僕の幸せは

春夏

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店の前で北斗が手を振る。「早いね」「時間を守る。大人のジョーシキ」…アホか。でもそこが北斗のいいところ。男にも、きっと女にもモテるのは、そういうところ。

「お、そろそろ着くってさ。…なんだよ、緊張してんのか?」「そりゃそうでしょ。お客さんだし」「いい人だよ。なんつーか、悠に合いそう?」「なにそれ」「なんとなくそう思っただけ。あのな、俺だってお前のこと大事にしてんだぞ?ヘンな奴なんか紹介しねぇよ」「…ふーん…」こういうところが北斗のいいところ。

「待たせてすまんな」
「あ、洸さん。時間通りですよ。で、コイツが、」

…嘘だ、そんなはずない。僕はとっさに後ろを向いた。振り向くな、顔を見せるな…
「…まさか…悠…?」

「…北斗、ごめん、僕、用事があった。帰らなきゃ」「は?」「ごめん、また今度」そのまま僕は駆け出した。家とは反対方向だけど、そんなことどうでもよかった。

『悠!』僕を呼ぶ2つの声。聞くな、立ち止まるな。知らず知らず流れていた涙を拭うこともせず、ただ僕は走った。
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