ドールとビルダーの街づくり

春夏

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1.愛されたドール

3.ストファイ王国の成り立ち

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「ストファイ王国、今はこの王都をはじめいくつもの街や村があるわけなんだが、元々ここは不毛の地であった」
「不毛の地」
「そう、草ひとつ生えない、何ひとつ希望のない地だ」

「遠く離れた異国で政争に敗れた王子がここに流れてきたのです。そこに神が連れてきてくださったのが招かれ人でした」
「その王子が招かれ人のパートナーだったのだ。2人の持つ不思議な力がこの不毛の地に命を吹き込んだ。2人が拓いたこの土地にストファイ王国の礎ができた。それが今の王都なのだ」

「希望の地となったストファイに徐々に住民が増えていきました。しかしお2人の力の及ばなかった地域は不毛の地のままで…住民が溢れるようになったころ、次の招かれ人がやってきたのです」
「その方の指差すところにパートナーがいたのだ。同じ髪色のパートナーが。その方が王になってもおかしくなかったのだが、お2人ともストファイの礎を大事にしてくださってな、今もこうして私が王でいさせてもらっているというわけだ」
「300年前にも同じことがおこった。そして今もまた。エージ、あなたは4人めの招かれ人なのです」

なるほど。話はわかった。わかったけれど、このメシ、食うてもええんかな。メシの食い方は知っとる。オトン達が教えてくれたから。せやけど俺はドールやったからな、食えるんやろか。試してみたいのに話が終わらんかったんよ。

「おっと、これはまた失礼した。冷めてしまうな。さぁ、好きなだけ食べてくれ」
初めてのメシは美味かった。できることならオトン達と食ってみたかった。
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