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6. 初めてだから
6-1 おうちデート
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side シキ
帽子を深めに被ったヒカリ。駐車場から部屋までは誰にも会わんかったけど、それでもヒカリを隠すように歩く。今までの恋愛だって外で手を繋ぐなんてでけへんかったけど、並んで歩くのは問題なかった。せやけどなにしろヒカリは世間に知られてもうてる。慎重にならな、辛いのはヒカリや。
部屋にしっかり鍵をかけ、思い切りヒカリを抱きしめる。「…ん、シキくん…俺、キス、したかった…」「いっぱいな」「いっぱい…」唇をついばむようなキスを何度も何度も繰り返す。形のいい唇を舌で舐めるとヒカリの体が強張った。「怖ないよ、ヒカリ、口開けて…」小さく開いたその隙間に舌を差し込み、逃げる舌を絡め取る。思うままに堪能していると「…もう無理…」とヒカリが顔をそむけた。「いっぱいする、言うたやろ」「…だって…息できない」「鼻ですんねん。今日は上手くなるまでしたるからな」「…やだ…俺からする」初めてヒカリからかわいらしいキスをもらった。
「香山さん、練習せい言うとったけど、何?」「あ!あのね、新しい歌!」「新曲か!」「聴いてて?」バッグから譜面を取り出し途切れ途切れに歌い出す。バラードや…。何度も繰り返しだんだんと滑らかなメロディになっていく…え!なんなん、今の吐息…ヤバい、勃ってまう…こんなエロい歌、歌わせたらあかんやろ…。「…はぁ。ね、どうだった?艷やかに、って言われたんだけど、艷やかって何?」「艷やか、っちゅうのは…色気がある、てことやな」「え…俺できないよ!」「…でけとったよ…ほらこんなんなってもた」ヒカリの目は俺の指差すところに。一瞬で耳まで真っ赤に染まった。
帽子を深めに被ったヒカリ。駐車場から部屋までは誰にも会わんかったけど、それでもヒカリを隠すように歩く。今までの恋愛だって外で手を繋ぐなんてでけへんかったけど、並んで歩くのは問題なかった。せやけどなにしろヒカリは世間に知られてもうてる。慎重にならな、辛いのはヒカリや。
部屋にしっかり鍵をかけ、思い切りヒカリを抱きしめる。「…ん、シキくん…俺、キス、したかった…」「いっぱいな」「いっぱい…」唇をついばむようなキスを何度も何度も繰り返す。形のいい唇を舌で舐めるとヒカリの体が強張った。「怖ないよ、ヒカリ、口開けて…」小さく開いたその隙間に舌を差し込み、逃げる舌を絡め取る。思うままに堪能していると「…もう無理…」とヒカリが顔をそむけた。「いっぱいする、言うたやろ」「…だって…息できない」「鼻ですんねん。今日は上手くなるまでしたるからな」「…やだ…俺からする」初めてヒカリからかわいらしいキスをもらった。
「香山さん、練習せい言うとったけど、何?」「あ!あのね、新しい歌!」「新曲か!」「聴いてて?」バッグから譜面を取り出し途切れ途切れに歌い出す。バラードや…。何度も繰り返しだんだんと滑らかなメロディになっていく…え!なんなん、今の吐息…ヤバい、勃ってまう…こんなエロい歌、歌わせたらあかんやろ…。「…はぁ。ね、どうだった?艷やかに、って言われたんだけど、艷やかって何?」「艷やか、っちゅうのは…色気がある、てことやな」「え…俺できないよ!」「…でけとったよ…ほらこんなんなってもた」ヒカリの目は俺の指差すところに。一瞬で耳まで真っ赤に染まった。
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