペンダントトップを両手で掬い上げて、指先で撫でる。
ルシオラが肌身離さず身につけていたこれは、今となっては唯一の形見とも言える。それにしても、シャルロットはロケットペンダントの中身については全く知らなかった。『こんなところで終わってしまっては』ということは、何かが入っているのか。
ためらいながらも、そっと開いてみた。
すると、黒衣に包まれた膝に紙くずがふたつ落ちてきた。それぞれを拾い上げて、恐る恐る広げてみる。
「似顔絵と――メモ、か?」
どちらも小さな紙で、手のひらに収まるかどうかといった具合だ。片方はぐしゃぐしゃに描かれた家族らしき絵。片方は更に小さな紙に殴り書きのメモが綴られていた。
「……木のうろに鍵がある」
メモに書かれていたのはその一文のみだ。
「花畑に木と言ったら、エールの木くらいしか思いつきませんね」
エールの木。正式名称は分からないが、ミラージュが花守の少年エールから名付けた大木だ。永久の花畑に唯一屹立し、美しい白い花を常に咲かせている。
「とりあえず、そこに向かおうか。唄のことも覚えておこう。シエルさん、これは預かっても良いかな?」
「もちろんです。……どうか」
シエルは小さく微笑んだ。
「どうか皆様が、世界が、負の連鎖から解き放たれますように」
瞬間移動のようなもので、乗客であるシャルロット、フェリクス、ソフィアは上品な部屋の中央にどさりと落とされた。移動場所がそれぞれの身長よりも少しだけ高い位置だったのだ。おかげで桃色髪の女王様の目の前で三人同時に尻餅をつくことになってしまった。
何故この面子なのか。それは、単にシエルに謁見するのに都合が良いのが神子の血筋であるこの三人であるということと、三人に同行を願い出た人物複数人はかの大精霊さまに「他人を連れてくの、結構体力使うんだよ。ぶっちゃけめんどくさい」という理由で断られたのである。
しかも、当のビエント本人はその場にいないという。
「あいててて……」
「え? え? 何ごと?」
書類に向き合っていたシエルは大きな目を丸くして、手にしていたペンを落としかけた。それはそうだろう。事前に連絡していた事とはいえ、まさか自分の部屋に唐突に客人が現れるなんて予想出来ないだろうから。
真っ先に我を取り戻したのはフェリクスだった。言葉の端々にビエントへの不満を滲ませつつ、笑顔を浮かべる。
「こ、こんにちは。意地悪大精霊のせいで品のない謁見になってごめん……後で文句言わなきゃ……城にも連絡しないと……あの野郎」
「こ、こんにちは……? ま、まあ確かに今日はお話しする予定ではありましたけど」
変な空気になりかける中、シエルは首を傾げつつも応接用のテーブルへとシャルロット達を案内してくれた。その上にはいくつかの品が並べられており、彼女が話し合いのための準備をしてくれていたことが窺えた。
「おもてなしの準備も間に合わず、申し訳ございません」
「いえ。文字通り色々とすっ飛ばしてきたこちらが悪いから、そこは気にせず。早速だけど、つい先日送らせてもらった書簡の内容について――」
シエルに確認したいのはもちろん『永久の花畑』についてだ。
あの花畑に足を踏み入れる許可と、『永久の花』の在処。できる限りの情報を集めておきたいというのがこの話し合いの目的だ。
シエルにも大急ぎで書簡を送り、本当にギリギリのスケジュールで時間を作ってもらった。向こうも大変だっただろうに、それを滲ませず優雅に微笑んでみせた。シエルとして生き始めてまだ一年も経っていないのに、既に立派な女王の風格があるように思えた。きっと、アルやゼノが支えてきた賜物だろう。
「ゼノ様にも助言を頂いたんです。こちらも準備は進んでいますよ。許可証も発行済みですし、アル君も関所の方に向かわせています。アル君を通じて『永久の花畑』についての資料もまとめておきました。こちらをどうぞ」
示されたのは机に並べられていたいくつかのメダルと、一枚の紙。三人はそれぞれメダルを受け取って、フェリクスを挟んで紙を覗き込む。
綺麗な文字でまとめられた文章だ。意外にも空白が多く、文章量はほとんどない。文章、というよりは詩だった。
白い風 届かぬ向こう側に
月明かり 受けて産まれる
孤独を その胸に抱いて
永き時をただ見つめ続けるだけ
願い さざめく 乙女の血潮に
触れて 救いに 散る
「花守の一族に伝わる唄の歌詞だそうです。一族内で口承によって受け継がれてきたものを、アル君が書き出してくれました。『永久の花』に関する情報はこの唄と、『不老不死になれる花もあるらしい』という噂ぐらいしかないみたいですね」
「何か、意味でもあるのかしら。これだけだとよく分からないわね」
「確か以前花畑に行ったとき、アル君が噂についてちょっと言ってたね。ただのお伽話だと思ってたら、まさか本当にあるなんて」
「あ、そう言えばシャルロットさん、でしたっけ」
シエルに話しかけられ、シャルロットは顔を上げる。五百年前の女王ミラージュとしての彼女となら相対したことはあるが、完全にシエルとなった彼女に話しかけられるのは初めてだ。少しばかり緊張しながら手に汗を握らせる。
まだどこか幼さを感じさせる翠玉の視線が自分の胸元に来ているのを見て、シャルロットもそれに倣う。そこには鈍い金色のロケットペンダントが揺れていた。
「少し前に、レイさんからサフィラス鉱山の事件について聞きました。そこで、花守の血を引く者と出会ったと」
「正確には、私は会話していませんが……メイルさんって人がいたと、聞いています」
「彼女は花守の――ラエティティア王家の闇を知っていたはずです。もしかしたら、何か知っていたかもしれないと思いまして」
「私は、何も……」
シャルロットはメイルと会話らしい会話はほぼしていない。あの時のシャルロットはひどく取り乱していて、レイと彼女が何を話していたのかはっきりと思い出せない。
思い出すのは怖い。しかし、ひとつ深呼吸をして思考を記憶に沈み込ませる。
暗い研究施設。飛び交う怨嗟の声。鼻孔をくすぐる血の臭い。全身を焼く痛み。兄の、優しい声。
『お前が持っていてくれ。こんなところで終わってしまっては可哀想だからな』
チェーンが微かな音をたてた。丸くずっしりとしたペンダントトップを両手で掬い上げて、指先で撫でる。
ルシオラが肌身離さず身につけていたこれは、今となっては唯一の形見とも言える。それにしても、シャルロットはロケットペンダントの中身については全く知らなかった。『こんなところで終わってしまっては』ということは、何かが入っているのか。
ためらいながらも、そっと開いてみた。
すると、黒衣に包まれた膝に紙くずがふたつ落ちてきた。それぞれを拾い上げて、恐る恐る広げてみる。
「似顔絵と――メモ、か?」
どちらも小さな紙で、手のひらに収まるかどうかといった具合だ。片方はぐしゃぐしゃに描かれた家族らしき絵。片方は更に小さな紙に殴り書きのメモが綴られていた。
「……木のうろに鍵がある」
メモに書かれていたのはその一文のみだ。
「花畑に木と言ったら、エールの木くらいしか思いつきませんね」
エールの木。正式名称は分からないが、ミラージュが花守の少年エールから名付けた大木だ。永久の花畑に唯一屹立し、美しい白い花を常に咲かせている。
「とりあえず、そこに向かおうか。唄のことも覚えておこう。シエルさん、これは預かっても良いかな?」
「もちろんです。……どうか」
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