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side 幸久
高等部の制服、高校の教科書。机の上に飾られる入学式の写真。あ、目黒だ。同じクラスなのか。よく見れば知ってる顔だらけ。…真ん中に写るのは小林先生。俺、ほんとに高校生だったのか…。
「幸久、これ」父さんに渡されたのは指輪の通ったネックレス。「なにこれ?俺の?」「…高校生の幸久が大切にしていたものだよ。首にかけておきなさい」「これ、父さんが買ってくれたの?」「幸久と一緒にチェーンを買いに行ったんだ」「じゃそれに指輪もついてたんだね。カッコいい、ありがと」「指輪は…幸久、明日学校に行ってみないか」父さんはいきなり話題を変えた。
父さんは俺の事故でまとめて有休をとったそうだ。「余ってたからちょうど良かった」なんて笑ってるけど、悪いことしちゃったな。「父さんもついていくし、小林先生が目黒君を呼んでくれたそうだから」「目黒?」「1番仲が良さそうだから、って」そっか。俺、高校に入ってからも目黒とつるんでたんだ。目黒がいるなら安心。「わかった、行ってみる。俺、勉強とかも忘れちゃったのかなぁ」「机の上の問題集、宿題だろ?やってみたらどうだ」そう言われて解いてみる。…わかる。俺やったことあるんだ。他のことも思い出せればいいのに。「そうだ、俺のスマホは?」渡されたのは壊れた見覚えのないスマホ。「高校に入って買い替えたんだよ。修理するか?」「…ううん、これ俺のじゃないし…。新しいやつ買ってよ。電話番号もメッセージのIDも全部新しくしたい。知らない人から連絡きたりすると困るから」「…そうか。それがいいかもしれないな」
「幸久はな、大学入って理学療法士になる、って」「なにそれ?」「ほら、成長痛でうまく走れなかった時にトレーニングのメニューを作ってくれた人がいたんだろ?あの人みたいになりたい、って」「へぇ…父さん、俺なんで忘れちゃったんだろう。もう思い出せないのかな」「…絶対に思い出すさ。絶対に忘れたままじゃいけないことがあるんだ」
それがなんなのか、父さんは教えてくれなかった。自分で思い出さなければいけないことだ、って。俺は自分が無意識に胸の指輪を握りしめていたことも、それを父さんが泣きそうな顔で見ていたことも気づかなかった。
高等部の制服、高校の教科書。机の上に飾られる入学式の写真。あ、目黒だ。同じクラスなのか。よく見れば知ってる顔だらけ。…真ん中に写るのは小林先生。俺、ほんとに高校生だったのか…。
「幸久、これ」父さんに渡されたのは指輪の通ったネックレス。「なにこれ?俺の?」「…高校生の幸久が大切にしていたものだよ。首にかけておきなさい」「これ、父さんが買ってくれたの?」「幸久と一緒にチェーンを買いに行ったんだ」「じゃそれに指輪もついてたんだね。カッコいい、ありがと」「指輪は…幸久、明日学校に行ってみないか」父さんはいきなり話題を変えた。
父さんは俺の事故でまとめて有休をとったそうだ。「余ってたからちょうど良かった」なんて笑ってるけど、悪いことしちゃったな。「父さんもついていくし、小林先生が目黒君を呼んでくれたそうだから」「目黒?」「1番仲が良さそうだから、って」そっか。俺、高校に入ってからも目黒とつるんでたんだ。目黒がいるなら安心。「わかった、行ってみる。俺、勉強とかも忘れちゃったのかなぁ」「机の上の問題集、宿題だろ?やってみたらどうだ」そう言われて解いてみる。…わかる。俺やったことあるんだ。他のことも思い出せればいいのに。「そうだ、俺のスマホは?」渡されたのは壊れた見覚えのないスマホ。「高校に入って買い替えたんだよ。修理するか?」「…ううん、これ俺のじゃないし…。新しいやつ買ってよ。電話番号もメッセージのIDも全部新しくしたい。知らない人から連絡きたりすると困るから」「…そうか。それがいいかもしれないな」
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