二人暮らし

春夏

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3. 倫30歳 真希18歳

3-8

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倫はしゃくりあげる真希の手をとる。「…とりあえず帰ろか」イヤイヤをするように首を振る真希に倫は言う。「帰ろう。俺たちの…二人の家に」真希の手を引いて倫はゆっくり歩き出す。家につくまで真希は何も言わなかった。倫も何も言わなかった。

玄関に立ち尽くす真希の頬に倫が手を伸ばす。「…ずっと自分に言い聞かせとった。マサは俺の子や、て、大人になったら放してやらなあかんのや、て」「…リンは…俺と居たくないんだろ。大学だって通えることわかってるくせに引き止めてくれないもんな」「ちょうどええと思うたんよ。このままマサが目の前に居ったら…もうマサの親ではいられないとわかっとった」頬に伸ばした倫の手に震える真希の手が重なった。「リンは…俺の親じゃない。兄さんでもない。俺の…ずっと好きな人なんだよ」親のまま、子のまま離れることを選んだはずの二人の唇が静かに重なった。

「リン、配達行ってくる」「おう、気ぃつけてな」「帰りにお刺身買ってくるから」「ほなええ酒あけるか」「やった!行ってきます」
親子ではなくなったあの日から5年。倫と真希は今でも二人暮らしを続けている。






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