自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

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4.ふたりの自覚

13.自覚しちゃった社長

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翌日の昼休み。
インテリア部門をまとめる太田和樹と、ファッション部門をまとめる柴田輝明を4階に誘う。

「っちゅうわけでな、パーカー作ってくれ」
「……却下」
「なんでや?似合うと思わん?」
「似合うとは思う。きっと似合う。間違いなく似合う」
「せやろ?垂れ耳が可愛ええやろなぁ」
「うん、わかる。わかるけど、わかるけどお!なんで?なにがどうなってそうなってんの?毎晩のメッセージってなんなんだよ?!」
「へ?ID交換したとこ、柴田見とったやん」
「見てたよ?見てたけど!え?葵クンと毎晩?マジだったの?!」
「まだチアキとは呼んでくれへんのよ」
「そりゃそうでしょ?!え?まさか、手ぇ出してないよね?犯罪だよ?わかってんの?」

「まぁまぁ落ち着け。いったん整理しようぜ」
「落ち着いていられるわけないでしょうよ!」
「奥山、お前、葵クンのことどう思ってんの?」
「どう思うとるて…可愛ええな、て」
「あ、ペット枠だった?それならいいか」
「ペット?」
「だからさ…んー、まぁアレだ、散歩中に会った他人が“カワイイですねぇ”って撫で回しても平気か?」

撫でまわす…葵を俺以外のヤツが?
「そんなんさせんぞ!絶対にあかん、絶対許さん!」
「……奥山、ペットだろ?普通じゃん。オレだってそのくらいのこと、普通にするぞ?飼い主だって“そうなんですよ”なんつって喜ぶしよ」
「あかん。俺以外のヤツが葵に触るのは許さん」
「独占欲丸出しじゃん!バカなの?自分が葵クンに惚れちゃってんの、気づいてないわけ?…あっ、ヤベッ」

……惚れとる?俺が葵に?あんな年下の子に?
独占欲丸出しって…え?ホンマに?
「…あーあ、どうすんだよテル、自覚しちゃったじゃん」
「だってぇ…葵クンきっと“なんで?”とか“からかわれてる?”とか思っちゃってるよ?かわいそうじゃん…」
「あー、確かに。“遊ばれてる”とか思ってそう」

「…からかっとらん。遊びでもない。あかん、マジかもしれん。どうしよ、なぁ、どうすりゃええのん?!」
「あのなぁ…本気か?オレの知る限り、誰にも執着したことのないお前が?あんな年下の男の子に?葵ちゃんにだって好きな子いるかもしれないのに?」
「俺の方がええオトコや」
「だから!なんで男前提なんだよ。女の子かもしれないじゃん」
「俺の方が優良物件やな」
「…あーもう、ダメだこいつ…。葵クンもアルファかもよ?」
「それでもかまわん。そらオメガやったら最高やけど…葵からフェロモン感じたことあるか?」
「そう言われるとないかも。アルファじゃないのかな?」
「オレもないな。体つきはオメガみたいだけど、これから大きくなる年頃だしなぁ」

葵に惚れとる。
葵と顔を合わせるたびに、声を聞くたびに、メッセージしあうたびに抱く感情が、それやったとようやく気づく。
葵のことをもっと知りたい。
誰にも触らせたない。

何人もの女とも男とも付き合うてきたはずやのに。
葵は違う、他の誰とも違う。
これが惚れるっちゅうことか……。
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