運命の相手 〜 確率は100 if story 〜

9. プレゼント

9-3 選曲

side 香山

「ふむ…」光理君から渡された歌詞を眺める。「これとこれ、歌ってみて」光理君の癒やしの歌声が会議室を包む。「…よし、こっちはこのままで。これは少し手直しして。この２曲をアルバムに入れよう」「ほんと？いいんですか？」「うん、よくできてる。譜面に起こしてもらって…こっちは作詞作曲hikariで。直す方は編曲者の名前が入るけどいいかな」「はい！ありがとうございます」光理君が楽曲チームと会議室を出ていく。「シングルで出した分を合わせて６曲か。あと５曲は欲しいな。光理君に書いてみたい、というオファーもきているし選ぶのが大変だぞ」楽しそうに笑う社長。どんな歌が集まるか僕も楽しみだ。

「そういえば、アキ君との買い物が目撃情報になっていたなぁ」「なってましたね。美男美女だって。美女じゃないんですけどね」「やっぱり〈hikariに彼氏〉はアリみたいだな」「ですねぇ…最近可愛さが増してますから…」あれはきっと…進展したんだろうな…「ま、アキ君はともかく広瀬さんの方は」「はい。まださすがに…」社長が頷く。「別れさせるなんてことはしたくない」ですね、と僕も頷いた。


side ヒカリ

「ここはこうした方がいいよ」直してもらったところを歌ってみる。「あ、ほんとだ。歌いやすい！」「ね？」「こっち、ほんとにこのままでいいんですか？」「よくできてるよ。いつ作った？」「えっと２年くらい前？初めて路上やった時に歌って…」シキくんに褒められたんだよね。嬉しかったなぁ…。あれからずっとシキくんが好きなんだよね。「有名な作曲家さんとかも光理君に歌わせてみたいって言ってるらしいよ。がんばって」「はい！よろしくお願いします」アルバムかぁ…。今回はいろんなジャンルを入れたい、って社長さん言ってたな。春休みにレコーディングして５月か６月に発売。俺は歌うことしかできない。みんなが応援してくれてるんだもん、がんばろ！