1 / 18
1
「…俺は幸せにならなあかんのやて」
僕はその言葉の意味を正しく受け取った。だって4年も恋人してたんだから。
昨日から何か言いたそうだな、って気がついてた。“なにか”なんて曖昧なものじゃなくて、それが“さよなら”なんだってこともわかってた。だって4年も抱かれてたんだから。
最後なんだから、いつも通りにしてたっていいよね。向かい合ってご飯を食べて、狭いお風呂で洗い合って、ベッドで求め合って。
愉悦の涙に見せかけてつい溢れてしまった別れの涙を、僕は彼の胸で拭いた。
誰かに決められたことを実行するだけだ、と言わんばかりのその言葉。だったら僕もあなたが決めたことを実行するだけだ。恋人になって初めての誕生日にもらったキーケースから僕の部屋の鍵を外してテーブルに置く。右手の薬指に光る去年の誕生日にもらった指輪も。
指輪もキーケースもこの部屋にある僕の物も、どうするかはあなたにお任せ。片付けるのも捨てるのも僕の仕事じゃない。あなたが僕に求めているのは、僕が別れの言葉を言うことだけ。
「じゃあね」僕は笑って手を振った。抱かれた次の朝に、僕が先に出なきゃならない日みたいに。次の約束があった時のように、笑って玄関のドアを閉めた。
僕はその言葉の意味を正しく受け取った。だって4年も恋人してたんだから。
昨日から何か言いたそうだな、って気がついてた。“なにか”なんて曖昧なものじゃなくて、それが“さよなら”なんだってこともわかってた。だって4年も抱かれてたんだから。
最後なんだから、いつも通りにしてたっていいよね。向かい合ってご飯を食べて、狭いお風呂で洗い合って、ベッドで求め合って。
愉悦の涙に見せかけてつい溢れてしまった別れの涙を、僕は彼の胸で拭いた。
誰かに決められたことを実行するだけだ、と言わんばかりのその言葉。だったら僕もあなたが決めたことを実行するだけだ。恋人になって初めての誕生日にもらったキーケースから僕の部屋の鍵を外してテーブルに置く。右手の薬指に光る去年の誕生日にもらった指輪も。
指輪もキーケースもこの部屋にある僕の物も、どうするかはあなたにお任せ。片付けるのも捨てるのも僕の仕事じゃない。あなたが僕に求めているのは、僕が別れの言葉を言うことだけ。
「じゃあね」僕は笑って手を振った。抱かれた次の朝に、僕が先に出なきゃならない日みたいに。次の約束があった時のように、笑って玄関のドアを閉めた。
あなたにおすすめの小説
Ωの不幸は蜜の味
grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。
Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。
そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。
何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。
6千文字程度のショートショート。
思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。
【運命】に捨てられ捨てたΩ
あまやどり
BL
「拓海さん、ごめんなさい」
秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。
「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」
秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。
【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。
なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。
右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。
前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。
※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。
縦読みを推奨します。
心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください
お前が結婚した日、俺も結婚した。
jun
BL
十年付き合った慎吾に、「子供が出来た」と告げられた俺は、翌日同棲していたマンションを出た。
新しい引っ越し先を見つける為に入った不動産屋は、やたらとフレンドリー。
年下の直人、中学の同級生で妻となった志帆、そして別れた恋人の慎吾と妻の美咲、絡まりまくった糸を解すことは出来るのか。そして本田 蓮こと俺が最後に選んだのは・・・。
*現代日本のようでも架空の世界のお話しです。気になる箇所が多々あると思いますが、さら〜っと読んで頂けると有り難いです。
*初回2話、本編書き終わるまでは1日1話、10時投稿となります。
僕は今日、謳う
ゆい
BL
紅葉と海を観に行きたいと、僕は彼に我儘を言った。
彼はこのクリスマスに彼女と結婚する。
彼との最後の思い出が欲しかったから。
彼は少し困り顔をしながらも、付き合ってくれた。
本当にありがとう。親友として、男として、一人の人間として、本当に愛しているよ。
終始セリフばかりです。
話中の曲は、globe 『Wanderin' Destiny』です。
名前が出てこない短編part4です。
誤字脱字がないか確認はしておりますが、ありましたら報告をいただけたら嬉しいです。
途中手直しついでに加筆もするかもです。
感想もお待ちしています。
片付けしていたら、昔懐かしの3.5㌅FDが出てきまして。内容を確認したら、若かりし頃の黒歴史が!
あらすじ自体は悪くはないと思ったので、大幅に修正して投稿しました。
私の黒歴史供養のために、お付き合いくださいませ。
虐げられた令息の第二の人生はスローライフ
りまり
BL
僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。
僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。
だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。
救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。
お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。
花いちもんめ
月夜野レオン
BL
樹は小さい頃から涼が好きだった。でも涼は、花いちもんめでは真っ先に指名される人気者で、自分は最後まで指名されない不人気者。
ある事件から対人恐怖症になってしまい、遠くから涼をそっと見つめるだけの日々。
大学生になりバイトを始めたカフェで夏樹はアルファの男にしつこく付きまとわれる。
涼がアメリカに婚約者と渡ると聞き、絶望しているところに男が大学にまで押しかけてくる。
「孕めないオメガでいいですか?」に続く、オメガバース第二弾です。